見出し画像

Hi-STANDARDのサブスクとDVDと #ハイスタ #soundslikeshit

これはハイスタのメンバー3人の人生が良いものになることを心から願っている、いちキッズからのラブレターである。

**

4/22にハイスタの(ほぼ)全リリース曲&2018年の横浜アリーナでのライブ音源がサブスクで聴けるようになった。

ここで「絶対に聴いておくべきハイスタの10曲!」とかやり始めたら、妻も友達も「あんまダッセーことすんなよ!」と全力で正してくれるだろう。
ハイスタはどれかのアルバム1枚を通しで聴いて何も感じられなかったらそれまでで、僕から言うことは何もない。そういうバンドなのである。

サブスク解禁と同時にゲリラ的に配信された「Live at YOKOHAMA ARENA 20181222」は、最新のハイスタがぎゅんぎゅんに詰まった素晴らしい作品だ。

20年以上前に作った自分たちの曲。それをこうやって新鮮な音で鳴らせるってどれだけ最高な気持ちなのだろう。

ハイスタの音は大きく3つに分けられる。
【2000年までの活動停止前】【2011~2012年の活動再開時】【現在】。確かに同じ3人がメンバーだけど、全部が全部まったく違う。

現在の最強の音は関係性を再構築したおかげであることは、メンバーたちからも語られている通りだ。
お互い単なるビジネスパートナーとしてハイスタは成り立たなかったことを知ったとき、大変だろうなと思うと同時にハイスタキッズとしてはそんな3人の人柄が嬉しくもあった。
そして休止期間に個々で培った経験を持ち寄って2016年にANOTHER STARTING LINEを作り上げた。精神面の邂逅と新曲制作の過程で、新たなハイスタとして生まれ変わったのだ。このシングルが告知ゼロでいきなり店頭に並んだときの衝撃といったらなかった。

2011年~2012年頃は横山健が自身のコラム等で「懐メロバンド」「カラオケと変わらない」と自虐していたこともあった。
今思えば震災から復興のためという大義名分があり、過去の曲に演奏させられているような感覚だったのではないかと想像する。
それでもファンとしては十分すぎるほど素晴らしい体験だった。特に仙台で開催された2012年のAIR JAMはシチュエーション含めて一生忘れない。
360°無限に広がる緑の広場と青空の下で一日過ごし、やがて陽が沈みイベントはクライマックスを迎えた。
会場全員のボルテージはずっと最高潮。これ以上にない環境で、ハイスタがラストに演奏したMOSH UNDER THE RAINBOW。汗でビチョビチョの友達とサークルを作って踊った時間は一生の宝物だ。大げさでなく。

**

僕がハイスタを知ったころは既にAIR JAM 2000が終わり、バンドは止まっていた。むしろそんな人のほうが多いのかもしれない。
この世代のことを、僕は密かにエアジャムコンプレックス世代と名付けている。だってハイスタ好きな人はエアジャム絶対行きたかったでしょう?
幸運にも参加できたAIR JAM 2011からのライブは積極的に観に行くようにしているが、ライブを観て「ベテラン」「懐古」「余生」「若かりし頃の財産」などと一度も思ったことがない。むしろ観るたびに全盛期が更新されていくのである。

自分の中のその思いは2017年のフルアルバム「THE GIFT」を引っ提げたツアーで顕著になった。新潟朱鷺メッセの1万人規模でのスタンディングライブを浴びたとき、過去の曲も新しく作り上げて鳴らしている感覚が確かにあった。
当日は他の客ともみくちゃになりながら全曲シンガロング。翌日から1週間以上も喉が潰れていた。
ファミリー席以外の指定席がなくて会場の熱気もすさまじく、一緒に来なかった友達に未だに自慢するほど充実したライブだった。

そして時間は今日になる。

サブスク解禁と同時にリリースされたドキュメンタリーDVD『SOUNDS LIKE SHIT』についてきた『ATTACK FROM THE FAR EAST 3』を鑑賞した。これはかなりのハイスタ・ガチキッズ向けの作品と言いたい(ちなみにドキュメンタリーは劇場で鑑賞済み)。
詳細は書かないが、1997~2000年頃のバンドの姿が収められている。最後の曲を観終えて感慨深くなった後、思わず最新の音が聴きたくなって「Live at YOKOHAMA ARENA」に手が伸びる。

すると、DVDでは聴けなかった完全に揺るぎない音が再生された。

DVDの頃の音も確かにかっこいい。
でも、ハイスタ自身が「モンスターとしてのハイスタ」を操縦しきれていなかったことを知ってしまっているからだろうか。ふとしたメンバーの表情などが気になったり、何かが引っかかるのだ。

今のハイスタはメンバー3人が全長500mはあるモンスターの上に等身大でまたがり、なんとその景色を楽しみながら操縦しているではないか。
ただ、3人とも心身ともに万全でないと決して動かせないだろうとも思う。2019年10月に横山健が療養を発表してから表舞台に立っていないが、じっくり治してほしい。

ハイスタが止まっていようが動いていようが、ライブをしようがしまいが、僕は生きている限りハイスタキッズであり続ける。

僕が僕でなくなるとしたら、まずハイスタを忘れることが必要だろう。それくらい、意識しなくても人生で常に寄り添っている存在なのだから。

この記事が参加している募集

私のイチオシ

有料記事の収益やいただいたサポートは、ライブイベント大車輪に関わる運営費の足しにさせてもらいます。