見出し画像

子どもの思いと大人の都合

娘の大好きだったおもちゃの一つに「やりたい放題」というものがありました。

画像1

絶妙なネーミングに表れているように、それはもう夢中になって遊んでいました。ですが、それ以上に、このおもちゃをきっかけに日常的にやりたい放題していました。テーブルの裏にシールを貼りまくったり、ティッシュをひたすらとりまくったりという程度に。でも、不思議とそれに対して親がイライラすることはほとんどありませんでした。娘は、ここまではOK、これ以上はダメというラインが一歳そこそこにしてわかっていたのではないかと思うほどです。

このように、我が家は基本的にやりたいことをやらせて育ててきたつもりです。それは、2人目が生まれてからも変わりません。子どもの興味関心を第一に!という方針は変わらない…はずだと思っていました。しかし現実には、少しずつ大人の都合で動くようになってしまっていたのです。

そのことに気付いたのは、とあるnoteを見たことがきっかけでした。今日は、それを紹介させていただきたいと思います。

メロン

メロンのアイス。メロンの形をした容器にアイスが入っているメロンアイス。大人にとっては、イメージどおりのアレです。でも、そのメロンの容器は、子どもにとっては特別です。そのメロンと一緒にお風呂に入ろうと決めたときから、スペシャルなのです。そんな容器を子どもがなくしてしまったらどう対応するでしょうか。「なくしちゃったなら、新しいの買おうか」で済ませていないでしょうか。そんな子どもを思いを大切にしたお話です。

「日常の小さな幸せはこんなにも大きいものなんだよ」とみゆなさんの作品が語りかけているようで、僕の心に響くものがありました。

みゆなさんは、他にもたくさんの素晴らしい記事を執筆されています。子育てをしながら、ご自身の経験をもとに執筆されているライターさんです。私自身、みゆなさんの記事を拝読するたびに、育児とはどういうものなのか、そして、表現することの奥深さ、美しさ、難しさを学ばせてもらっています。

プラレール

去年、娘の2歳の誕生日にプラレールを買いました。きっかけは、ママが美容室に行ってる間、娘と入ったショッピングモールでのことです。ショウウィンドウの中を、ガタンゴトンと走るカラフルな汽車に釘付けになっていた娘。「パパ、きしゃ来たよ!」「すごーい」「また来たよ!」「わーい」と何度も何度も興奮した様子で話すのです。抱っこして違う角度から見せたり、一緒にプラレールの動画を撮ってみたりと、どれだけの時間その場にいたかわかりません。

そんな娘が誕生日に手にしたプラレール。それは、もうどれほど嬉しかったことでしょうか。言葉に表せない思いがたくさんあふれていたことを思い出します。

ですが、最近はどうでしょうか。「パパ、プラレールしよう」という言葉に対して、「ごめんね!今、ベビーくん抱っこしてるから、また後でいい?代わりに、ブロックしよう?」と家族の都合で動き出してしまいます。娘はこだわりが強く頑固な反面、大人の都合を説明すると聞き分けよく行動できます。僕はそこに甘えていました。そして、後でやろうと言った言葉に、毎回責任をもてないことも引っかかっていました。自分の思い通りにいかないということは、家族という小さな社会で学ぶべきルールであることは確かです。ですが、同時に娘の思いに何度フタをしてきたのだろうかと反省しました。平日、ママとベビーと3人で過ごす時はそれも仕方ありません。というか、それがデフォルトです。でも、パパの役割って、家族の笑顔を増やしてより豊かにすることなはずなのに…。

そう思うと、みゆなさんの記事を読みながら、自然と涙が浮かんできました。自分自身が大切にしたいと思っていた価値観。それに従っているつもりだったのに、気付かずに娘の思いに寄り添えなくなっていました。きっと、プラレールの例だけではなく、他にも同じような場面はあっただろうと思います。

「子どもの思いを大切にする」ということは、時間もかかって、面倒くさくて、その割に効率も悪くて、堂々巡りになることも多いけど、最後の最後まで寄り添うことを言うのかもしれないと思いました。

やりたい放題

子どもにやりたい放題させるというと、「それは理想論だ!」という異論があることはもちろん承知しています。でも、あえて言わせていただくなら、やりたい放題させたくても現実にはできないものです。だったら、やりたい放題していいよって思ってるくらいが丁度いいのではないかと思うのです。子どもの「やりたい」を受け止めるには、忍耐と体力が必要になることは間違いありませんが、パパとしては、このくらいのスタンスでいたいと思います。もちろん、やりたい放題させることと後手後手になることは別物です。危険なことを避けるために先読みする力が必須であることは言うまでもありません。

そういうパパのスタンスが、きっとママの支えになるはずだと思って過ごしてみようと思います。ママが笑顔でいることが、巡り巡って家族全員の笑顔をつくります。だから、これからも子どもたちには、戦略的にやりたい放題させてあげたいと思います。

小学校教師、パパとしての立場から発信し続けていきます!これからもよろしくお願いします!