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憧れの一等星

Apple Musicで、BUMP OF CHICKENの「天体観測」2022年再レコーディング版がリリースされた。
今Apple Musicでは、Dolby ATMOSという空間音響技術を使った音楽配信が始まっていて、今回その一つとして天体観測の2022年バージョンが収録・配信されることになったらしい。
らしい、というのは、正直音響技術のところについてはちょっと、いやだいぶかなりふんわーりとしか把握できていないのだ。とりあえず、設備があれば左右だけでなく前後や頭上からも音を出せて、イヤホンやヘッドホンでも音を空間で聴いているような体験ができる、という、つまりは「いい音で聴けるよ!!」ということだと理解したのだけど、これであってるのかいまいち自信がない。

まあそれはそれとして、せっかくiPhoneユーザーなので、Apple Musicに登録して聴いてみることにした。幸運にも過去何度か行ったBUMP OF CHICKENのライヴで聴いた天体観測が、とにかく格好いいことを知っているからだ。

どのくらいちがうのかなぁとドキドキしながら、iPhoneの設定をDolby ATMOSで聴けるように変更して、付属のイヤホンだけど、いざ両耳に差し込んでみた。
それで半分衝動的に今この記事を書いているわけだけども、耳に流れ込んできた音は、思っていたものと全然違っていた。こういう時、自分の語彙の足らなさインプットのサボり加減を痛感してしまうのだけども、もちろん、とてもとても良い意味で。

一番強く感じたことは、ものすごく足並みの、呼吸の揃った音だということだった。
もちろんオリジナルの方がちぐはぐとか、リズムとしてがたがたぐらぐらしているということでは一切ない。そして、ガチガチに堅苦しくなったというわけでもない。自分達の足で踏み固めて、土台を作ってきた安定感というか、そういうものだ。
天体観測という曲が世に届けられて20年経つし、バンド自体は結成から四半世紀を過ぎている。
今日までの間、この曲自体いろんなところいろんな場面でもう数えきれないほど演奏されてきただろうし、それを除いても、生まれてくる音楽が望む形で鳴るように、ロックバンドという型にとらわれず、色んなことを試していると聴く。
再レコーディング版の天体観測は、そうして積み重ねてきたもので、丁寧に、誇らしさといとおしさを持って仕立て直されたものだと、心からそう思った。

私は、BUMP OF CHICKENのメンバー四人と大して歳が変わらない、いい大人だ。
だけど彼らの、音楽と、音楽の先にいる私たちリスナーとの向き合い方、その真摯さと高い温度を受け取るたびに、めちゃくちゃ格好いい大人だなといつも思う。今の彼らが奏でる天体観測を聴いて、それをまたこれでもかというほど思い知らされた。
ああ、私にとってBUMP OF CHICKENは、やっぱり憧れの星だ。

再レコーディング版はApple Music内(要利用登録、初月のみ無料お試しできる模様)のみの配信だが、もし聴ける環境にある方は是非聴いてみてほしい。

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