オーストラリアのアボリジナルは多言語集団
アボリジナルの人々は自分たちの言語でディジュリドゥをどう呼んでいるんでしょう?まずアボリジナルの人々の使う言語は単一ではないことを理解した上で、彼らはある領域ごとに住み独自の言語を持つ多言語集団であることを知っておきたい。
現在の言語マップとは異なる部分もありますが、特に内陸中央あたりの砂漠エリアの言語集団の領域が大きく、沿岸部の言語集団ごとの領域が狭く数が多いのがわかります。
アボリジナルは多言語でディジュリドゥの名称も多様
現在消滅の危機にある言語もありますが、Tindaleの地図を見るとオーストラリアには多様な言語集団が存在していることがわかります。ディジュリドゥが演奏されるオーストラリア北部トップエンドの中でも各言語グループごとにディジュリドゥの名称は違っている(共有されている場合もある)ことを考えれば、アボリジナルがディジュリドゥを指す名称にも多様性があることがわかります。
たとえば、Goulburn島のMawngの人々はAlawirr、東アーネム・ランドのNumbulwarのNunggubuyuの人々はLhambilglbilg、Wadeyeのキーが低いディジュリドゥはMarluk、Groote EylandtではYiraga、など地域や言語グループによって異なる名称の異なる特性の楽器が存在しています。
近い距離にあるエリア同士ではMagoとMako、AlawirrとAldawirr、YidakiとYiragaなど似た響きになっている点が興味深いですが、その関係性をひもとくには専門的な民俗学的、言語学的知識が必要なのかもしれません。