ハッピーエンドを考える。

こんにちは。バンブーマンです。


年末年始、少し時間があったので久しぶりに読書に当てる時間を作りました。
その中でひとつ、気になったものがあって。
簡単なストーリーとしては主人公の男の子が小さいうちにひょんなことから家族とはぐれてしまい離れ離れになるも遠い国の家族に拾われ、大学生になるまでその地で成長、その後その少年は友人からある方法で母国の場所を突き止めることとその方法を提案され、そこそこの苦労を経てついにその母国にたどり着いて最後には家族と15年ぶりに再会する、というまあベタなやつです。
どうしてこれが気になったかというと、この物語、ハッピーエンドみたいに書かれてますけどそうでもなくないですか?ということです。

というのも、この話って地元に帰ることが最終目標になってしまっていてそのあとのこと考えてないですよね
あ、別にこのシチュエーションがバッドエンドだ!って言いたいわけではないんです。場合によってはハッピーエンドになるでしょうし。
だけどその後の人生がハッピーになる可能性ってこの物語がハッピーエンドの話だ、という風に当たり前のように受け入れられるほど高くないですよねって言うことです。


まず、15年間思い続けてる人ってかなり理想像出来上がっちゃってると思うんですよ。しかもかなり小さいときに別れてるんでやな思い出はほとんど覚えてないと思うんです。

久々に帰ったら、お母さんの料理が思ってるより美味しくないかもしれないし、お風呂のお湯加減は自分の好みよりぬるいかもしれないし、覚えている唯一の友達が鼻ピアスとか開けたりネット上で「ワイ」を一人称にしてる一番つまんないやつになってるかもしれない。
まず帰ってきて3年くらいは理想と現実の乖離に苦労すると思います。

だって成人式で8年ぶりに友達に会った僕でさえそうなんですから。小学校のころずっと一緒にいたA君はノー眉毛パンチパーマになっていたし、授業中こっそりいっせーのゲームをして二人で先生に怒られたB君は東京ダイナマイトみたいな恰好で成人式に来るし。
主人公の彼、15年ですよ?僕の2倍です。そりゃ友達の友達のパーマもより強めにかかってるでしょうし東京ダイナマイトもいれば金属バットもいるでしょう。


家族からしても可愛かったあの子がやっとっていう思いもあると思うので家族からの期待もかなり高まってますよね。期待というか、理想というか。
多分いない間も「あの子はほんとに可愛かったよね~」って言う話をしてると思いますし。
家族の可愛いあの子が大きくなって帰ってきたという喜びも壊さないようにしないといけないわけですから、まずはスマホのプレイリストに入ってるラップの歌は全部消さないとですし、持ってるダメージジーンズはダメージ部分を全部縫い付けて真面目ジーンズに直さないといけないですよね。



こうなるとお互い暮らすだけで結構カロリー消費しますよ。この辺の問題をクリアしたとしても帰ってきた時点でもう大学生だからすぐに就活です。
15年ぶりに母国に帰ってきて、すぐに就活。しますか?僕だったらしません。かといってもう一回大学探しますか?それも嫌ですよね。
就活したとしてもその国の業種の今の状況とか抱えている問題とか何も知らないからそれは苦労しますよ。話を聞ける先輩もいないわけですし。


でも小さいころから家族と離れ離れになって、苦労してるんだから最後くらいハッピーエンドになってもらいたいですよね。
じゃあどうすればいいか。
僕の答えはこれです。

「母国に帰った少年はびったし予想通りのお母さんの料理を食べ、これまたびったし自分の好みドンピシャの温度の家のお風呂で健康を保ち、眉毛びっしり、髪の毛まっすぐの友達と再会し、その友達の紹介でちょうど興味がある業種に精通している先輩に出会い、満を持して就活を始めましたとさ。」

いかがですか?
これでハッピーエンドになりましたよね。

主人公の就活がうまくいくことを、願っています。


最後まで読んでいただいてありがとうございます。
この記事もたくさんの人に読んでもらって、ハッピーエンドを迎えますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?