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株式投資型クラウドファンディングって何?スタートアップでも使えるの?

BAMBOO INCUBATORは、スタートアップ起業家の情報格差解消を目指し、起業家、エンジェル投資家、弁護士、弁理士、会計士、税理士、司法書士及び社労士で運営されている任意団体です。

このnoteでは、当会が開催している無料ウェビナーのレポートを投稿していきます。今回は、2021.8.5に開催された「株式投資型クラウドファンディングって何?スタートアップでも使えるの?」のレポートです。

起業家の皆さん、次の疑問に即答できますか?
株式投資型クラウドファンディングって最近よく聞くけど具体的にどんなもの?」
「VCからの出資や銀行融資と比較して、どのようなメリット、デメリットがあるの?」
「どんなスタートアップに適しているの?」

こんな悩みをお抱えの起業家の皆さん、ぜひご一読ください。
今回は、近時話題の「株式投資型クラウドファンディング」について、国内最大手サービスFUNDINNOを運営する日本クラウドキャピタルの大浦学さんをお招きして根掘り葉掘りお聞きしました。

株式投資型クラウドファンディングとは?

株式投資型クラウドファンディングとは、非上場企業がWEBサイト上で株式や新株予約権の募集を行い、多くの人から少額ずつ資金を集める仕組みです。

株式投資型クラウドファンディング”FUNDINNO”のご紹介

FUNDINNOは株式投資型クラウドファンディングサービスです。
誰もが起業できる世界を創りたいという想いの元、設立されました。累計成約額61億円、ユーザー数7.2万人(2021年8月5日時点)詳しくは以下HPをご覧ください。

日本の市場構造から見えるベンチャー企業の生育環境は?

日本とアメリカの投資額は約16.5兆円も離れています。日本はまだまだ投資額は少ない状況が続いています。

アメリカはナスダック市場があり、その他にもいくつものステップアップ市場があります。よって、アメリカは非上場会社でも株式の売買をすることができるため、株式の流動性・換金性があり、いつでも売買できる環境が整っています。

一方日本では、東証一部が一番多く2500銘柄、ジャスダック、マザーズが1000銘柄で、流動性がアメリカと比べ低くなります。またマザーズへの上場が平均7年かかったり、流動性が低いため換金するためマザーズ上場する必要があったりするため、スモールIPOがでてくるケースもあります。

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アーリーステージへのリスクマネー供給について

スタートアップにとって必要な資金を確保できないと言われている死の谷。大型ファイナンスはミドル・レイタ―時期に集中している一方で、アーリー時期では資金が足りていません。

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投資型クラウドファンディングの仕組み

投資型クラウドファンディングは”ベンチャー企業の成長支援と新しいExitの手段”として上記の課題を解決しています。消費者がダイレクトにベンチャー企業に投資できるサービスになります。

また、FUNDINNOの場合、少額要件と電子募集の条件があります。少額要件は、発行者は年間募集上限金額は1億円未満。投資家は、1社に対する年間上限金額は50万円になります。電子募集は、インターネット以外での勧誘行為は禁止されております。

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株式投資型クラウドファンディングのメリット

株式投資型クラウドファンディングのメリットはファン獲得です。VCとは違い、個人が当該企業の世界観に共感して出資することが多く、企業の「ファン株主」を生み出すプラットフォームになっています。
株主になると以下のような具体的メリットがあります。

①株主による商品、サービスの購入
②SNSによる会社情報のシェア
③長期的な視野で応援してくれる”安定株主”
④株主からのサポート:事業に対してのフィードバックや業務提携、営業支援など

FUNDINNO事例

toC、toB共にファンの共感から資金を調達しています。ファン株主の宣伝、事業のフィードバックの支援を受けています。

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投資する人の中にやばい人はいない?(^_^;)

証券会社の立ち位置から、厳しく反社チェックをしているため、安全性を保っています。また株主がモノを申すかどうかについては、企業によります。具体的には株式の持ち分によって権利が変わってくるため、一定言われるリスクもあります。出資者は数も多く個人投資家のため権利が限定されています。

どのフェーズで利用を検討するのが良い?シード期でも使えるの?

シード期でも活用することは可能です。ただ、FUNDINNOの場合は現在、アーリー、プレAくらいのステージの会社のご利用が多いです。理由は、シード期はアイデア段階からプロダクトを創ろうとしますが、プロダクトができていなければ株主に説明しずらいため、すでにプロダクトがあるステージの企業で多く利用されています。

普通株スキームと新株予約権(SO)スキーム、利用割合は?

利用割合は、約50%ずつです。また企業側はそれぞれ成約率についても違いがあります。エンジェル税制が使える普通株は成約率が約97%でSOであると約70%くらいとなっています。

投資家はSO(ストックオプション)スキームを嫌がらない?

成約率から約97%というから嫌がられることはありません。

バリュエーション(企業価値)はどうやって決めているのでしょうか?

企業側が希望したバリュエーションを運営元が審査して決定します。基本的にはVCと同じように独自の計算から精査します。VCとの違いは、起業家とVCの中では交渉の元、投資額は希望額より低くなる傾向があります。株式投資型クラウドファンディングの場合は、運営元が資金を出す場合ではないため、マーケットが決めたら良いという考え方のため、高く企業価値が付く傾向になります。

ぶっちゃけ幾ら調達できるの?


法律上1億円未満と規定されていrますが、平均約3500万円を調達しています(2021年8月5日現在)。調達の範囲は、約2000-5000万円の金額です。また、一例では150人の株主が一人当たり約20万円を出資して、企業側は株式を約10%放出して約3000万円を集めています。

不特定多数の株主がいるって怖くない?意思決定はどうするの?

株主が多くなる傾向にある株式投資型クラウドファンディングの場合は、どのようにして意思決定をしているのでしょうか。
一人当たりの出資額が小さいため、議決権が小さく大きな問題は起きにくいです。出資者は議決権を多く持っていないためVCよりも意思決定に関与しずらいと考えております。また、企業側はVCのように一社に大きな割合をもたれるのか、多くの出資者を募り、権利が分散されている方がいいかの意思決定をする必要があります。

失敗したときにクラファン株主から株式を買い取ることはできる?

中にはピボットやサービスが終わる場合があります。その際は、企業が投資家の株を買い取るということはあるのでしょうか。株式を買い取ることはできます。企業側から買取りに応じる場合もあります。

ずばり、VCは嫌がりませんか?


VCによっては嫌がれる場合もあります。リリース時点と比べるとVCと資金調達のお手伝いなどもしており、連携する事例も増えております。しかしながら、海外でも同じように、業界としてネガティブにとらえられることもあります。一番違うのはバリュエーションの考え方も違うケースが多いです。世界感と立場によるため、答えが一致するわけではないと考えております。


まとめ


株式投資型クラウドファンディングは新しいサービスなので、起業家としてはまずはどのような仕組みなのか、基礎的な知識を得て理解した上で、適用の可能性を検討しましょう。

次回のイベントご紹介

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執筆協力
billage OSAKA
https://billage.space/osakaekimaedaiichi
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