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メイクで愛さなくなるような男なんてやめなさい

娘が今ハマっているのがアメリカのリアリティ番組「RuPaul's Drag Race
美しく変身するドラァグ・クイーンたちのメイクやファッションはもちろん、彼女たちの環境や考え方にも影響を受けている娘は、この番組を見始めてジェンダーに対する見方が大きく変わり、親子で性差について話すことも多くなった。

毎シーズンごとに「推し」を見つけて、推しが勝ち進むのを親子でドキドキしながら見ているのだけど、これまでの出演者の中で娘が一番好きなクイーンがアリッサ・エドワーズだ。娘は彼女のメイク動画を参考にしながらドラァグ・クイーンメイクにハマってる最中。
まだ自分にメイクするのは早いので、メイク練習用の紙にあれこれと試しているのだけど、私のメイクを見ては「ママはベースメイクからなってない。もっと立体的にして、目元も強調しないと」とかって言い始める。
毎回、ママはドラァグ・クイーンじゃないんだよ、と断っていたのだけど、今日は「ママもメイクを変えたらモテるよ」というので「ドラァグ・クイーンメイクだと恋人に嫌われちゃいそうじゃない?」と答えると「そんな、メイク変えたくらいで愛さなくなるような男なんてやめなさい」と一言。
なんだそのど正論。

私はどんくさくてあれこれやらかす方で、旅先でホテルの部屋のブレーカー落としたり携帯をしょっちゅうどこかに忘れたり、左右見て渡ってるのに車に轢かれそうになったり、人に話すと大爆笑されるようなことをよくしてしまうせいか、友人たちから「アイカのやらかすところも愛おしいと思ってくれる穏やかな人を見つけるんだよ。どんなアイカでも全力で愛してくれる人じゃないとダメ」とよく言われる。
それをずっと聞いてきた娘は、人一倍私に対してそんな思いが強いのかもしれない。
「ママのバカなところも可愛いと思ってくれる人と付き合って」「ママのいいところを分かってくれる人が出てくるといいね」といつも言っている娘からすると、当たり前のことなのかもしれない。

人は誰しも好きな人には嫌われたくないと願う。その思いで、好きな人の好みに合わせたり言いたいことが言えなくなってしまうこともある。
だけど互いを理解し、大切に思い合えないような関係はどんなに一緒にいても虚しいだけだ。
幼い頃から愛に枯渇していた私は、それに気付くまでにとても時間がかかった。娘はそのことにすでに気付いているのかな。彼女に好きな人ができた時、その思いを貫き通せるように自分を大切に生きて欲しいと思う。
誰よりも自分を大切にして欲しい。自分を大切にした上で、大切な人を見つけて大切に関係を育んでいって欲しい。

来週あたりドラァグ・メイクをすると指切りしたので、実験台になる予定。
私の一番好きなクイーンはラジャなんだけど、ラジャみたいに美しくなれるかしら(ラジャは元が超かっこいい)。

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