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ダイヤモンドリーグ(パリ)観戦記録

6月18日に陸上競技の最高峰の大会、ダイヤモンドリーグ@パリを観戦してきた。

北口榛花選手やり投げ優勝

すでにニュースにも出ているが、本大会のやり投げ女子で、日本選手初の優勝を果たした北口榛花選手の投擲を近くで観ることもできた。

ダイヤモンドリーグに出ること自体簡単ではない中、コンディションを整えて、日本人で初めて優勝されたことは快挙としか言いようがない。

本大会に日本人として参加していたのは北口選手のみで、アジアに広げても、中国の選手が棒高跳びと三段跳びに1名ずつ、その他バーレーンのアフリカ系のランナーで女子3000m障害を今季世界最高の8分56秒55で征した選手位であろう。まさにアウェイ中のアウェイの中での優勝、本当におめでとうございました。

現地観戦雑感

来月のアメリカ、ユージーンの世界選手権に向けてライバル達との熱戦が観られる非常にレベルの高い大会を観戦することができて、大変良い思い出となった。以下、現地観戦の雑感を述べたい。

スーパースターの共演だけではない催しの数々

6月18日土曜に開催されたこの大会の開場は18時で、終了が23時過ぎ。

5時間通して、ダイヤモンドリーグという訳ではなく、世界クラスの選手の競技の合間、特に開場から19時半過ぎまでは、フランスの子ども達、学生達のリレー競争がずっと開催されていた。

距離もユニークで、800,200,200,800の計2,000m。部門は男性、女性、混合の3部門。

子ども達が走れば、クラブの指導者や親御さん達も来るし、自分達の競技の後には、競技場内をゆっくり走ったり、表彰式も会場内で開催されたりしていた。

競技中はずっとミュージックが流れ、また、大会プレゼンターがマイクを握り、合間に出てきて、フランス選手の優勝者や大会主催者へのインタビューをしたり、観客席を巻き込み手拍子やウェーブを求めたりしていた。

さらに、観客を巻き込むために、大型スクリーンに、観客をランダムに映し出して、カップルや夫婦にキスを求めたり、バックミュージックに合わせてダンスやギターをやるよう求めたり、お客さんを暇にはさせない演出が様々なされており、日本にはない大会運営を感じた。

最も人気があった種目

実はダイヤモンドリーグ@パリを観たのは今回が初めてではなく3回目。3回ともなのだが、最も盛り上がっていた種目は、と聞かれると、棒高跳び、と私は答える。

その背景には、フランス人選手の活躍抜きには語れない。昨日もそうだが、フランスの棒高跳びの第一人者であるラビリネ選手の存在が大きい、

2012のロンドン五輪の金、2016のリオ五輪の銀メダリストとなれば、地元民として、盛り上がらない訳にはいかない。

毎回毎回の手拍子、成功した時の拍手、失敗した時のため息と、ホームストレートで100mや110mHがやっていようとお構いなし。主催者側も言ってもらちがあかないと思ってるのか、注意さえもしない。

あんな中で演技ができるなやて、選手はさぞかし幸せだろう。

トラックに目が行きがちだが、長時間、選手と観客が一体となり、1つ1つの高さの成功を見守る棒高跳びが、改めて魅力に感じた一日であった。

フランススーパースター

上記と重複する面があるが、あの日、フランス人のお客さんの心を掴んだ別のスーパースターについて、少し触れたい。

長距離、マラソン好きの私としては、今回注目していた種目として、22:29スタートの男子5000mであった。

22:29?思われた方、フランスではこの時間でも明るい位で、やっと日も落ち、涼しくなってきた頃が6月のパリという感じであろう。

昨日は、大気の影響で、日中最高気温が38℃予報が出る程に暑い日であり、22:29でちょうどいい時間帯に感じた。それでも、日中が日中だけに、5000mを走るにはまだ酷であったと思う。

なお、当初18:05スタートでフランス内の5000m競争が予定されていたが、この天気予報を見て、数日前に、開始時刻が23時過ぎの最終種目に繰り上げしたということもあった。

本大会の一部種目のレースの模様は大会主催者側がYoutubeで公開しているが、5000mはまだであったが、TVをそのまま公開している者もいたので、興味があれば、それを見ていただきたい。

私は数多く5000mのレースを直接観てきたが、目の前で12分台のレースを観たのは今回が初めてであり、そのスピード、そしてあり得ないスピードにも関わらず美しいフォームのランナー達に震えた。

今年4月に10kmのフランス選手権を断然1位の27分41秒で走り抜けた25歳のJimmy選手が、今回どれだけアフリカ勢とやり合えるのかを、私はすごく楽しみにしていた。

まだ暑さが残る中、ペースメーカーが作る1000m2分36秒辺りの超ハイペースに果敢に挑む。それを後押しする、お客さんからのJimmy,Jimmyの大声援と大拍手が、彼の背中を押す。

エチオピア勢のペースアップには途中から付けなかったものの、最後までペースを落とさず、13:08.75の自己ベスト(日本記録は大迫選手の13:08.40、フランス記録は12:58.83)を出した姿は、私を含め客の心を間違いなく掴んであろう。

10kmのフランス選手権で彼を知り、今回の走りで彼のファンになった。彼の世界陸上での走りから目が離せない。

Jimmyの激走

最後に

日本には、先月国立競技場で開催されたSEIKOスーパーグランプリがあるが、さらにハイレベルなダイヤモンドリーグが日本で観られる日が来ることを待ち望んでいる。


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