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ヒザはやめて(涙)

息子が「ヒザが痛い」と言い出した。


聞いた瞬間にドキッとするような、ギクッとするような、たちまちイヤな予感や暗い気持ちで胸が覆われるイヤな言葉だ。


息子は2年前もヒザを痛めて、結局その時は3ヶ月サッカーが出来なかった。

あのなんとも息苦しい日々がイヤな記憶として蘇る。

今回もまた・・・。
と、暗い気持ちになり、目を逸らしたくなる。

数日様子を見たらひょっとしたら良くなるかも、なんて練習を休み様子を見るも、当然のように甘い目論見はハズれ結局病院に行くことに。


病院への道中、「もしかしたらまた何か月かサッカー出来なくなるかもな」なんて話題になるも、息子は「かもね」なんて軽く返してあまり動揺は見られない。

あまり動揺が見られない息子を見て、その辺のメンタルへのケアは必要なさそうだな、と少し安心する。


病院で診てもらった結果は確かにすこし筋が伸びてるが、特に異常ははし。

前回と同じような症状だが、前回よりは軽く、ケアをしっかりやれば運動を禁止するほどではない、とのことでほっと一安心。


ヒザが痛い、と告げられ暗い気持ちで過ごした一週間。

また長期離脱になるのかなぁ、なんて心配してたが、先生の「特に問題もないでしょう」の声に救われた気持ちになる。


一方で当の息子は、様子見で練習を休んでる間も家でゴロゴロしたり、オンラインゲームで友だちとゲラゲラ笑ったりしてて、「ゲームやらしてゴロゴロできるし悪くないかも」とでも思っていたのかな?

少なくとも、怪我で休むことにあまり焦りや不安のような感じは見受けられなかったし、てっきり息子は怪我やサッカーに行けないことを特に気にしてないもんだと思っていた。

だが妻曰く、病院で問題なしの診断を受け練習に復帰した日は、やけに上機嫌でテンションが高かった。やっぱりホッとしただろうし、嬉しかったんじゃないかな、と。


妻からそう聞いておれは少し驚いた。

今まで息子からサッカーに対する思いを感じたことがなかったからだ。

もちろん暑い日も寒い日も文句も言わずサッカーに行くわけで、それなりの情熱があるのは疑ってはないが、息子の性格もあって、そこまで執着がなさそうに見えるというか、ドライな感じというか。

「怪我って言いても一生出来ないわけじゃないし、行けないなら行けないで(問題ない)」、みたいなスタンスかと思ってたのだが。

だから息子にもサッカーに行きたい/休みたくない、という気持ちがあるんだな、と少し意外に感じてしまった。

実際は、休みたくないのはチームの仲間に会いたいだけの話で、サッカー自体はそこまで執着がないのかも知れんが笑

まぁ、でもそれを含めてのサッカーだからな。


息子がサッカーに対して、いや、サッカーのある生活に対して、思ったより強い思いを持っていることを知った一件だった。


親から見ても意外に感じる一面や、親にも見せない秘めた思いを持つということは、息子が自分というものを確立してきているのだろうし、それはつまりは成長ってことだろう。


息子は成長しているんだなあ。

なかなか実感として感じることがないが、思わぬ形でそれを感じることが出来たのは、まあ、文字通り怪我の功名かも知れないな。





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