SHIN NAKAJIMA

CAMPFIRE / Director&CEO

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Beyond CAMPFIRE

"Singing power to the people" その後 インターネットが登場してまもなく、あらゆる公正な経済機会が訪れるのかと思った。地方の小さな商店も、既存の仕組みではデビューできなかったアーティストも、技術はあっても苦しい工場や職人さんだって。アラブの春には民主主義そのものを実現させたんだと興奮もした。インターネットはPOWER TO THE PEOPLEそのもの、この社会を変えられる。 MSN Messengerは世界をつないだし、SNSは交友関係を育て

    • big design award 2019をおえて

      8月9日・10日にbig design award 2019の最終審査会及び表彰を行いました。4月16日からエントリーの受付を開始し、約4ヶ月にわたったファッションコンペティションをおえました。多くの世界中のファッションデザイナー、ファッション関係者と話しながら、たくさんのサポートをいただきながら、無事におえられて心からほっとしています。構想しはじめてからは10ヶ月くらいでの開催でした。ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。(当日の様子を記事やインスタからもどうぞ!

      • ファッションにおけるクラウドファンディングの色々

        クラウドファンディングのこれまでクラウドファンディングには今となってはいろんなプロジェクトがあります。日本では2011年頃からはじまり8年の月日をかけながら、ゆっくりゆっくりとトライ&エラーを繰り返しながら、多くの人に使われる道具にようやくなり始めました。ある街を盛り上げるために、アーティストを応援するために、建築物の復旧のために、書籍を出版するために、ある誰かの想いの数だけ多様なプロジェクトが日々いまも生まれています。よくあるインターネットサービスの急成長と違って、時間をか

        • 螺旋階段をのぼる"D2C" vol.2

          螺旋階段をのぼる"D2C" vol.1で、D2Cを考えるにあたって1つ目のアナロジーとしての製造小売を取り上げた。今回は2つ目のアナロジーとしてDCブランド(特にデザイナーズブランド、D2Cと紛らわしいですがDC)を取り上げる。ここでは、ファッション・アパレル分野での話にはなりますが、同時代に建築であれインテリアであれモノ(プロダクト)にまつわる近しい変化はあったように思う。 DCブランド:価値観が変わる、ポストモダンDCブランド 1970年代末、1970年代前半に散見され

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        Beyond CAMPFIRE

          螺旋階段をのぼる"D2C" vol.1

          D2Cって?D2C : Direct-to-Consumerがまだまだ流行り。直訳のままだと顧客への直接販売であり、特別その新しさもなく、その要諦を間違ってしまいそう。あえていうと、デジタルを主戦場としながら、、ってのを含めてD2Cなのかな。でもでも、実際、それって?と思うものもあったり。せっかくなので、わざわざD2C!と謳うくらいならそのポイントは何か自分なりに考えてみたい。 よくD2Cは、直接的な顧客接点から①データを活かした運営をする②提供商品に即した顧客体験を提供す

          螺旋階段をのぼる"D2C" vol.1

          今、なぜファッションがおもしろいのか

          ファッションの背景変化論争のないファッションはナンセンス。変化こそ、ファッションの本質 *1 エディ・スリマン|CELINE まさに、ファッションは根本的な変化の時代に入ったように思える。だとしたら、エディ・スリマンの言うとおり、今はこれまでにないほどファッションがおもしろくなっていく時代だとも言える。ファッションはいつの時代も社会変化の側面を担ってはきた。女性にスタイルを渡したココ・シャネルはその代表格である。ただ、現代の変化というのはより全人類、生命的なことであったり、

          今、なぜファッションがおもしろいのか

          big design award ファイナリスト決定

          先日すでに発表したのですが、big design awardのファイナリストが決定しました。30カ国123組のエントリーから選出された14組は下の方にInstagramやtmblrと一緒にご紹介しています、ぜひご覧ください。公式アカウントでも紹介しています、よろしければこちらも。 最終的にヨーロッパから8組、アジアから6組の選出となりました。ヨーロッパといえど8組とも異なる国で地域的にはとても多様です。ファイナリストの平均年齢は27.8歳(下は24歳から上は37歳)。特徴的

          big design award ファイナリスト決定

          親密さのあるお店

          20歳過ぎの頃、ヨーロッパを旅していて、いまは閉店してしまったCOLETTEなど各地でいろんなお店を見て回ったりした。その時、自分にとって圧倒的だったお店がミラノで寄った10 Corso Comoである。とにかく好きになった。エントラスの緑はウェルカムされている安心感と何が待っているんだろうといった間があり、脇でカフェしている人の談笑を聞きながら店内に入る。 ”お店” ”商品”といった整然とした感じはなく、無造作にも思えるように並べられた商品は、お店というより生活の中にある

          親密さのあるお店

          溶ける境界線と衣服

          仕事とプライベート、国境、セクシャリティ、時間…、インターネットはこれらの境界線を溶かしはじめている。分断されていたコミュニティは隣接・重なり合い、社会的少数派や個人も声をあげられるようになり、そしてコミュニケーションは日を跨いでいく。 衣服は社会と個人の狭間(境界線)である。社会的状況を衣服はいつの時代も表してきた。いま、インターネットがもたらした境界線の溶解は、衣服に何を与えているのだろうか。衣服自体が境界線だと考えるとそれも溶かされているのか。それって、つまるところ、

          溶ける境界線と衣服

          big design award 1次審査を終えて

          6月15日に締め切った応募に、ヨーロッパ・アジアを中心に、30カ国の120名以上のデザイナーからエントリーをいただきました。初回としてこれだけ多くの方からエントリーいただけたことがとても嬉しいですし、30カ国の人々から集まったということに驚きとともに本コンペティションの意図している方向に向かってスタートを切れたかなと少し手応えをつかめました。 1次審査にエントリーしてもらう内容*は、記述は全て英語のみで、次の審査の際に提示してもらう映像作品のコンセプトシートも用意するなど、

          big design award 1次審査を終えて

          希薄化する信頼とWHY

          信頼が希薄化する時代に、製品は色々と証明しないといけないことが増えた。"いつつくられましたか?" "誰がつくりましたか?" "どうやってつくってますか?" "何を使ってつくっていますか?" これらを証明するコストも確認するコストもとても大変なことだと思う。あたりまえのこととしてやらないといけない時代なのかもだけど。 一方で、想像してもわからない1番聞きたいことは、"なんでつくったんですか?" ってことだったりする。信頼の希薄化は、むしろwhyがわかりにくい時代のことじゃない

          希薄化する信頼とWHY

          big design award について

          bigの活動として、big design awardを開催する。これはファッションデザイナー向けのコンペティションで、LVMHプライズやイエール国際フェスティバル、ITSなどといった、若手デザイナー向けの世界的な登竜門を意識している。ヨーロッパを中心にファッションは発展してきた経緯があり、若手デザイナーへのサポートの仕組みもヨーロッパに偏る。そのような状況に対してアジアからも世界で活躍できるデザイナーを育める環境をつくっていく足がかりにしたいと思っている。 したがって、応募

          big design award について

          衣服とデジタルのたとえば

          特に若者にとって衣服は自分を着飾るものだったけど、同価以上のものとして自分のソーシャルメディア・プロフィールを今は着飾る。見逃してならないのは、それも自分そのものであるということ。つまり、自分を着飾る対象が服からデジタルにシフト(もっというと代替)しうるということ。デジタル上の着飾った自分も含めてリアルである、ある人から見て、それはたとえ実物と異なるような存在だとしても。 先日、Johanna Jaskowskaが手がけた、ブロックチェーンも利用してつくられたデジタルドレス

          衣服とデジタルのたとえば

          bigをはじめるにあたり

          ”ファッションデザイナーは世界をよくするのか?” 言葉として潔癖なニュアンスを感じられるかもしれないけど、あえて言葉にすると向き合う問いはこうなる。もちろんそこには、ファッションデザイナーが、そのクリエイションの純粋さが、世界をよくするのであるという大きな期待というか、そうあってほしいと思う個人的な想いであったりする。 2013年、バングラディッシュのラナ・プラザ崩落事故は1000人以上の死者を出し、そこからは1日2ドル未満で暮らすその地の生活や児童労働、安全衛生状況の不備

          bigをはじめるにあたり