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big design award 2019をおえて

8月9日・10日にbig design award 2019の最終審査会及び表彰を行いました。4月16日からエントリーの受付を開始し、約4ヶ月にわたったファッションコンペティションをおえました。多くの世界中のファッションデザイナー、ファッション関係者と話しながら、たくさんのサポートをいただきながら、無事におえられて心からほっとしています。構想しはじめてからは10ヶ月くらいでの開催でした。ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。(当日の様子を記事やインスタからもどうぞ!)

この取り組みは、アジア(今回は東京)で国際的なファッションコンペティションを開催することにこだわるものでした。ITSやイエール国際モードフェスティバル、LVMH PRIZEといった若手デザイナーの世界への登竜門となるような場所にしていくことを目的としています。アジアにそのような場所があることが、アジアと世界がより強くファッションという分野で結びついていく上で重要であると考えています。

そのために、まず、応募してくるファッションデザイナーが世界中の多様な背景を持っていること、審査(プロセス)がファッションの本流としてのクオリティを実現しながらも既存のものとは異なる観点を持ち込めること、そしてこの会自体が対外的にオープンなものにすることを重視していました。そう言った点では、初めての試みであったのですが、十分に表現できたものになったんじゃないかなと満足しています。1オーディエンスとして心から感動しました。

いくつかよかった点など振り返ると…

1. ショーではなくプレゼンテーションとしたことで、デザイナー自身のパーソナリティやビジョン・コンセプトの強度がしっかりと確かめられました。これは、モノだけ見て判断するにはあまりにもわかりにくい現代において、この手のコンペティションが果たしていく役割として大きかったように思っています。また、コミュニケーション能力は様々な分野と繋がっていく基礎となりますので、そう言う意味でもよかったと思っています。

2. 同様に、コレクションだけでなく映像作品の提示も行ってもらいましたが、こちらについてもそのビジョンの深さを表現する技術の有無を確認する意味で現時点でとてもふさわしいものだったと思っています。実際に、想像以上に映像内容は多種多様なものとなりました。映像表現をつくっていけることは、デザイナーの価値自体を高めることになると思っています。

3. プレゼンテーション・審査会は、全て英語で行われました。世界に出ていくのに英語は必要と言うものの、実際に母国語が英語でもない世界中のデザイナーが英語をコミュニケーションツールとして使い、その現場を体感することは、英語を敬遠しがちな日本人にとっては部分的ではありますがよかったかもしれません。逆に言うとそこは努力でしかないため、その点をおろそかにするのは勿体無いと思えるものだったと思います。(自分が痛感…)

4. ここが1番よかったと思っているのですが、今回は、ファイナリストは14組、12ヶ国からの参加でした。国籍の多様性は、今のファッションを捉える上でとても貴重なものになりました。単純に、それぞれの個性がしっかりと出てファッションの幅を感じさせてくれるものになったこと。一見、違うスタイルでも捉えるアジェダンの共通項が感じられることでファッションデザイン自体の深さや可能性を感じさせてくれるものになったこと。この辺りは単純に見ていても感動的でした。

5. ヨーロッパなどから参加してくれたデザイナーにとっては今回がはじめての東京だった方もそれなりにいました。これから世界で活躍していくデザイナーにこのタイミングで東京/という場所を知ってもらえたこと、そして愛着を持ってもらえたことは、きっといつか何かの機会でかけがえのないものになるんじゃないかなあと実感を持てました。こういうのはやってみないと捉えられなかったものだと思っています。

一方で、今回の経験を踏まえて、もっとこうしていきたいなあというアイデアもたくさん出せたので、また来年に向けて準備を行っていければと思います。表彰の後のアフターパーティーでは、ちょうど神宮外苑前の花火大会を一望できたりといったラッキーもあり、参加してくれたデザイナー、審査員の方々、関係者がとても楽しそうに過ごしてくれていたことが何より今回やってよかったなあと思う瞬間となりました。big design awardをしっかりと育てていきたいと心から思いました。

そして、big, incにとっては、これがあくまでもスタートであり、デザイナーにとってもまだきっかけでしかないので、これから何をどのようにして過ごしていくのかを丁寧に実現させていくことで、数年後に今年のbig design awardをやってよかったと、もう一度思えるものにしていければと。

今後ですが、今回関わりをつくったデザイナーの方たちと、
・海外のファッションプロジェクトとの連携
・インスタレーションイベント実施
・ショーの開催/支援(既存のショーとの連携も)
・デザイナーへの教育プログラムの提供
・デザイナーへのアトリエやプレスルームなど機能的なサポート
・デジタル分野など、ファッションシステムそのものをよくしていく人材・チームの発掘
・産業界(企業)も含めた協同プロジェクトの開始
・小規模な未来のファッションをテーマにしたイベント・出版
・新しい売り場の模索

などなどを、順次行っていければと思っています。ご興味持たれた方いらっしゃいましたら、お気軽にご連絡頂ければ嬉しいです。



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