コーチとして、人事として、一段高みへ行くための学びと実践の場(プロセスワーク・コーチング講座の受講生に聞いてみたVol.2)
組織開発コーチ協会(ODCF)が提供するプロセスワーク・コーチング講座(GCI)は、ビジネス領域で活躍する多くのコーチやコンサルタント、人事・組織開発担当者の皆様にご参加いただいています。
今回はサイボウス株式会社にて組織開発・HRBPチームリーダーを務めながら、主に20〜30代のビジネスパーソンを対象としたコーチとしても活躍する綱嶋航平さんに、受講動機、講座内での学び、現場での実践などをお伺いしました。
コーチとして一段高みへ向かうパワフルな関わり
ーープロセスワーク・コーチング講座(GCI)に参加しようと思った理由を教えてください
最初はクライアント体験からでした。プロセスワーク・コーチのセッションを受けていて、すごくセッションの質が充実している感覚があったんです。コーチング自体の振り返りを一緒にしたときに、プロセスワークの視点で実はこんなふうに見えてたんだよねということを聞いたときに、「なんだこれ、すごいな」というところから興味を持ちました。
私自身もコーチとして活動していて、2019年にZaPASSでコーチングを学んでから時間が経って、学び直したい、もうちょっと自分のレベルも高めていきたいというタイミングも相まって、こういうパワフルな関わりができるのはコーチとしても魅力的だと思い、プロセスワーク・コーチング講座を受けることにしました。
EMERGEモデルの「エンドポイント」と「エッジ」
ーー実際に参加してみて印象的な学びはなんでしたか
1番は「EMERGEモデル」の2つの「E」ですね。本当にたくさんのことを教わりましたが、「エンドポイント(Endpoint)」と「エッジ(Edge)」の2つが大きな学びだと思います。
1つ目の「エンドポイント」は、コーチングを学んできた人で言えば一般的にはGROWモデルの「G」みたいなものがゴールだと思うんですけど、プロセスワーク・コーチングでは、さらにその先の究極のエンドポイントを見ていくことがすごく印象的でした。
実際にGCI101(基礎コース)でエンドポイントを扱うワークをクライアントとする中で、この方のエンドポイントをもっと描いていくとどうなるんだろうと思ったときに、テキストに書いてあることをまずやってみたらセッションの質感が違ってきたんですよね。「何が見えますか?」とか「どんな声が聞こえますか?」とか、そういうところにも訴えていきながらエンドポイントを描いていくのは、プロセスワーク・コーチングならではですよね。
描いていくと、セッションが始まる前には生まれてきてなかったものが、そこを通じて生まれることはすごく多いですし、クライアント体験としてもエンドポイントを語っているときの、ちょっとドキドキする、でもワクワクするあの感じはすごく好きですね。
2つ目が「エッジ」ですね。「エッジとワークする」というのがGCI102(応用コース)であったと思うのですが、色々な種類のエッジがあること自体を初めて知りました。エッジを越えようと無理しすぎないことも大事だったり、乗り越えるだけではなく、エッジの向こう側に行ってみたら気づいたらエッジをくぐり抜けていたり、コーチがエッジに飲まれずドンと構えていることの大切さなどは、コーチングをする上ですごく支えになっています。
あとは事前の動画教材の中で語られていた、「間違った質問はない。次の質問があるだけだ」という言葉が結構好きで、コーチとしてかなり勇気をもらえました。コーチのよくある落とし穴だと思うのですが、途中でコーチが自信を持たずに言い換えてしまうことで、複数の意味に捉えられてクライアントを混乱させることがあります。そういうことはせずに、シンプルに言い切ってください、フィットしなかったら次に行こうみたいな考え方は、まさにプロセスワーク的で、プロセスに乗った質問の仕方として、とても新鮮でしたね。
企業人事として組織への関わりが大きく変わる
ーープロセスワーク・コーチングを学んだ後でどんな変化がありましたか
身体感覚にアプローチすることを学んでから、コーチングの技というか幅が大きく変わりました。クライアントの納得度や、言葉にはならないけど、確かにグッと起きた変化みたいなものがセッション中に現れることが多くなったと思います。
もう1つは、コーチングをフワっと終わらせずに最後に「じゃあどうしますか?」とネクストアクションを現実世界に浮上させてしっかりと握ることができるようになりました。GCI103(実践コース)を通じて口酸っぱく言われてきたと思いますが、プロセスワーク・コーチングを学ぶ前に比べて、最後のアクションをどうしていくかみたいなところがより変わってきたと思います。
結果的に私が講座を受講した期間をまたいで継続してくださったクライアントとのセッションでも、より色々なことが新しく発見されていますし、気づいたらこんなとこまで来ましたねという会話をすることもしばしばありました。
最後に企業人事として社内のメンバー、リーダーたちにヒアリングをするときが本当に変わりましたね。エンドポイントから入る、現状(一次プロセス)はどうですか、ありたい状態(二次プロセス)がどんなもので、何がそこに行くのを止めてますか、みたいに本当にそのまま使うときもあります。そうすると、やっぱり色々なものが出てきます。個人のコーチングではなく、企業の組織開発文脈なので、その人がどうなっていくかというよりも、限られた時間の中で6象限モデルなども頭に起きながらヒアリングを進めていきます。そこから、個人に起因する問題もある一方で、「この会社の文化からすると…」とか「Aさんの所属してるX本部の最近の状況からすると…」とか、「だからチームメンバーはこんな感じになってるのかと思ったんですけどどうですか?」といったことを聞くことができます。すると、相手の中に新しい気づきが起こって、リーダーを重荷から少し解放できたりするんですよね。その上で、「じゃあ何していきますか」みたいにプチプロセスワーク・コーチングを社内文脈で使うのはかなりやっていて、それは以前と比べて全然変わったと思います。
コーチの学び直し、プロフェッショナルコーチとしての飛躍
ーープロセスワーク・コーチング講座をどのような方にお勧めしたいですか
コーチとしてよりプロフェッショナルを目指していきたい方の学び直しに最適だと思います。ある程度コーチングを学んできた人にとっては、目から鱗の感覚で、面白いのではないかと感じます。より一段深くいきたい人、プロフェッショナルコーチとして活躍したい人にはぜひおすすめしたいです。
ーー本日はありがとうございました。最後に感想を一言お願いします
今日はありがとうございました。良い振り返りの時間にさせてもらったなという感じがします。言葉にしてみるとすごい血肉になっている部分があるんだなと思いましたし、とても貴重な時間でした。
<編集後記>
綱嶋さんが講座受講後もGCIのプロセスワーク・コーチングを血肉化しているお話が印象的でした。現場で活躍される人事パーソンとして、インタビュー力が上がり組織への貢献も増してらっしゃる様子も伝わってきました。お話にあるように、講座を通じて変化を捉える見立てができるようになったり、個人を捉える時に多くの影響因子を考慮できる地図を手に入れ実践を重ねられたからでしょう。学びは職場の実践にまで広がっていく様子はプロセスワークコーチングならではと感じます。(松村憲)
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組織開発コーチ協会(ODCF)では、コーチやコンサルタント、企業内ビジネスリーダーや人事・経営企画担当者の皆さまに、様々な学びの機会をご用意しています。ご関心のある方はぜひご参加お待ちしています。
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