2023/9/6 渋谷はもうAREよ。

今日は8時に起きた。今日はARE(アレ)の日なので早起きをした。
支度をして、日記を途中まで書いて出発した。地下鉄に乗って渋谷へ向かう。10:30からネタ合わせをするためだ。

渋谷に降り立ったのは久しぶりである。渋谷は毎日お祭り状態である。なにもないのに人がたくさんいる。

東京に来て、私も田舎者のご多分に漏れず、人の多さに驚いた。私くらいの中程度の田舎者にとっては、池袋、新宿、渋谷、原宿といった人が出歩いている街の景色自体には驚かない。東京の何がすごいかと言えば、これらの街が同時多発的に人であふれていることだ。
我が出身地、広島県の場合、広島市中心地の休日であれば、それなりに人が出歩いている。しかし、広島の中でもここだけなのだ。周辺県の方が小旅行も兼ねて中心地にいらしたりすることで広島市のみが人であふれかえる。
東京では、その日その時間に人がわんさか居る状態が、たくさんの主要駅周辺にいるのだ。どこからやってきて、どこに帰っているのだろうか。何も無いのに。

ここで言う何もないというのは、詩的表現で「人の心がない」「興奮できるものがない」「私の故郷ではない」のような意味では言っていない。
ブランド物やおしゃれなカフェに造詣の浅い私にとっては、どの駅に降りてもチェーンの家電量販店や衣料品店、飲食店がありどれも同じようなものに感じ、その街だからこそと感じるものが無いのだ。
私はラジオを聞くのが好きである。ときどき、大物パーソナリティや大御所ゲストが昔の東京の景色について話しているのを聞く。「渋谷は昔、藪ばっかりだったのに今はすごいね」「新宿にもカブトムシがいたもんだぜ」みたいな話を聞いた気がする。もっと古いところでは、「荻久保はかつて避暑地、別荘地という位置づけだった」みたいな話も聞いた。
その方が、私にとっては「何かがある」場所として興味がわく。

新宿に人が集まるのはまだわかる。まず都庁がある。都庁は言わば現代の安土城みたいなもんで、小池さんという天下を狙う、織田信長のようなお殿様がいる場所だ。それはもう都庁周辺に人がいてもおかしくない。歌舞伎町もいわば、ナイトワークのメッカ(このメッカという表現で先日、辛坊治郎さんが怒られていた。今は言ってはいけない表現らしい。)であり、全国各地から夜の王をめざして、または夜の王と遊ぶために人が集まる。

では、渋谷に何があるというのだろう。スーパーブラック日雇い派遣企業があるということだけは知っている。いちど面接に言ったらあきらかにブラックだったので働く前に逃げた経験があるからだ。なぜ人は渋谷に集まるのか。私には理解の及ばない世界なのだ。

話が長くなったが、そういう街、渋谷に降り立った。

渋谷駅を降りて、原宿方面に歩いて公園に向かう。直前のネタ合わせである。田川くんも今日は機嫌がよさそうである。良いコンディションだ。
1時間ほど練習して、高層ビルを上がっていく。ぴりっとした雰囲気だ。そうだAREの会場だ。
今日は私の強固な髪の毛もちょうどよくまとまって、まさに漫才師と言った髪の毛だ。私の髪の毛はこういった日にはちゃんと言うことを聞いてくれる。漫才師の髪の毛になってきたのではないか。
入ってしまえば、もうすぐに出番でさっそうと漫才をやる。出来はよかった、二人とも言葉を噛んでしまったり言いよどむこともなかった。これで落選してもまあ、台本が良くなかったのだろうと思える出来だった。

ネタを終えて、帰宅のために着替える。すると、後ろから若い男の子二人組が声をかけてくれた。空中ポニーという現在、マセキユース入りを目指してオーディションライブに出ている方たちだった。緊張であまり周りが見えていなかったが、我々の次の出番だったそうだ。
「おもしろかったです!」「爆弾世紀末さんのおかげで漫才をやりやすい雰囲気になりましたよ!」「僕も野球好きです!」ありがたい言葉をたくさんかけていただいた。こういったよくできた若手はすぐに我々を追い越して遠くに行くので警戒している。

しかしお声がけいただいたことはとても嬉しかった。直接会ったこともないかたが自分のことを知ってくれている。これはとても嬉しい。
空中ポニーのお二人に会うために今日は渋谷に来たということにしておこうと思った。

会話を少しして、颯爽とビルから出る。空中ポニーさんは我々に気を使って衣装から私服に着替えるタイミングを逸しているようだったので最善の選択だったと思う。
しかし、颯爽と帰ったことで「あいつら、俺たちと話したくなくて急いで帰りやがった」みたいに思われては嫌なので、Twitter(新・X)でフォローした。敵意は無いことを示したかった。フォローした直後(ものの2、3秒)にフォローが帰ってきた。できた若手すぎる。このコンビは確実に我々をすばやく追い越していくことだろう。というより、すでに先を走っている。

さて、帰宅して今度は洗濯機を回した。ここのところ帽子を全然洗えていなかったのでまとめて洗濯機に入れた。その間にご飯を食べて、洗濯物を干して今度はバイトに出発だ。えらい!

今日のバイトはめちゃくちゃ忙しかった。次から次へと保護者から無理難題をおしつけられてしまった。
塾業界は、中でも個別指導塾は本当に大変である。講師が予定が未定とあればお客様にはっきりとご案内もできない。かといって、早く予定を出すように催促しまくるとそれが嫌でやめられてしまう。けっこうウーバーと似ていると思う。働き手とお客様どちらの機嫌も取って、マッチングさせる。
これはすごい発見かもしれない。

気づけば22時になっていた。退勤である。そしてAREはダメだった。
難しいねえ~。ほんとにAREは難しい。正直な気持ちを話すと、AREの時は割としっかりした普通の漫才をやってしまってきた。これが良くないのだろうか。来年は本当に大暴れ系漫才をやろうと思う。
我々にあった漫才。それは大暴れ系なのではないか。

そんなことを考えていたら、イヤホンの方耳が聞こえなくなったので新品を買いなおした。踏んで蹴って。

今日面白いと思ったことは「来年は暴れる系でいきます。決めました。」

こんなつらい人生。ここに空き缶を置いておきます。