2023/4/11 音楽から漫才の構成を学べるのか

今日は9:45ころに起きた。
14:15会場入りで事務所ライブなので、早めに起きて少し今日の漫才にテコ入れする。
今回の漫才は私の中で、内容も軽めなので(これはもう私と田川くんにしかわからない絶妙な感覚だと思う)30分早い13:45集合で練習して会場に向かうことにする。
会場にはいったところで、田川くんが検温で体温高めだったため帰宅となる。つまりは我々のネタの出番がなくなることが確定する。
やれやれであるが、まあ仕方がない。私の良いところはどんなことでもすぐに仕方がないと割り切れるところだと思う。
最悪、私は死んでも自分の死に対して仕方がないと思うことができる自信がある。これといって信仰する宗教も無いのにこの発想が出るのは素敵なことだと思う。簡単に言えばエライと思う。

漫才の出番がなくなると、ライブ中の各タイミングで出演者の皆さんと舞台上で話をすることになる。みんな若くてフレッシュで出来立ての人間である。お元気で結構。もう若い人が頑張っているだけで私は楽しくなってしまう。この気持ちを年寄りになっても持ち続けたいと思う。

私のMCの出来はもう語ることはやめておこう。MC業の反省と改善点を考えることは、もういよいよ漫才のネタを考えるくらい難しいことだ。これ以上、私の頭を爆発させないでほしい。

事務所ライブは16:00~と19:00~の二部構成だ。この隙間に2時間ほど時間がある。ここで私は作家さんにネタの相談に行った。
また、漫才の哲学論を話した。これ意味あるのかは不明だ。私はまわりまわって意味が出てくると思うのだが、即効性はないものだと思う。
今日の哲学論では、自分がおもしろいと思うことを並べていったあとに統一感を生む角度で並べなおすということを学んだ。
いやあこれはなんとも哲学である。いよいよわけがわからない域に達している。この感覚はお笑い大好き頭おかしジジイでないとわからないものである。ネタを作っているひとがこれを読めば、「手前にある自分の面白いことを角度を変えて一つのネタの中できれいに並べる」という、古代文字の羅列のような言葉の意味は何となく分かってくれるものと思う。

私はもう頭がおかしくなっている。もう皆さんは聞かなくていい。

自分がおもしろいと思うこと。これがとにかく難しい。

今日は帰宅後にお酒を飲みながら、いろんな音楽を聴く。お酒を飲んで音楽を聴くというのが私は結構好きでたまにやる。というのも、漫才のネタと音楽というのは構成の面で似ている点が多いと思うからだ。

これに気付いたのは大学生くらいのことである。お笑い大好き少年の私はいろんな漫才を見ていた。いわゆるテレビ尺の漫才は3分30秒~5分30秒くらいのものであることに気付く。そしてそのころ、私はサザンオールスターズの楽曲にはまり、たくさん聞き漁っていた。そこで気づいたのは、たくさん聞いているうちに、一曲あたりの時間も3分30秒~5分30秒。尺の長さは同じくらいなのだ。人が人に自分の作品を見せるのに(少なくとも日本では)これくらいの時間がちょうどいいという回答が出ているということが導き出された。
気づいた瞬間に脳内でシナプスがつながるのを感じ、あきらかに頭の上で電球がピッカーと光った感覚があった。
ただ、この発見について話そうと思っても、音楽と漫才どちらも好きだという人と出会うことはできず、結果として誰とも共有しないままここに来た。

ただ、私の中でもきれいな理論として人に伝えられるまでに整えられた理論でない。そこで、考察についてはこれを読んだ皆さんの中でも研究していただきたい。ぜひ、その思考の結果を私に教えてほしい。
さまざまな楽曲から、漫才の構成を学ぶことができる。私の思考の一端をまずは共有する。

まず、手塚治虫原作「海のトリトン」テーマ曲を取り上げたい。さっそく渋すぎるだろうという批判の声がする。でも、これいい曲なのだよ。
高校野球の応援歌に今も使われており、その楽曲のメジャー性は説明の必要はない。

まず曲の初めの10秒、オーケストラによるイントロが流れるが、これがサビを演奏している。漫才で言えば、最初にこの漫才のテーマを明示する役割だと言えないだろうか。
その後、Aとする節があり、Bという節が続く。そのあともう一度A→Bを繰り返す。この辺りは一度聞いていただければ、私が何を言っているかわかると思う。
このA→Bを二回繰り返す中で一回目のA→Bと二回目のA→Bでは明らかに、サビに向けて二回目の方が盛り上がっている。これはいわばテーマを見せ、簡単なボケとツッコミを一度見せることで、この漫才の何たるかを見せたあと、もう一度同様のくだりをより強いボケとツッコミでそのハードルを越える大喜利系漫才の形式に似ていると私は思う。同じ形のボケツッコミを弱→強で見せた後、サビ。つまりはこの漫才で一番伝えたいことを歌い上げる。

そして曲は二番に入る。もう一度、A→B、A→B、サビという流れをやる。これは漫才で言えば、一度ツッコミがボケに対して強いツッコミを入れて、話を御破算に近い形に戻し(曲で言えば1番)、ただしそれまでに話した内容も踏まえて、もう一度、同じように漫才を展開していく様に似ている(ッ曲で言えば2番)。

どうだ、もうついて来られないだろう。もうわからない人は曲を何度か聞いてみてほしい。いつかわかってくれると信じている。

そして、この曲は三番に入る。三番ではA→B、サビとやっていくのだが、明らかにテンションが高い。一回目のAからもうバックのオーケストラのずんちゃかずんちゃかが強い。声も半音高い。A→Bの下りも1回だけである。

そして、曲の最後に「ダカダン!」とドラムなどが曲を締めるのだが何とも漫才のオチのようで気持ちがいい。これまでのやり取りを踏まえた(音符の連続)を踏めてのダカダン!であることは音楽素人の私にも理解できる。漫才においても、ここまでの話を全てひっくり返すようなオチ。いままで話してたのは何だったんだよと突っ込ませて終わらせてくれる感じなのだ。

この曲は三番まである。これは三段オチの技法が使われている。そして、1番、2番と同じ構成で展開されているので3番目は展開を省略して話を展開できる。私の中ではきれいな漫才が「海のトリトン」では成立している感覚がある。

この海のトリトンの音楽の進行を簡単に表すと
A→B、A→B、サビ
A→B、A→B、サビ
A→B、サビ
となる。

こんだけ言ったところで話は通じないだろう。では、これを機会に海のトリトンの楽曲の展開を使って漫才を作ってみようと思う。どんだけサービス精神旺盛なんだよ。
では、いったん今回のWBCをテーマに海のトリトンを展開してみる。

よろしくお願いします。
ボ「WBCがたいへん盛り上がりました。」
ツ「侍ジャパンが優勝しましたね」(イントロ)

ボ「大谷選手が活躍しました。」
ツ「二刀流で活躍しましたね。」
ボ「バッティングとピッキングですよね。」
ツ「ピッチングだよ。泥棒しないよ。」(A→B)

ボ「大谷選手はアメリカからやってきました。」
ツ「シーズンは中はMLBで活躍しています。」
ボ「万引き・乱暴・暴力の略ですよね。」
ツ「違うよ!その略だとしたら、ピッキングじゃたいして活躍できてないことになる。」(A→B)

ボ「でも、それだけすごい選手が来てくれたからこそ、日本は優勝できたわけだね。」
ツ「そうだね。メジャー組がいたからこその優勝と言われている。」
ボ「ようするにアメリカ頼りだよね。戦後日本の発展と同様。アメリカ無しでは日本は世界一にはなれないってことだ。」
ツ「いや急に思想が強いな!アメリカのおかげかもしれないけど、日本人選手ですからね。」(サビ)

ボ「大谷もすごかったけど、ヌートバーもすごかったよね。」
ツ「そうだね。ペッパーミルパフォーマンスが話題になりました。」
ボ「ペッパーミルとソルトミルの二刀流だよね。」
ツ「ソルトミルはやってないし調味料の二刀流じゃ優勝に貢献できないよ。ヌートバーは外野手のみの一刀流」(A→B)

ボ「ヌートバーは大谷がピッチングしているときに活躍していたね」
ツ「浅いセンターフライを前進してスライディングキャッチしてました。」
ボ「いや、大谷の汗がすごかったからソルトミルを使って塩分補給させていた」
ツ「だから塩はもってないのよ。」(A→B)

ボ「でも、やっぱりヌートバーの鉄壁の守備が日本を優勝に導いたわけだね。」
ツ「まあ、そうだね。攻守に活躍していたね。」
ボ「つまりは有事の際にはアメリカ軍の核の傘に隠れる日本国と一緒というわけだね。」
ツ「だから思想が強いな!野球と日本の自衛隊を結びつけないで。」(サビ)

ボ「そういえば村上選手も頑張っていたね」
ツ「準決勝・決勝と活躍したけど、大会当初は不調でしたね。」
ボ「エラーと三振の二刀流で大バッシング」
ツ「どうしてそんなひどいこと言うんだ!」(A→B)

ボ「本当の侍なら、村上は大会の初めに切腹して詫びるべきだったと思います。」
ツ「やっぱり思想強すぎる!野球と軍国主義をつなげて考えるなと言ってるんだ!」(サビ)

ツ「もうね。付き合ってられないよ。」
ボ「じゃあ、ワールドカップと軍国主義の関係性を今から・・・」
ツ「もういいよ。」(アウトロ)

以上のような感覚だ。私の言いたいことは伝わっただろうか。
それにしても、下書きもなくここまで即興で漫才論を展開し、実践して見せる。これってすっげえ才能ではないだろうか?うるせえ!

と、まずは海のトリトンを例に漫才の構成を考えてみた。他にもトリッキーな曲で「ラムのラブソング」を使った漫才構成などを考えていたのだが、あまりにも長くなったのでまた今度にする。

なんとなく、この音楽から漫才を導きだす感覚、伝わっていたら嬉しい。大量のお酒をがぶっとがぶがぶして書いたので、支離滅裂、誤字脱字についてはもう見逃してくれ。

今日面白いと思ったことは「音楽から漫才は作れる」

こんなつらい人生。ここに空き缶を置いておきます。