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ワイヤレスイヤホン冷戦

時々、パートナーのオッサンとの関係がぎくしゃくする。

僕が日曜に出勤したことにオッサンが「静かに」腹を立て、この3日間ぐらいぎくしゃくしていた。日曜まで出勤になってしまったのは申し訳ないなと思うけど、前もって伝えていた事だし、1時間早く仕事を切り上げて帰ってきたんだから、こちらとしては分かってよという気持ちがある。

オッサンは機嫌を悪くすると何も話さなくなる。この3日間、家の中で始終ワイヤレスイヤホンを付けていた。僕が話しかけても実際に聞こえていない感じで。こちらは話しかける気力を失っていく。もやもやが溜まっていく。

それならばと。昨日は僕もワイヤレスイヤホンを付けてYoutubeを聴きながら朝飯を作り、無言で向き合って朝飯をとり、皿を洗うときにもワイヤレスイヤホンを付けてYoutubeを聴いていた。オッサンが仕事へ行くタイミングになって、何か僕に言ったような気がした。ワイヤレスイヤホンは耳にピッタリ付いているから、ごにょごにょと何か聞こえたような気がしたけど、空耳と思ってやり過ごした。腹のあたりがモヤっとして振り向いた時には、もうオッサンはいなかった。

複雑な気持ちだった。家の中で相手に始終イヤホンを付けて過ごされるとどんな気持ちになるか分かっただろう、という気もしたし。でも、これではいけないという気もした。意地悪なやり方で怒りを向けていると思った。

オッサンとの関係がぎくしゃくすると、1週間ぐらい冷戦状態になる。過去には3週間ぐらい必要なこと以外話さない時があった。家の中の空気が錆びて(さびて)いく感じがする。でも、一緒に住んでいるから、どうしても協力しないといけない事が出てきて結局また、普通に話すようになる。2人共通の友人に会う約束が迫って来たりして、普通に話すようになる時もあった。

今回は3日目にして、金魚の水槽から水が漏れるということを切っ掛けにして、オッサンと話すようになった。でも、それだけじゃない。心理学の本を読んだり講義を聞いたりして自分の事を考えていくうちに、自分のかたよった考えに気づくようになったからというのが大きい。イヤホンをしていた僕の背中に向かってオッサンが言ったのかもしれない「何か」を聞けなかった後悔が、チクチクと胸を刺激した事も大きかったと思う。痛みを無視しないことは本当に大切なことだと思う。

もやもやを放し飼いにして、もやもやに包まれると行動が遅くなる。最近は、もやもやが起きたらすぐに捕まえて、すぐに行動を起こすようになってきた。マインドフルネスとヨガを再開したことの影響もあるかもしれない。

微妙な、ささいな、ありふれた、あいまいな。そんな自分の中に湧き起こる形の無い不快感を見過ごさずに行動を起こし変えていく。それが僕を変え、夫夫(ふうふ)の関係を変えていくのかな、と思う。

※写真は、近所の公園で咲いたアジサイ。アジサイの品種改良はすさまじい。花の大きさも色も形も様々なアジサイが出てきている。それでも、やはり一番美しいと心惹かれるのは、アジサイの青色だ。涙色のもやもやの投影なのかもしれない。

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