ばっこ

フリーランスデザイナーのばっこです。十数年前にコーダーからキャリアをスタートして、We…

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フリーランスデザイナーのばっこです。十数年前にコーダーからキャリアをスタートして、Webデザイナー、UI・UXデザイナー、PjM、PO、CXOなど経験した後に独立しました。 https://bakko.club/

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デザインは誰のもの?

AIに立場を脅かされるデザイナーこれまでにもGalileo、Uizard、Visilyなど様々な生成AIが話題になりましたが、ついに我らがFigmaにも生成AIが搭載され、これまで以上に界隈のざわつきを感じます。これから何が起こるかと言えば、各所で語られている通り、デザインのハードルが下がり、そのスキルを売りにしてきたデザイナーの立場が脅かされる可能性があるでしょう。今はまだ「UIデザインやグラフィックデザインがチョットデキル」程度でも、このまま進化を続ければ、デザイナーを

    • シニアデザイナー、フリーランスから正社員になる

      この度、3年半のフリーランス生活に区切りをつけ、正社員として働くことになりました。7月から新しい職場で働く予定です。転職活動を始めた当初、デザイナーの転職エントリを探したりもしたのですが、「転職後の所感」や「今後の抱負」ではなく転職活動そのものにフォーカスした記事は少なかったため、転職活動を終えたら自分で書こうと思っていました。僕と同じような境遇の人のお役に立てれば幸いです。 自己紹介参考になるかどうかの判断材料として、はじめに自己紹介を置いておきます。 1988年生ま

      • 生成AIが変えるUIデザインの未来

        UIデザイン生成AI「Galileo AI」「Galileo AI」というUIデザイン生成AIがあります。ご存知ない方は、前回の記事も見ていただけると良いかもしれません。 どんなUIが生成されるのか120画面ほど生成しました。以下にいくつかサンプルを紹介していきます。 ダイエットアプリ 例えば、「ダイエットのためのアプリを作って」とお願いするとこんな感じになります。食事の記録や体重の推移チャートなどのコンテンツが提案されます。(こちらからそれなりに指定することもできま

        • デザイナーもUIデザイン生成AIを使ってみる - 「Galileo AI」編

          数ヶ月前に話題になった「UIデザイン生成AI」について、今更ながら、実務に使えるものなのかどうか、調べたり触ったりしてみました。 「Galileo AI」とは?今年の2月にリリースされたインタフェースデザイン専用の生成AIです。テキストや画像で指示すると、モバイルもしくはWebのUIを生成してくれます。特徴的なのは、Figmaで編集可能なデザインデータを生成したり、実装可能なコードをエクスポートしたりできることで、実務に使える可能性を感じさせます。 どうやって使うの?今回

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        デザインは誰のもの?

          UIデザインの歴史を振り返る9冊-前編-(1987〜1999年)

          はじめに広義のデザインの重要性が浸透してきた昨今、どちらかといえば「UIデザイン」は狭義のデザインに分類され、ここ数年でその扱いが小さくなってしまったように感じます。 「UXデザイン」や「サービスデザイン」と言った言葉が登場したことによって、対比的に「UIデザイン」はUXやサービスのことを考えないデザインかのように扱われてしまうことも増えましたが、果たしてUIデザインとはそのような概念だったのでしょうか? UIデザインが生まれるまでの人間工学や認知工学、テクノロジーの変

          UIデザインの歴史を振り返る9冊-前編-(1987〜1999年)

          「UIトレース」だけではUIデザイナーになれない理由

          この記事は、UIデザイン学習者に向けて、UIデザインの勉強方法について思うところを書きました。 「UIトレース」に欠けているものUIデザイナーになるための学習方法として、「UIトレース」というものがあります。その言葉通り、既存アプリのキャプチャを撮って、そっくりそのまま再現した画面を制作するというものです。 デザイン学習の最初の一歩として「デザインツールに慣れる」とか「UIコンポーネントの種類や用途を知る」ことを目的に行うのであれば良いと思うのですが、UIデザイナーを目指

          「UIトレース」だけではUIデザイナーになれない理由

          “デザイナー”という仕事に疑問を持ったら読む本

          「デザイン」という言葉が示す範囲はとても広く、現代のデザイナーたちが担う職務は、業種や事業フェーズにより様々です。そんなデザイナーたちが、自分の仕事に迷いを抱いてしまったとき、参考になりそうな本をまとめました。 Q.デザイナーは、見た目を良くする仕事?「デザイン」と聞くと、多くの人は見た目のスタイリングやデコレーションをイメージします。しかし、それらはデザインにおける手段であり目的ではありません。 1.『誰のためのデザイン?』 D.A.ノーマン著 / 新曜社 (1990年

          “デザイナー”という仕事に疑問を持ったら読む本

          「デザイン」とは、“そもそも”を考えること

          「デザイン」という概念や、様々な種類の「○○デザイナー」に共通する点として、何事に対しても“そもそも”から考える、という特徴がある。 “そもそも”から考えるとは?例えば、「エディトリアルデザイナー」は、基本的には誌面上の表現を手がける職業であるが、その職務を全うしようと思ったならば「そもそも、何のためにどういった情報を誰に見せるべきなのか?」という「編集」の領域に侵食せずにはいられない。 また、似たようなところで、最近の求人情報を見ていると、「グラフィックデザイナー」が「

          「デザイン」とは、“そもそも”を考えること

          半分くらい意味のわからん本を読むといい

          「良い本」とは、どんな本か。もちろん、人によって違うだろう。それに、その人がいつ読むのかにもよるだろう。ただ、ひとつ言えることは、もし、本の内容に完全に同意できるようなことがあったとき、今のその人にとって、その本はあまり良い本とは言えないだろう。 たとえばの話最近、『コンヴィヴィアリティのための道具』を読んだ。以下に、本書の冒頭にある「はじめに」を引用する。ちょっと読んでみてほしい。 どうだろう。私の場合、意味がよくわからなかった。そして、これに続く本編もずっとこの調子の

          半分くらい意味のわからん本を読むといい

          何のためのデザイン?

          現代の職業デザイナーは、ほぼ例外なく資本主義のもとで商業デザインをしているといえるだろう。 その商業デザイナーの多くは、契約相手である事業主に対して、ビジネス上の結果(利益)で貢献する責務がある。そのため、消費者にとって「より良い」とされるものを検討・具現化し、人々の消費を促し続ける必要がある。 そのような利益を追求する姿勢は、商業デザイナーとしては何も間違ってはいない。職務を果たし、その対価として給与や報酬を得るからこそ、暮らしていくことができる。 しかし、そういった

          何のためのデザイン?

          D.Aノーマンの名著「誰のためのデザイン?」を読み直すべき理由

          古典的名著「誰のためのデザイン?」1990年に出版された『誰のためのデザイン?』は、D.A. ノーマン氏の1988年の著作『The Psychology of Everyday Things』の日本語訳です。HCDの提唱者と言われる著者の影響力もあってか、この書籍は数十年に渡り様々な書籍から参考文献として紹介され、2015年には増補改訂版も出版され、多くのデザイナーに読み継がれてきました。 36年前の本が今も通用するのかしかし、2024年の今、増補改訂版の出版からもうすぐ1

          D.Aノーマンの名著「誰のためのデザイン?」を読み直すべき理由