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読書メモ:#7 新版 社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア経営のすべて」(イヴォン・シュイナード)

あくまで自分用の読書メモです。 なので実際の内容との相違や筆者の方との認識違いもあります。 ネタバレ含むので注意。

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環境問題について

気温上昇における影響

ここ20年で大量の炭素が大気中に蓄積されてしまい、今後国際的に合意した2℃(2009年気温の上昇を2℃以内に抑えるという合意)という目標以内に気温の上昇を抑えるためには、先進国の温室ガスの排出量を毎年8~10%程度減らさないと行けない。
気候の崩壊を免れるには、人類による資源の商品を減らさなければあならない。それは現在の経済モデルを崩壊させないと不可能な数値。どちらの成長も維持しなががら遂行することは不可能。

CO2によって気温が上昇しても米中を中心とした世界的な条約で2℃マイナスという確約を得ることまでいたらない。このまま気温が上昇すると今より6℃以上上昇する見込み。仮に気温が4℃上昇すると海面が4メートルUPし、アジアの水没、慢性的な水不足、収穫不足、酷暑による死、自然災害の多発が予測されている。
それらを防ぐために人間は経済活動、環境保護活動のどちらかの活動を選ばなければならない。


環境破壊で唯一可能性がある分野と方法

食糧生産の分野について早急に対策を行う必要がある。
遺伝子組み換え、殺虫剤、化学肥料を使うことによって、生態系は乱れ土地が痩せ細ってきている。
土地は傷んだら戻らないと言われてきたが、近年再生も可能かつ短期間で(約2年ほどで)再生可能ということがわかってきた。
健康な土壌は炭素を固定してく被服作物を植えたり再生式の放畜を進めると光合成が増え、空気中の二酸化炭素が吸収されて土中に固定される。再生式の農業に世界全体が転換すれば、人間が毎年放出しているくらい炭素を土中に固定できることにになり、地球温暖化を逆転させることができる。


消費について考える

今現在地球1.5個分の資源を使っている。2050年には3~5個分消費されてしまうと言われている。
有限な地球で無限に成長しようとすることに無理がある。
有限な地球で生きていくためには、消費を減らさなければならない。ほしいものをあれこれ買うのではなく、必要なものかつ耐久性の高い物、修理可能な高品質な商品を買う、流行に左右され無い物、子供の代に受け継げるものを買えば技術革命によって仕事がそれほど無い世の中になるのでは無いか。
簡素な暮らしをしなければならなかったり、しようとしても人生が貧しくなることはなく、むしろいろいろな面で豊かになる。



パタゴニアのウェアが成功している理由

イヴァンシュイナード(パタゴニア創業者)は1979年、パタゴニアの経済危機の際に社長に妹のクリスを任命する。
自分はあくまでクライマーでありサファーでありカヤッカーでありスキーヤーであり鍛冶職人あると思うから。(パタゴニア創業から、パタゴニアの商品は本物を目指す、コアに使ってくれる人のためにいい商品を作ろうという想いから始まっている。そのため、自身も実際に使ってみて商品改良をしている)

イヴァンシュイナード自身がスポーツでも活動でも成熟度が80%になるまで没頭している。
没頭することで新たな発見や気付きが生まれる。

ビジネスが成功し拡大していくと変化しなければいけないことはある。
パタゴニアは教科書通りのお手本の成長に伴う変化ではなく、あくまで「最高の道具を作る」という理念を元に成長してきた。
変化が必要であってもその理念を守れるかどうか、利益と品質のバランスを妥協できるかどうかの判断が必要。
パタゴニアは売り上げの1%または税引き利益の10%、どちらか多い方を利益が上がろうが下がろうがNGOに寄付している。



イヴァンシュイナード自然から学んだこと

自分の能力も会社という組織も、ビジネスについても限界を超えてはいけない。
また、自分に正直でもあらねばならない。
自分の能力の限界を知り、その中で生きなければならない。
自分(会社)の身の丈を超えるものに手を出そうとするのが早ければ早いほど、「全てを手に入れよう」とするのが早ければ早いほど死ぬのも早くなる。

企業も自然もビジネスも安住ばかりが目に付く世界となっており、変化発展しているのは外縁部だけとなっている。中心を占めているのは従来型の企業で、彼らは景気の悪化や思わぬ競争相手の登場といった天変地異が起きたり、自ら良からぬ行をしてしまったりしていていつか破滅する。100年先も存続している企業とは、危機意識を持ちあえて外縁部に身を置いて多様性や新しいやり方に触れて進化していく企業だけ。



仕入れ先や販売元と長く関係を作っていくために

パートナーに対してもパタゴニアの求める品質基準、環境および社会に関する懸念、企業理念、アウトドア企業としてのイメージまで全てに対して説明し理解をしてもらい、針先まで伝わことが重要。
パタゴニアは一周の生態系であり、業者も顧客もその一部。
階層の上下や、取引先など立場に関係なく、関係者はその全ての生態系(顧客や業者)の健康状態を最優先に考える必要がある。
また、どのような組織でも品質を追求したければ製品そのもの以外に目を向けなければならない。
どういう組織で、どのように他会社からアイディアをもらったりパクったりするのか。現実とあるべき姿の違いについてどう取り組むのか。
そのためにはまず変化に抗わず受け入れる姿勢が重要。相対的なメリットだけを見て流されるのではなく、注意深く探して流されることが重要。



品質が悪いことによる悪影響

ロイヤルカスタマーと呼ばれる顧客が一番の利益(6~8倍)を生んでいる。特に売ろうとしなくても新製品を買ってくれ、友達に紹介もしてくれる。
近年事業の成功と相関が最も高いのは価格でなく品質であることがわかった。製品やサービスの質がたかい企業の方が投資収益率が平均で12倍も高い。
返品や品質不良の損出は売り上げの損出だけでなく、サービスイメージの低下という損出も大きい。何か問題があったさいに顧客が企業に対応を求める割合
・アメリカ14%
・ヨーロッパ8%
・日本4%
ただし、問題があった場合にその企業でもう買わない人は 30~50%にもあがる。



人材

パタゴニアの製品が大好きで良く買う人を採用する。
「顧客の身になって考える必要などない」自身が顧客なので期待に反する製品があれば気分を害するし、逆に良い製品であれば誇らしくなる。

全てがうまく言っている時に変化を求めようとするのが賢い指導者。
文化や価値観が強烈な会社に入ると、現状に疑問を呈したり社内に波風を立てるべきで無いと感じるが実際は逆で価値観んは維持するが組織であれ社会であれ政府であれ宗教であれ適応力と順応性が必要。価値観はそのままで新しい手法と発想はどんどん取り入れていくべき。



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