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文章を書くために頭の中のモノを追い出す

どこで目にしたのかすっかり忘れてしまったのですが、ずーっと文章が書けない、書けないと悩んでいた小説家が、部屋を掃除したら嘘のように文章がつらつらと書けるようになった、という逸話を読んだことがあります。

職業柄(ライターなんです)、同じ状況に陥ることは割とありまして、そのたびにこの話を思い出して、机を整理したり、部屋の一部をちょちょっと片付けたりします。残念ながら、劇的に効果があった経験はないのですが……。

ともかく、そういう時は大体、頭の中が詰まっている状態。「外に出たいよー!」とソワソワしている文章が、「アレやらなきゃ、いやでもコレもやりたいんだった。どっちから先に手を付けよう」みたいな小さな思考に邪魔されて、道を通ることができないんですね。

ですので、やりたいこととやらなくちゃいけないことをひたすら紙に書き殴ってからPCに向き合うと、スルッと文章が出てくるようになります。

個人的には、スマホのリマインダーやタスクツールよりも、リーガルパッドなどに箇条書きした方がスッキリします。物理的なモノに変えたほうが、頭の中から追い出した感覚になるのかもしれません。

ポイントは、欲望、つまり「やりたいこと」も書くこと。やりたいことも「やらなくちゃいけないこと」と同じ、頭の中で常にフワフワと浮いているものなので、これもいったん外に出してあげます。そうすると、文章の通り道ができるんです。

かなり小さなことも書いちゃうと楽になります。例えば、「本を並べた写真を撮ってツイートする」とか。小さなことでも書いておけば紙がちゃんと覚えていてくれますし、いざ実行して、打ち消し線でシュッと“タスク”を消す感覚は、やっぱり気持ちいいものですよね。

人、あるいは気分によっては、文章を書く前にある程度やりたいこと、やらなきゃいけないことを消化してからのほうが良い場合もあります。書き出した項目を見つめて、手をつけたいところ(つけなきゃいけないところじゃなくて)からスタートすると良き。そのうち「よし、そろそろ書くか」ってなりますから。それが、その文章が出てくる「タイミング」なのでしょう。

冒頭に挙げた小説家の方も、「本当は部屋を片付けないといけないんだよなぁ……」って思ってたのかなぁ。「でも締切を破るわけにはいかないし」って、自分で自分を板挟みにしていたのかもしれません。遠回りに見える道も、実は近道だったりしますよね。

あ、きっと文筆家じゃなくてもあると思います。「なんか上手くメールが書けねぇなぁ……」とか、「資料を作らなきゃいけないんだけど、どうにも気が乗らなくて動けない」みたいなこと。そんなときも“リーガルパッドになぐり書き”で、ばちこり解決していきましょう。

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