ショートショートギャグ「初デート」

「海すごーい」
「そうだね。来てよかったよ」
彼女と付き合い始めて3ヶ月ちょっと特別なデートがしたくて
レンタカーで海までやってきた。
彼女はいままで出会った女性とは違う
特別なんだ
だから
この思い出はとても大切で
一生の宝物にしたかった
あいつがいなければ

ジョボジョボジョボジョボジョボジョボ

彼女と防波堤に座っていると
2mほど隣から音が聞こえてくる
立っていたのはスーツを着た20代の男
高そうなスーツを着たその男は
スボンのチャックの間から弧を描くように小便を砂浜にしている
不快に思った俺は彼に話しかける
「あの〜すみません。やめてもらえませんか?」
「何をだ?」
「その〜、小便です」
「なぜ?」
「汚いし、不快です」
「はぁ〜。この砂浜は君のものか?」
「・・・いえ」
「じゃあ。俺が何をしようが勝手だ」
「公共の場で性器を露出するのは犯罪では?」
「俺がいつ露出した?よく見ろ。俺はイチモツは出していない。
 出しているのは小便だけだ」
彼はズボンのチャックを下げ、その間から器用に小便をしている。
確かに性器は露出していない

「もういいか?今日は久々の休みなんだ。小便を続けさせてくれ」
彼は俺と話しながらも小便を出し続けている
彼はかなり手強いが彼女の手前引くわけにはいかない
「別に小便をしてもいいですが、もっと離れてくれませんか?」
「断る。このまま移動すれば、ズボンに小便がかかる。そんなリスクは犯せない」
「一度止めればいいじゃないですか」
「小便はすでに出ている。誰にも止めることはできない」
「あなたならできる」
「買い被りすぎだ」
「自分の尿道のコントロールだ!誰だってできる!」
「俺の小便は他のやつとは違う」
彼は小便で砂浜に”enjoy”と書いた
「俺に構うよりも彼女との時間を楽しめ。天気は快晴。
風もない。デートにはピッタリな日だ」
「あんたがいなければな!」
やりとりを聞いていた彼女が口を開く
「ねぇもういいよ。それよりもデートを楽しもう!」
そういうと彼女は砂浜に小便を始めた
「ほら、あなたも一緒に」
「いや、でも」
「今日は記念日よ。特別な思い出。くれるんでしょ?」
そうだ
彼のことはどうだっていい
俺にとって大事なのは”彼女”だ
「わかった。君には敵わないな」
俺はズボンを下ろし、小便を始める
ああ、気持ちがいい
解放された気分だ
彼の気持ちが理解できる
これは
そう
朝早く起きて、新鮮な空気を吸いながら
森の中をジョギングをするような
朝露と冷たい空気を吸い込んでいる時のような感覚
小便の音と波の音が奏でるシンフォニー
彼女とこの海にやってきた思い出
一生忘れることはない

3人の小便をぶつけ合わせ
ハリーポッターのハリーとヴォルデモートが魔法ぶつけてたシーンを再現しようとしたが、
結果は、、、
いうまでもないだろう?
どうしても聞きたい?
え?
教えてくれって?
そんなに聞きたいの?
じゃあいうよ
いや
でもさ
そんな大したことなかったのよ
スーツの男のスーツにめっちゃかかってさ
キレた男が彼女に馬乗りになって、口に小便して
止めるために俺がスーツ男の口に小便してさ
寝ている状態の彼女の小便がカモメにかかってさ
そのカモメが今お前の家に小便かけてるっていうだけ
な?
大したことないオチだろ?


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