サウナ解禁

 コロナの影響で、サウナに2ヶ月入れず悶々としていたが、営業が再開し、やっとサウナに入ることができた。歓喜の瞬間である。

 久しぶりのアウフグース(蒸気を発生させ、タオルで風を仰ぐサービス)で、すでに口角はとんでもない角度になっていただろう。すると、隣の人が急に、

「そうそう、これだよ!これこれ!これが欲しかったんだよぉぉぉぉぉお」

と、サウナ愛を爆発させていた。「あなた、心の声が漏れているよ!」と言いたかったが、なんとか堪えた。

 その後も、その男性は「久しぶりだぁ。これね。これ。熱い。来るねぇぇ」と孤独のグルメのナレーションのような台詞をブツブツと呟き、真顔の僕はそれを真後ろで見ていた。

 久しぶりの熱気。そしてキンキンの水風呂。整わないわけがない。これが極楽浄土か。

 無事に整い、サウナ解禁した喜びもあったが、そのおっさんが居なかったらもっと良い整いだったに違いない。

 サウナはやっぱり良いなーと思いながら更衣室で着替えていると、スーツの人がいつも以上に多いなと感じた。(平日の昼間) 

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