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お笑い芸人がストリーマーとして活動する選択肢

前置き ~ストリーマー界隈の盛り上がり-VCR GTA-~

7月18日~7月30日、vaultroomが運営する、VCR GTAが開催された。

盛り上がりに盛り上がったVCR GTA

その面白さで42万人超えたことも。

様々な活動者が参加!しかしお笑い芸人は…

有名ストリーマー・VTuberはもちろん、俳優、ミュージシャン、漫画家、コスプレイヤーなど、様々な活動者が参加した。

しかし、お笑い芸人は一人も参加していない
(過去のvaultroomのスト鯖イベントではダイアン津田が参加していた例はあったが、少しの間しか参加していなかった)

そもそもお笑い芸人は「配信」という選択肢が出てこない

そこで、一つ仮説を立てた。

お笑い芸人を目指している人、現役のお笑い芸人は、「お笑いをする」という目標・目的で活動していて、他の手段はない、と考えているのではないだろうか。

その手段にこだわっている人は、貫き通していて良いと思うし、継続することが重要なのもある。むしろそうするべきかもしれないとすら思う。


しかし、一度考えてみて欲しい。

「人を笑わせる」という目的であれば、手段は何でもいいのではないか?

お笑い芸人がYouTuberになることは、今ではよくある話。

この記事では、「人を笑わせる」ための選択肢の一つ、「配信」というものを紹介しようと思う。

「配信」とは?

(上記記事は少し情報が古いのと、ストリーマーの活動プラットフォームをTwitchメインと置いているところなど、ツッコミどころはあるが、大体の参考にはなる)

配信とは、簡単に言うと、ゲーム・雑談・音楽・企画…様々なジャンルのエンタメを、ライブ配信で視聴者のコメントとともに楽しむコンテンツのこと。

下記に具体例とともに紹介していく。

専業ストリーマー

読んで字のごとく、配信活動を収入の主として活動している人たちのこと。

上記動画に挙げた釈迦、じゃすぱー、しんじなどが代表例だろう(私の調査不足や、表に出していないだけで他の収入源があるかもしれないが)。
釈迦はAlliance of Valiant Arms (AVA)というゲームの元プロプレイヤーで、PUBGというゲームの元解説者でもある。
じゃすぱーはOverwatchというゲームの元プロプレイヤーで、今はCrazy Raccoonに所属している。
2人は上記記事で言うところの「現役競技者を引退もしくは休止した元・プロゲーマー」になるだろう。
しんじは、日本向けの翻訳動画を上げていた人で、配信者として成功し、今は配信メインで活動している。

ストリーマーの中では専業でやっている人はほとんど少ない

兼業ストリーマー

読んで字のごとく、配信活動以外に収入源があり、活動している人たちのこと。

上記動画に挙げたトナカイト、k4senが例だろう。
トナカイトは、YouTuberのタケヤキ翔とともにYouTubeをやっていた人で、House Loveというアパレルブランドを立ち上げ、UUUMに所属して配信活動をしている。
k4senは、元はCODというゲームの大会の実況・解説を行っていた人。モンタージュ動画も作っていた。今は電影Lab.という映像編集/デザイン/アパレル/番組出演を請け負う合同会社のCEOをしており、ZETA DIVISIONに所属しながら配信活動をしている。
その他、(上記記事にもあるが)プロゲーマー兼ストリーマーとして活動している人たちも多い。ZETA DIVISIONやCrazy Raccoonなど、プロチームに所属して配信活動をするスタイルはプロゲーマーの中では主流だ。

現在活動しているほとんどのストリーマーが兼業ストリーマーだ

VCR GTAの後、爆発的に人気になったストリーマーを紹介しよう。
ファン太だ。彼はお笑い芸人のような気質があるので、お笑い芸人の人たちにとってはかなり参考になるスタイルだろう。

ファン太は、営業職という本業の傍ら、兼業ストリーマーとして配信活動をしている。
過去のvaultroomスト鯖イベントにも参加しており、そのモノマネのクオリティが高く、人気を集めていた。
今回のGTAで、釈迦や超人気ストリーマーと絡んでいた時間が長いのと、面白すぎるモノマネ・セクハラネタなどのお陰で、非常に多くの視聴者がつく結果になった。
VCR GTAが終わった後は、ストリーマーも視聴者もいわゆる「GTAロス」に陥り、GTAのRPなどの面白さを求めた。
終わった直後に、VCR GTAより前に既にあったストリーマーグラセフというサーバーに参加し、モノマネやセクハラネタを遺憾なく発揮し、ロスに陥っていた視聴者数がドッと集まって、同接は2万人以上にもなった。

VTuber(Virtual YouTuber)

VTuberの中でも活動の仕方は様々。
その中でも、生配信を活動主体とするVTuberについて記述する。

上記動画の中では、葛葉、叶、ぶいすぽっ!のメンバー、赤見かるびなどがそうだ。
葛葉、叶は、株式会社ANYCOLORが運営するにじさんじというVTuber事務所に所属し、主に長時間のゲーム配信を主体に活動している。他にも、3Dライブや、リアルイベント、くろのわーるがなんかやる、コラボ出演など、活動内容は多岐にわたる。
ぶいすぽっ!は、株式会社Brave groupが運営している。名前が、Virtual eSports Projectで、eSportsとしてのゲームの活動を前面に出したVTuber事務所だ。にじさんじ同様、公式番組や企画配信等も行う。
赤見かるびは、どこにも所属しない、いわゆる個人VTuberで、Twitchでのゲーム配信をメインに活動している。

VTuberは、上記のストリーマーとは違い、

  • 見た目に困らない(イラストのクオリティが高いことが前提)。特に女性は顔を出すと誹謗中傷の的になる(人気になるとほぼ確実)ので、イラスト・3Dの見た目は悪くなりようがないから、見た目に関しては心配する必要が無い。

  • 人気事務所に所属すると、それだけで人気になれる。個人で活動するよりも圧倒的に人気になる速度が違う。

  • ゲームスキルはストリーマーほど求められない。ストリーマーで目立っている人たちは、プロレベルの実力を持ち合わせている人が多いが、VTuberはアマチュアであるという前提があるのと、そもそもVTuberに求めるのは違うところ(見た目やRP・トークスキルなど)にあるので、スキルはそれほどいらない。(とはいえ、普通以上のスキルは必要)

などのメリットがある。

VTuberの中でも、専業・兼業、色々ある。個人であれば、配信外のクリエイター活動も一緒に行っている人も多い。本業はサラリーマンだったりして、様々だ。

配信活動のメリット・デメリット

メリット

◆人

  1. 「この配信者が好き」と、配信者自身を好いてくれる

  2. ネットだから友達をすぐに作れる

  3. 身一つあれば配信できる

<1. 「この配信者が好き」と、配信者自身を好いてくれる>

人要素で一番のメリットは、
「この配信者が好き」と、配信者自身を好いてくれるところだ。
テレビや映画などの画面の向こうにいる人達(「芸能人」としよう)は、ファンミーティングなどに赴いたり、インタビュー記事やラジオ番組など、ファンの方から能動的に知りに行かないと、その人の性格・人格・好きなもの…そういうことがわからない。
だが、配信は見てるだけで雑談していたり、チャットの質問に答えたり、素のリアクションが見れたり、視聴者は受動的に配信者を深く知ることができる。

芸能人のファンの多くは、基本、能動的に深い部分までは知ろうとしないので、「この人の"演技"上手いよね」「あの人の"漫才"面白いよね」という部分的なイメージで留まる。

配信者のファンは見てれば配信者の人となりがわかるので、
「この配信者が好き」と、配信者自身を好いてくれる。
配信者自身が好かれることで、どんなコンテンツをやっていても面白い、と思われる。

配信者ファンが中々離れない理由はそこにあると言ってもいいだろう。

<2. 身一つあれば配信できる>

自分の身一つあれば配信できてしまうことは最大のメリットの一つだろう。
隣に誰かいる必要がないので、気を楽にして活動できるのはかなりの利点と言える。
企画配信も自分ですべて行える。

<3. ネットだから友達をすぐに作れる>

それに、配信はインターネットの世界なので、他の活動者と繋がりやすい。
自分から能動的に動けば、すぐに接点を持つことは可能だろう。

◆場所・時間

まず家でできる。配信する時間もいつでも良い。
事務所所属になれば、事務所に配信環境があるはずなので、そこでも可能。
配信時間については、ある程度視聴者がつくまでは、自分の配信ジャンルの視聴者が見やすい時間帯、集客しやすい時間帯に配信することが好ましい。
ただ、そこを乗り越えれば、いつ配信しても誰かしら見てくれるようになる。

場所の制約が無いというのはコラボもしやすいということになる。
前述のようにコラボ相手を見つけたら、Discordを繋いで一緒にゲームするだけだ。

◆必要なもの

どこかライブする会場を押さえたり、スタッフさんに手伝いを頼んだり、そういったことは一切必要ない(大きいイベント等の場合はこの限りでない)。

ただ、PC・マイク・カメラ・ネット環境さえあれば、配信ができてしまうのだ。

◆お笑い芸人にとって

お笑い芸人にとって、配信することはとてもハードルが低いことに感じる。

前述のVTuberのイラストのクオリティなど、配信者にとって見た目よりも大事なのは、コンテンツ力だ

その点、お笑い芸人には人を笑わせる力がある。トーク力やノリの良さ、その場の空気づくりなど、普通の配信者には無いスキルがあるので、そこを最大限発揮できて、配信活動を継続していけば、必ず視聴者はつくと筆者は考える。

(上記イベントは吉本主催)

デメリット

◆難しさ

  • 本当に面白くて、ゲームも超上手い人でも、今からすぐに人気になるのはかなり難しい。今、配信者界隈は半ば飽和状態にあり、特にTwitchをログインせずに開いてみると、左のサイドバーに今配信しているユーザが表示されるのだが、ほとんどが人気配信者ばかりだ。とはいえ、Twtichが見つけてくれて、トップページに表示してくれることはある。

  • 外での配信が難しい。基本的にPCとネット回線があってできるもの。(ただ、できる方法はあるし、最近外配信はよく見かけるようになってきた)

  • お笑い芸人にとっては、文化・価値観の違いは難しいところかもしれない。ネット文化の文脈や、ネットリテラシー、ACG文化、配信者界隈のミームなどで、共感できない部分はあるかもしれない。例えば、芸人にはあえて敵を作りやすいキャラの芸風の人もいるが、配信者にとってそれは炎上と隣り合わせになるので、忌避すべき対象となる。人気配信者(YouTuberも)には寛容な人が多いので、怒りやすい人はファンがつかないだろう(加藤純一は特異な例だが)。

  • 吉本に配信者が少ない、配信に関するノウハウが無い(他事務所と比べて)。事務所を頼って色々教えてもらうのは、他の配信者の事務所等に比べると難しい気がする(完全な私見。実際は違うかも)。

◆リスク

  • 配信は、基本的にアーカイブが残り、失言したらカットできない。切り抜きもされる。ネット民の情報は早く、発火したらすぐに炎上してしまう。

  • 個人情報が一度映ればずっと残ってしまう。

  • その他はYouTubeやネット上で活動する上でのリスク内容と同じだ。

◆こだわると機材が青天井

マイクやカメラ、オーディオインターフェース等、機材にこだわりだすとキリがない。

配信する方法

必要なもの

◆機材

まずはPC。これがないと何もできない。

マイクは最低でもホワイトノイズが乗らない物。
クリアに音が聞こえる物じゃないとダメ。

オーディオインターフェースは必須ではないが、音質を考えるとあったほうがいいだろう。

顔出しする or VTuberであれば、カメラは必須。
(VTuberはスマホのアプリでキャプチャした方がいい場合もある。Live2Dのアプリなど)

◆OBS(配信用ソフトウェア)

配信するためのソフトはOBSが主流。
(最近はOBSではないソフトも台頭してきている)

◆配信プラットフォーム

 生配信 → Twitch
 動画 → YouTube

この使い分けが主流だ。

ただ、YouTube配信が人気な事務所所属であれば、生配信はYouTubeでやるべきだろう(にじさんじなど)。
個人VTuberもYouTubeで配信してる人は多いが、配信に関してはTwitchでやる方が集客しやすいだろう。

その他、動画投稿にX(Twitter)、TikTokも使ったほうが良いだろう。

今やどんな宣伝活動においてもXは必要不可欠だ。

ネガティブな内容のポストを、意外なことによく見かけるが、
そのような内容は"""絶対に"""ポストしないほうが良い。
単純に印象が悪くなり、ファンが減るからだ。

TikTokはショート動画投稿に特化した動画プラットフォームだ。
バズったときのバズり方がYouTubeショートの比ではないので、動画投稿に併用して使おう。
YouTubeショートに投稿した内容をそのまま投稿する形で良いだろう。

配信活動のジャンル・内容の検討

基本的には、お笑い芸人であれば、自分たちの芸風を考えるときと同じ感覚で良いと考える。

ストリーマー界隈に入りたいのであれば、ゲームに絞ったほうがいいだろう。(ゲームが難しければ、オタク文化系もギリギリ有りではあるが、おすすめはしない)

最初の内は、集客のために動画投稿は必須。
加えて配信活動をすればベスト。
動画投稿を優先して、ある程度人気が出てきてから配信を始めるのも有り。

  1. 自分の好きなものを洗い出す

  2. 需要を調べる

  3. 「楽しく」続けることができそうであればGO!

(動画はVTuber向けのものだが、YouTube活動全般に言えることなので引用した)

配信の流れ

◆YouTubeを例に

  1. 配信内容の検討

  2. サムネ・タイトル作成

  3. 配信画面準備

  4. 配信準備

  5. 配信!

(配信内容の検討については後述)

サムネイルはとても、とても重要。内容がすごい面白くても、ダサかったらクリックされない。
丁寧なサムネイルを作ろう。

https://www.youtube.com/live/UR1_tUczK3M?si=awIf6asI3qsj0JY6

始めての配信や、前回の配信内容と画面構成や設定を変えたい場合は、
配信ソフトで設定する。

上記流れでプラットフォーム上の設定も行う。

あとは、配信開始を押すだけだ。

人気になるには

お笑い芸人の目的は、多くの人を笑わせることだと思う。

生で届けるものに絞って言うと、例えばなんばグランド花月であればキャパシティは858席。それも、単独ライブじゃなければ観客全員が自分たちのファンというわけではない。

しかし、生配信にキャパシティはない。
前述のファン太は、VCR GTA後のストグラ配信で、常時2万人ほどが同接している。

つまり、配信でしっかり集客できれば自分たちの「笑い」に対して、リアルの会場ではとても考えられない視聴者を集めることができるのだ。

自分のチャンネルの成長

まず必要なのは自分自身のチャンネルの成長だ。

YouTubeにしろTwitchにしろ、集客のためには動画投稿は必須。

YouTube動画・ショート、Twitter、TikTok(Instagramは配信者界隈、オタク界隈ではあまり使われないので、使わなくても良い)など、使えるプラットフォームはすべて使って、しっかり集客する必要がある。

動画は最初から動画を作る、ではなく、配信の切り抜きで構わない。

同時接続数の目安は、YouTubeだと1000人、Twitchは100人程度を目指そう。

ゲームスキル

人気が出るまでは、自分の定めたタイトルのゲームでしばらくやっていくべき。

人気が出てから、超人気タイトルをプレイしよう。
(活動最初から超人気ゲームでも良いが、かなり工夫する必要がある)

その中でも超人気タイトルを紹介する。

◆Valorant

Valorantが圧倒的に人気だろう。人気配信者は軒並みプレイしているといって良い。
配信者のメインストリームに乗るのであれば必須。
ランクプラチナくらいは少なくともやっておきたい所。

◆Apex Legends

Apexは3人いればできるし、内容もわかりやすく、コラボにはかなりお手軽。

◆League of Legend

FPSではなく、MOBAというジャンルのゲーム。

◆Overwatch 2

最近下振れ気味だが、オーバーウォッチも人気ゲームだ。

コラボで伸ばす

より多くの人を笑わせるためには、人気になる必要がある。
そのために配信者で必須となるのは、「コラボ」だ。

YouTubeであれば、コラボを誘うようになるラインを、100人や1000人、1万人など、自分の中で境界を定めて、そこに到達したら、とするといいだろう。
無名だと誰もコラボしない可能性が高いからだ。

実際、配信者もYouTuberも、人気配信者とコラボして、相手の視聴者の流入を図り、さらに人気になるのはもはや必須と言える。

総括

お笑い芸人を目指す人・お笑い芸人は、頭の中に配信活動という選択肢を増やそう

配信は、vaultroomのイベントや、VTuber業界の急成長で、昨今劇的な盛り上がりを見せている。

その中で、お笑い芸人がこの波に乗らない手はないと思う。

YouTuberも、元は素人(ヒカキン・はじめしゃちょーなど)からのスタートで、今はお笑い芸人がYouTuberになるのは普通になっている。

配信界隈でもそれが起こると信じている。

もし、これから配信活動をしたい人、既に始めている人でサポートして欲しい人がいたら、是非X(Twitter)のDMで連絡いただきたい。

この記事が活動の選択肢の一助となれたら幸いだ。

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