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憧れの名作Yチェアを徹底分析!

この椅子みたことある!知ってる!インテリアショップでよくみかける!なんだかおしゃれ!と思われた方も少なくないはず。
その家具はもしかして、名作と呼ばれるデザイナーズチェアかも。
その生まれた背景やデザイナーを知ることで、そして自宅に取り入れることで今よりもさらに素敵な暮らしになるかも!?その名作チェアをご紹介します。

どうして名作なのか?


名作家具の多くはチェアです。多くの美しいチェアがある中で、名作か名作でないかの違いって何なんでしょう。うーん難しい。
一ついえるのは、50年使っても100年使っても普遍的な美でありつづけることだと思います。
今回ご紹介する家具も50年以上前にデザイン、発売されました。それが今尚私たちがいつか買いたい!と思わずにはいられないものばかりです。家にこの椅子があればいいのになあ、と思うことは、自分の暮らしの一部にしたいということ。また、当時は珍しい素材をつかって、自分のデザインに対して諦めずその造形をつくったこと、そのストーリーも時代と超えて生き続けています。
「名作の持つストーリー」そこにも価値があるのではないでしょうか。

Yチェア

今回の名作シリーズの第一弾は、「Yチェア」。日本で最も有名なチェアの椅子の一つと思います。1949年にデザインされたデザイナーズチェアです。

デザイナーは数多くの名作椅子を手掛けているデンマークのハンス・J・ウェグナー。生涯で500脚以上の椅子をデザインしたそうです。
Y字の瀬戸丸棒を曲げたバックとアームレスト、そして材面がペーパーコードの素材。どこから見ても美しい!
さらにフレームの木材は6種類から選べて、仕上げはソープフィニッシュ、ラッカー、オイル仕上げ、ホワイトオイル、あとは塗装25色。ペーパーコードの色は3色から選べるんです。
どんなインテリアスタイルでもこの組み合わせでマッチしますよね。どの組み合わせでどんな空間に置くのか、決めるのは自分の暮らしです。

ハンスウェグナーの言葉で
「デザインをより純粋なものにしていくプロセスによって作られたのだと思います。私にとってそれは、よりシンプルにしていく作業。4本の脚、座面、背、アーム、そしてそれをつなぐフレームというように、必要最小限なところまで、無駄をそぎ落とすということなのです。」
うーん。言葉まで美しい。


 

素材へのこだわり


Yチェアの座面はペーパーコードという名前の通り「紙」です。
厳密にいうと紙に樹脂を含ませて撚った紙ひもで、一番の特徴は「素材の均一さ」です。紙は素材にブレがなく見た目が均一に、美しく仕上がります。これが自分のお尻にフィットしてなんとも心地よいです。このシートは、20~30年使い続けるとコードが切れたり、シミが目立つようになるのですが、張替えをすることができるので、お手入れをしながら使い続けると半永久的に使用できます。
写真は我が家のYチェア(オーク・オイル仕上げ)です。2014年ごろに購入したものですが、まだシートの張替えは一度もしていません。色もかなり味がでて、我が家のダイニングの大事な一員となっています。使いながら暮らしに馴染んでいく、これも名作家具の醍醐味です。

そしてこのYチェア、今もその工程をほとんどが職人の手を通して作られています。座面にペーパーコードを張る作業は、熟練した職人でも1時間をかけて作り上げているそうです。

更にアームから背もたれにかけてのパーツは、蒸気をあてながら木材を曲げていく『曲木加工』によって成形されているので継ぎ目がでなくて、とても美しいフォルムをみせてくれます。
アームと背もたれを一体化するというデザイン、今ではよくありますが、1949年にこの技術をつかってデザイン製作までいたった過程は簡単なものじゃなかったはず。こういったこだわりも魅力の1つです。

自分好みに仕立てる


北欧スタイルのインテリアコーディネートでも、もちろん楽しめますし、ペーパーコードの色をブラックにすると、モダンインテリア、木の種類を変え、ペーパーコードの色を変えてどんな空間にもコーディネートすることができます。組み合わせはなんと147通りあるそうです。
名作チェアがインテリア空間に合わせるのではなく、インテリア空間にYチェアがあわせてくれるなんて、素敵!

どこで購入できるのか

Yチェアの販売元は、デンマークの老舗家具メーカー『カール・ハンセン&サン』。CARL HANSEN & SØN(カール・ハンセン&サン)です。
創業100年を超える歴史あるデンマーク家具メーカー。
優れたモダンデザインを伝統に培われた優れた技巧で製作し、質の高い家具を世に送り出す、を理念に現在も、すべての製品がデンマーク国内で製作されています。YチェアはCH24とも呼ばれています。
このCHはメーカーの頭文字なんです。

上記のサイトでも購入できますし、インテリアショップでも今は販売されています。私は「アクタス」勤務時代にずっと憧れていたこのチェアをがんばって購入しました。

まとめ

今回は私も大好きな名作チェア「Yチェア」についてお届けしました。
私たちの身体を預けてその体重を支えてくれている椅子。
また居心地よく包み込んでくれている椅子。
それはウェグナーの言葉に終始一貫していると思います。

「人間の最も身近なところにあるのが椅子。だからこそディテールがきちんとしていることが大事だ。私はディテールを視覚ばかりでなく、感触でつかむ。人は触れて、手を通して家具を見ている」

憧れの名作チェアが家にあるだけで、どれだけ空間が豊かになっただろう。
こういったストーリーを知るとなお愛おしく感じ、大切に使っていきたいという気にもなってきます。
名作チェアのストーリーを自分のストーリーに引き継いでいくこと。
これもインテリアのそして暮らしの豊かさにつながっていくような気がします。

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