人生の利確~死について本気出して考えてみた~

40歳を目前にした2021年4月1日。

突然、死について強烈に考え始めた。理由もきっかけもない。本当に突然。

小学1年時の曾祖母の死から、親戚、祖父、同級生、初めての部下の死など、葬式には何度も出てきた。
なので、死についてはそこそこ考えてきたつもりだった。

反対に生についても。
芥川龍之介の羅生門、カフカの断食芸人、阿部公房の砂の女、三島由紀夫の憂国、ヴィクトール・フランクルの夜と霧、仏教の本など、自分の体験したことがない特異的な生についても多少なりとも触れてきた。

そこから9ヶ月。本当に考え抜いたと言っても過言ではない。
「今死んだら家族は生きていけるか?」
「自分は死ぬまでに何をしたら満足なのか?」
「そんなに長生きしたいのか?」
「ドラゴンボールはあるのか?」

年をまたいで2022年1月。結論が出た。
「やりたいことはあるが、そんなに長生きしなくて良い。」
「死ぬリスクもあるのなら、生きるリスクだってある。」
「人間いつかは必ず死ぬ。あの悟空やフリーザだって2度死んでいる。

この生きるリスクについて考えたときに、ネガティブ思考の私は暗いことしか思いつかなかった。
物価高、富士山噴火、大地震、食糧難、年金減額、ドラゴンボールはないetc。

人生100年時代というけれど、年金だけでは足りず、最悪病気になってまで働く気は毛頭ない。しかし、お茶を飲んでいるから健康体のまま高齢になった場合どうするか(笑)? 病気はないけど、現時点ですでに足腰が痛い。また、緑内障がさらに進行して、好きな読書が苦痛になっていることも考えられる。入院したとして、アトピーだから毎日風呂に入れないのはきつい。

考えただけでdisgustingである。

投資と一緒で、「自分の人生、どこで利確するか」が非常に大事だと痛感。
やりたいことを死ぬまでにやることが利確。あとは、死を待つ。

いつぞやのネット記事で目にしたが、日本人の6割は死ぬ間際、なにかしらの後悔を口にするらしい。

私は長生きしたくない。突然死は心構えができない、心残りがあるからできれば避けたい。幾ばくかの死のモラトリアムをくれるのならベスト。

「ガンじゃね?」

日本人の2人に1人が経験すると言われるガン。
祖父も調子が悪いと言いながらも病院を避け、駆け込んだ時にはステージ4の胃がんだった。そのまま入院。2週間後には幽明境を異にした(←ただ使ってみたかっただけ)。

祖父が入院中、当時中学3年だった私に「つらいから、早く死にて~よ。」と、孫に返答を困らせたことは決して忘れない。

よくよく考えると、祖父の死は理想ではなかったか?
(返答に困る発言を孫にしたこと以外は。)
余計なお金をかけず、死へのモラトリアムもあったという点で。

断りを入れておきますが、
日本中で多くの方がガンと戦っていることは承知しています。
お隣のおばあちゃん、SNSでつながっている方など闘病している方も知っています。その方々は、その方々で考え方があることはわかっています。
これはあくまで私個人の考えです。

ということで、私は20代から掛けてきたガン保険を解約した。
20代、某外資系保険会社で入院保険やガン保険を薦めていた。自分も本当に必要だと思っていた。そのガン保険を9ヶ月悩んで解約した。
(入院保険は減額)

いつガンに罹るかはわからない。
今、私の身体の中で必死にアポトーシスが行われていて、数秒後にはそれが異常を起こすかもしれない。

「ガンに殺してもらう。」

これを現時点で受け入れることにした。
ガンにならないことももちろん考えられるが。

やりたいことが叶わず、ガンを宣告された場合、この決断が失敗だったと思うこともゼロではない。でも、諸行無常である。サウダージを感じるしかない。

ちなみに、私のやりたいことはあと10年もあれば達成できる。
(2~300万ぐらい必要なので、投資頑張ります)

ちなみに、娘2人の花嫁衣装が見たいとか、そういうのは全くない。
できることなら、海外に行かせたいし、数十年後には「結婚」という概念が変わっていることもあるだろうし。

娘二人が成人した後、妻とのんびり旅行して、65ぐらいまで生きられれば良い(そういうと妻に怒られるけど)

そういう考えもあってか、生活が微妙に変わった。
ミニマリストまではいかないまでも、断捨離をして物を極力減らしている。
(増やしたいのは茶道具だけ(笑)。服や靴への執着は減ってきた。)

まず、昔の印刷写真など95%ほど捨てた。

パンツ、アウターもそこそこに絞った。
下着に至っては4枚である。干してある洗濯物からとるので、畳む手間が省けライフハックになっている(笑)

ネットやSNS、契約関係のパスワードなどもlast passにほぼ全て入力してまとめている。マスターパスワードだけ妻に教えておけば、あとはそこにあるものを順に解約や移行していけばよいだけにしている。

そして、死というと暗いイメージが付きまとうし、恐怖心があるので、
それを和らげるためにお薦めなことを発見した。

それは、

辞世の句をつくる

昔の人が良くやっていたあれだ。
私はスマホのメモ欄に考えたものを入力している。
これを1年に一回更新していくつもりでいる。

文字数という制限がある中での無限大の表現。
しかし、死して後は訂正ができない。

メリットはある。
過去の振り返りができ、日常に意識を向けるようになる。
本で文字を目にすれば、綺麗な表現に目がとまり、
ポッドキャストで未体験の世界を耳にすれば、知らない表現に耳を傾ける。
「辞世の句 有名」で検索すれば、そこから歴史人の人生を辿ることもできる。  というわけで、お薦めです。

最後に、私の好きな辞世の句で締めます。

『散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ』
by 細川ガラシャ





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