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『作家転生の妻を閉じ込めた末路』ショートショート(700字)

「ライターと作家の違いはなにさ。」
「ただの英語と日本語の違い。ライターっていうと、雑誌やweb記事に文章書いているような響きがあるね。記者とはまた違う。」
「ほほぉ。作家ってさ、書いたらだれでも作家ってわけだから、敷居は低いってことだと思うよ」
「じゃ、ここnoteに書いてる人はみな作家ってわけかい?」
「だと思うね。作家集団だよ。誰でも彼でも猫でも杓子でもしゃもじでも作家さんだよ。」
「えらい時代になったね。」
「それで食べれる人はいるのかい?」
「そりゃぁいるよ。だけどね、純文学系の作家の必須条件は”環境”だよ。彼らは、環境が備われば水を得たように書くが、そうでなければまぁ書かないわ、かといって他はやりたがらないわでお荷物状態。」
「じゃぁ作家っぽいのを拾って痛めつけて書けないようにしてしまえば、蚕のように飼いならせるってわけだね。他になんにもできやしない。」
「できやしないことないんだけどね、純文学度が高ければ高いほど、他をやりたがらないんだよ。」
「プライドが高いのかい?」
「それもあるだろうよ。」
「そのプライドをへし折ったらどうなる?」
「蚕にできる。」
「あぁ、そうやって作家魂の配偶者を閉じ込めてきたんだな。しかしそこから出ようとしているよ。それも作家以外の仕事で。」
「そうさ、蚕のやつめ、まさか飛べる蝶になるとは思いもしなかった。だが、まだ檻の中だ。蝶のはねなんぞやわいからな、すぐにへし折ってやれる。」
「あんさんも暇だねぇ。もっと高尚なことに心を注いでみてもいいんじゃないのか?」
「こうしょう?なんだ、それ。俺には胡椒もこうしょうも工場もいっしょだ。」
「故障しちまったな。」
さて、
旦那はモラハラで訴えられたということです。

ちゃんちゃん!

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