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002. いいから書け

こんばんは。
猫と暮らしし女、あなぐま すみです。
会社を辞め、現在、シナリオスクールに通いし38歳の女武者なり。

自己紹介note

夏休み期間ということで、日頃は閑古鳥が鳴いているわたくしめのSNSにも、「どっか行かんかね」というご連絡をありがたくも頂戴している。
つわものの友人からは、羽生蛇村へのお誘いを受けた。

お化け屋敷は人並みに怖いのだが、自分より怖がる人がいると庇護者スイッチが入るので、この友人からは「あなぐまも怖がっている」と思ってもらえないまま歳月が過ぎてしまった。たぶん、わたしは今年も彼女の盾になるのだろう。

野放図のしっぺ返し

シナリオスクールに入る前、趣味の範囲で文字を書いてきたあなぐまだが、なにか「文章を書きたい」と思うとき、わたしはテーマが先行するタイプではなかった。
どちらかというと、映像や写真や音楽といった他媒体のアートに触発され、それに「合う」かたちで文字をアウトプットするのが好きだった。主体性というか、「絶対にこのテーマを書くんだ!」「こういうことを伝えてみせるんだ!」という部分が弱いのだと思う。ここは、スクールに入り、プロの先生たちの指導を受けることでより明確化し、痛切に「あいたたた」となっている部分でもある。致命的ィ!

ただ、「映像や写真や音楽といった他媒体」の中に込められている声や温度みたいなものを汲み取って、なんかいいように添える文章、みたいなものを書くのは、おそらく早いほうだ。
たとえるなら、「スポンサー都合で主題歌だけが先に決まっている。この曲がエンディングロールで流れると仮定して、合いそうなストーリーを書くべし」と言われたら、比較的筆が早い、という感じ。それをそのまま書き出して、最終的に掲載する媒体に合わせ、体裁を整えていく。どのみちただのアマチュアなので、クオリティについてはご放念いただきたいが。

しかしながら文字書き仲間にこの話をしても、あんまりわかってもらえないことが多い。20年の同人活動において、数多くの文字書き仲間たちに知り合ったが、肌感覚では厳密なテーマのもと、ゼロからプロットや箱書きを準備し、緻密かつ丁寧に執筆に臨んでいる人たちが多かった。手帳やノート、ルーズリーフにびっしりと書き込んだり、ひとりブレストのごとく、模造紙にポストイットを使って作業をするという人もいた。

反してわたしは、原稿のために時間を空けて、「さあ書くんだ」と紙面に向き合っても、「はて……」となり、何も出てこないタイプの文字書きだった。昔の文豪が持ってるような、絵になる感じのネタ帳なるものを作って、喫茶店なんかで意味ありげに広げてみたい気持ちはあるが、本当に、何を書けばいいのか分からない。憧れて、いい感じの手帳だけ買ったことはあるが、ただのスケジュール帳で完結してしまったし。

それでいて諦めてなにかの曲を聴いたり、出掛けた先の景色を観たり、なんらかのアクティビティをしたりすると、急にスイッチが入って「書きたい!!!」となる。制御不能である。たぶん本当は、パソコンひとつ持って国内をぶらぶらして歩き、スイッチが入ったそばから書いていくのが、量産、という意味では早いのかもしれない。

しかしながら、書くことを仕事にしたいのならば、そんな風来坊みたいなやり方、リスクがありすぎてどうにもならない。課題意識自体はずっとあり、だからこそスクールの門を叩いたわけで、実際に第一線でご活躍されている先生方からご指導いただく講義内容は、目から鱗が落ちるようなことばかりだ。本当に、一念発起して入学してよかった。クラスメイトの皆さんからは、「経験を感じる」「見習いたい」なんて言ってもらったりするけれど、38歳の女武者、鎧をちゃんと着ることにまず必死なんやで……。

嗚呼。練り直しを要する三幕八場のプロットは、今日もまだ、悲しいほどに白い。けれど自分に何が欠けていて、何を磨いていかなければならないかが明確に見えるようになったのは、ちいさいけれども、たしかな進歩のひとつだと信じたい。あとは挑んで、当たって、砕けるだけ。

でもできれば砕けずにいきたい。

とりあえず夕飯を食す前に、現実逃避と社交活動の一環として、イラストレーターの知人の記念日に、作品オマージュのショートショートを作り、贈呈した。喜んでもらえるとよいのだが。
なんかやっぱりこういう作業のほうが筆が早いな……

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