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ドーナツをダブルで首に巻く猫、ホイップ【猫暮らし記】

うちにはホイップという猫がいる。縮めて「ホイ」と呼ばれる。

まず目につくのは、首に巻かれた二個のドーナツだろう。ホイには体質的な皮膚病があって、こうしたエリザベスカラーを常時つけていないと、それはもう掻いて、掻いて、掻いて、チンピラになりてえ、じゃなくて血まみれになって、掻傷がどんどこ広がってしまうのだ。

ふつう猫はこういった異物を身につけるのを嫌がるものだけれど、ホイは特に気にするそぶりもない。自身にダブルドーナツを装着したニンゲンのもとへ、ダブルドーナツをゆさゆさ揺らして踊るように駆けてくる。ちょっとタコっぽい。

そんなホイを見ていると、鈍感力つええと感嘆する。気にしない力、スルー力というのは、生物が幸せに生きるための基本のキかもしれない。

ホイはこんな感じでちょっと訳ありの猫だから、里親さんを募集中ではあるけれど、なかなか問い合わせが来ない。

できれば終の住処を見つけてやりたいが、それでも家人にかまってもらっているときのホイは本当に幸せそうだ。ぼろ雑巾が歩いているようだった最初の頃に比べたら、QOLはだいぶ上がっているような気がする。

とりわけソファで日向ぼっこをしているときのホイは、仏のように穏やかで、安らいだ寝顔を見せる。一瞬、逝っちゃってる?と焦ってしまうくらいだ。

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うちではこれをホイの「天国ごっこ」と呼んでいる。
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これもう猫めっちゃ喜びます!