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書評 アメリカよ!あめりかよ! BIG tomorrow的?80年代青春的熱血譚!!

五十路のおじさん、ばっどです。

アメリカよ!あめりかよ!
落合 信彦

最近は特に話題になることはなく、どちらかというと経歴詐称じゃねーの?とか、ご子息の陽一氏へ注目が集まりがちですが、一時期は国際ジャーナリストとしてアサヒスーパードライのテレビCMに出たりと脚光を浴びていた著者の青春譚。

アメリカ留学を志し、オイルマンを経て物書きにならんとするまでの来し方を、熱量溢れる筆致で綴った、個人的には歴史的な名著。
(ちなみに件のテレビCMは、渡部陽一氏を戦場カメラマンに導くきっかけとなっています。陽一繋がり??)

前にもどっかで書きましたが、読書は面白くないといけません。
この本に関しては、書いてある内容の真偽など、どうでもいいのです。
まず冒頭の「ありえないでしょ!」というエピソードから、若きばっどは心をわしづかみにされたものです。
しかしまぁ、チャンピオン・ファイトなんてイベント、マジでありえない。でも面白いのでOKです。

そして、なんとなく英語できる人風の文章への英語の織り交ぜかたもまた絶妙です。
読んだのは高校時代か学生になってからか定かではありませんが、まだ何者でもない若者に、とって、それまで読んできた氏の著作(傭兵部隊とか、モサドその真実、とか)の刺激と相まって、このデキる感は大変魅力的だったはずです。

もう一つの見どころは、著者が心酔した米国大統領ジョン F ケネディとその弟、司法長官ボビーに関するエピソード。
彼らの言動を読むと、現代に同じキャラクターが復活したら、銃所持の禁止もやってのけるのではないかとさえ、思わされます。
ケネディ大統領暗殺の直前が、アメリカの代議制民主主義のピークだったのではないかとすら思えます。今読んでそう感じさせるのも、著者の筆致が一因であることは間違いありません。

まぁ令和の時代にマッチしたお話とはとても言えません。
が!熱量が欲しい・・・!
そんな時に読むとカンフル剤のような効果が期待できそうな気がします。
好き嫌いはあると思いますが、ご興味があれば是非。
損はさせません。

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