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伝わる文章とは?その13「繰り返していいやつ、ダメなやつ」

「同じ音の連続を避ける」って言われても「ナンノコッチャ?」だろうと思うので、いきなり例を挙げよう。「図書館ヘッドホン音楽を聴いた」とか「黒服ポケット」みたいな文章の話だ。

絶対にやっちゃいけないってわけじゃあないし、意味もわかるのだけれど、そういう文章を読まされると「センスねぇ」と思ってしまう。

じゃあどうすんの?って言うと、それぞれ「ヘッドホンを着けて図書館音楽を聴いた」「黒服を着た男の胸ポケットの」みたいに言い換えればいんじゃね?ってこと。

もっと酷いやつもあって、「試してみたのだ、見た目は変わらないが、重さがかなり違うことがわかった」みたいに、逆接の接続詞「が」が1つの文に2つ入ってるのに出くわしたことがある。なんで「試してみたところ、見た目は変わらないものの、重さがかなり違うことがわかった」って書けないかなぁ。

逆に、重ねて使う言葉もあるので、ついでに覚えておいたほうがいい。例えば「~したり」と言うときだ。この「たり」は「寝たり起きたり」とか「笑ったり泣いたり怒ったり」とか、基本的に2つ以上をセットにする。

帰り道に花屋をのぞいたり、本屋に寄ることもある」は不自然で、「帰り道に花屋をのぞいたり、本屋に寄ったりすることもある」とすべきところだ。

とはいえ「たり」に関しては「ときどきテレビを観ながら歌ったりする」みたいな単独での使い方もアリだ。「ときどきテレビを観ながら歌う」にしてしまうと、「歌わないときも多いけれど歌っちゃうときもある、歌うほどじゃあないけどお箸でリズムをとったりする」みたいなニュアンスが出ない。

繰り返して使うと読みにくくなる言葉がある一方で、繰り返さないと不自然になる言葉があって、そいつが単独でも使えたりする。あー、日本語って面倒くせぇ

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