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【ビジネスとの出会い】追いたい背中

ビジネスとか、会社とか、OLとか
そんな言葉が嫌いだった。
毎日PCと向き合いながら更衣室で愚痴を吐きつつ社内のすったもんだに振り回されるような、平成のドラマで見たOLの姿と自分を重ね合わせることはできなかった。

でも、大学もいよいよ終わりが見えてきて、お金は無いし人生を夢に賭けられる素地も覚悟もない自分には就職しか選択肢が無かったから就活をした。それでもただ事務作業に追われたり、お金を稼ぐために働くのは嫌で、何かを作る仕事がしたいと思ってどうにか受かった会社に入ったけど、毎日の残業や作るものに自信が持てない毎日に、通勤途中の自分の顔から生気が消えていくのを日ごと感じてため息を吐いた。ため息を誤魔化すために。煙草を買って吸い出した。

でも、今の私はビジネスが、仕事が、心の底から楽しいと感じて生きている。
もちろんうまく行くことばかりではないけれど、それでも気付けば仕事のことを考えている。

転機は心の底から追いかけたいと思える上司との出会いだった。

私を否定せず、放任もせず、時に怒ってくれるけれど、理不尽なことを強いられた記憶はない。いつも笑っていて、たまに抱え込みすぎて自分に鞭を打つ人だった。
いつも部下を、周りを守る人だったな、と思う。その人に憧れて、その人を追いかけて、追い越したくて、必死に走り出してから、見える景色が少しずつ変わっていった。

ビジネスなんて、社会が生み出した幻想だ。
私たちは本来呼吸と水と栄養素が揃えば生きていけるのだから、お金とか利益とかビジョンとか法律とか、そういうものは全部生まれてから考えた口約束の形でしかない。

だから、ビジネスと出会うというのは
人と出会うということだ。

時に運命の恋よりも強烈に
人生を変える出会いがビジネスにはある。
私はまだしばらく、
あの人の背中を追いかけて走り続けたい。


#ビジネスの出会い

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