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具体↔抽象が分かれば仕事のほとんどの課題は解決できる

仕事を進める中で、こんな体験をしたことないですか?

■うちの社長・上司は言うことがコロコロ変わるな。
■すでに失敗したのと同じような失敗を繰り返してしまっている気がする。
■上司の指示がざっくり過ぎて、丸投げされているように感じる。

もし少しでも引っかかる部分がある方は、「具体と抽象の往復」ということを理解できると、そのような体験をしている理由や解決のためのヒントが得られるのではないかと思いますので、ぜひ読み進めていただければと思います。職場での上司部下同士のコミュニケーションにもかなり活かせるのではないかと思います。

何が「具体」で何が「抽象」なのか

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例えば、いま僕は”ご飯”を食べながらこの記事を書いているのですが、「ご飯」は具体的な表現でしょうか。それとも抽象的な表現でしょうか。

正直、よく分からないな〜となりますよね。
それは当然で、答えとしては、「具体でも抽象でもある」です。
何が言いたいかというと具体か抽象かは、”相対関係で決まる”ということです。

例えば、ご飯というのは、「白米」「雑穀米」「玄米」「タイ米」などを抽象化した言葉として捉えることができますし、「主食」を具体化した言葉としても捉えることができます。

玄米→(抽象化)→ご飯→(抽象化)→主食→(抽象化)→食べ物・・・

上記のように、「具体↔抽象」の行き来は、どこまでも続けることができます。ここから考えると、例えばAさんが「”ご飯”という表現は具体的だ」と思っていても、Bさんにとっては「”ご飯”は具体的な表現とは言えない」と意見の不一致が生じることがあるのが理解できます。

仕事の場面においても考えてみましょう。

上司A「Bさん。今度の会議資料のことだけど、”会議の目的を明確に書いてほしい”というコメントをしたけど、まだ直ってないよね?」
部下B「そこに関しては、”ウェビナーを企画すること”だと思ってるのですが・・・」
上司A「それって本当に”目的”かな?」
部下B「今回の会議はそれが”目的”だと思うんですが・・・」
上司A「あくまでそれって目的ではなくて、”手段の一つ””ではないかな?」
部下B「・・・」

目的も手段も、実は全て相対的なものであり、一つの目的に対して複数の手段という階層構造が成立しますが、目的というのは常に、さらに抽象度の高い「上位目的」が存在するのです。

例えば上の事例だと、「ウェビナーを企画すること」自体が目的と考える部下Bさんに対して、例えば「売上を◯◯◯万円向上すること」という上位目的を持っている上司Aさんにとっては、その会議の目的で記載されている「ウェビナーを企画すること」ということはあくまで数多くの手段の一つしか書いていないという印象になるのです。これは普段の視座(どこを見ているか)や具体と抽象どちらに生きているかが影響していて、コミュニケーションにズレが生じているわけです。だから、部下Bさんができない人材なわけでもなく、上司AさんがBさんのことを責めたいわけでもありません。
これを知っているだけでも、職場のコミュニケーションが円滑になるかもしれません。

なぜ社長・上司は意見がコロコロ変わるのか

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これは自分が従業員から言われてそうだなとビクビクしながら書いてますw
決して言い訳ではないのでしっかりと読んでいただければ嬉しいですw

一緒に働いている人、特に上司で意見がコロコロ変わる人がいると思います。これは実は、その人の意見がコロコロ変わっているのではなく、話を聞いている側に問題があることもあるのです。

具体レベルでしか相手の発言を捉えられていないと、少しでも言うことが変わっただけで、「また、気が変わったよ」というような捉え方をしています。ただ、実は、上司の方針が一貫していることによって発言が変わっていることもあるのです

例えば、昨日は「プロダクトの改善はAという施策がいいと思うよ」と言っていた上司が、今日になって、「改善施策はBで行こうか」といったときに、具体レベルでしか捉えていない人にとっては、「何だこの人。昨日と言っていることが全く違う...ついていけない...」と思ってしまう人もいるかも知れません。しかし、上司の頭の中では、「ユーザーの徹底的な満足度向上」という上位目的があって、これは一貫して変わらず、昨晩もずっと最善策を考えていたら、施策Aより施策Bが良いという手段を変えただけで大きな方針転換などしていないわけです。常に最善のことを役職者は考えているので、その目的を達成するために手段を変えるのは当たり前のことだと思います。

ただ、ここでは永遠の課題があります。
「(抽象が)見えている」側に立ったときに、「見えていない相手」にどのように対処すべきか、ということです。上(抽象側)の世界が見えている人には下(具体側)の世界は見えるのですが、具体レベルしか見えない人には上(抽象側)は見えないのです
これらの対策としては、「それって何のためにやるんだっけ?」とか問い続けたり、「具体↔抽象の思考の行き来を、図式化したりして、疑似体験をしてもらう」ことが大切かなと思ってます。
また、具体側にいると思われる人は、上司の言葉の上位目的を考える癖をつけると良いかと思います。

似たような失敗をする人としない人の違いは何か

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似たような失敗を繰り返してしまう人もいれば、1回の失敗体験から学んで、いろいろなことに応用できて、失敗を防げる人っていると思います。
彼らの何が決定的に違うかと言うと、抽象化する思考があるかどうかになります。抽象化と聞くと小難しいかもしれませんが、1つの事象から方程式や公式を見つけ出せるかということです。

我々の小・中学校の頃をよく思い出してみましょう。算数・数学では、よく公式とか方程式を覚えませんでしたか?そして、問題を解く時に、これはどの公式を使えば溶ける問題か?ということを受験やテストのときに考えませんでしたか?実は、これがすべてです。

方程式・公式というのは抽象化の最上級とも言えるもので、多くの場合に応用できるものです。この抽象化の最大のメリットは、複数のものを共通の特徴量を見出して「同じもの」とみなすことで、1つの事象での学びを他の場面でも適用できるようになることです
抽象化の能力とは、一見して別々の事象にみえる複数の事象の間に「パターンを見つけられる能力」とも言えます。

具体レベルの事象を、一つ一つバラバラにみていては、時間だけが過ぎていきます。時間が重要な資産であるスタートアップにとっては、一つ一つの自称に時間がかかり、他に応用ができないのは、死の崖を猛スピードで下っているようなものです。

事象ごとの共通パターンを見つけるためには、事象を個別に見るのではなく、ある程度の事象をまとめて上から眺めることが大切なので、異なると思っている事象でも俯瞰してみると必ず共通項を見いだせるので、その練習(脳の筋トレ)をどんどんしていきましょう。
私自身は、自然・芸術など経営・仕事とは程遠いところから経営・仕事に活かせるヒントを学ぶことが多くあります。サーフィンと経営って非常に似ているな〜と思っているという話はここでしているのでぜひ見てもらえるとイメージが付きやすいかと思います!

上司の仕事の指示がざっくりなのはなぜなのか

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おそらく誰もが、「上司に◯◯しておくようにって言われたけど、ざっくり過ぎて、もっと具体的に言ってもらいたいんだけど。もし出したものがイメージと違ったら、どうせやり直させられるんだから具体的なイメージを持って仕事の指示をしてほしい」という経験をしたことがあるのではないでしょうか。

これは、抽象とは「解釈の自由度が高い」という特徴があるので、様々な捉え方ができるために、アウトプットのイメージが違った。というようなことが起こるのです。自由度の高さは「具体派」の人からすると「よく言っていることが分からなくて困る。具体的に言ってほしい。」というネガティブな捉え方になり、「抽象派」からすると「自由度が高くて、想像力を掻き立てられて、自分なりの味を出せる。チャレンジできる。」とポジティブな捉え方になります。

「こんな感じで、さくっとやっておいて」

これを聞いて、「丸投げしてきた。また、よくわからないこと言い出した。」と不快に思う人は「具体の世界に生きる人」で「自由度が低いこと」を望みます。もし、このような人に、「例えば、こんなイメージで・・・」という事例の一つを伝えると、それを「例えば」にならずに、そのままやってくることが多いです。抽象の人にとって、例えばの事例を伝えることで、その上位目的に目を向けてもらいたいという意図が伝わらないことがよくあります。逆に、「抽象の世界に生きる人」にあまり具体的な指示をあれこれしすぎると、窮屈感のような不快感を覚えて、仕事に面白みを感じなくなる人もいるのではないでしょうか。

基本的にマネージャー層以上の人は、抽象に生きる人がほとんどだと思います。具体↔抽象をうまく行き来できる人です。そのため、上司の指示はざっくりなことが多いのです。これは抽象に生きる人にとって、「自由に考えられるチャンスを与えたい」「具体ばかりに目が行きがちなAさんに、その上位目的を意識できるようになってもらいたい」などの意図があってのものかと思いますし、残念なことに、抽象の世界に一度登った人は、具体の世界に下りることができないと言われているので、あなたの上司は意地悪をしているわけではなく、抽象的な仕事の依頼をするのは、多くの場合、期待している証拠だと思っています。

具体↔抽象について詳しく知りたい方は、下記を、ぜひ連休中に読んでみてください!

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