ICT授業作家の授業の作り方‐6つのStepと10のPoint-
先日、生駒市の中学2年生向けに「サバイバルゲーム 2030年まで生き残る塾を経営してください」と称したキャリアの授業を行った。
まずはオンライン上でゲームマスターとして登場し、音声も変えてルール説明。
各チームで決められた戦略項目を埋めていく。
続いて、サプライズで教室に仮面姿の私が登場。
10分おきにルーレットを回し、様々な社会の変化や災害に合わせて、生徒たちは自分達の作った戦略を次々に変更。最後に生き残ったチームは自分達の思考プロセスを発表。発表した全ての経営戦略に私が起業家として評価すべき点をフィードバック。
■世の中、何が起こるか分からないこと。
■状況によって強みが弱みに、弱みが強みに変わるから今の段階で自分を決めつけないこと。
■マニュアルがないので、思ったことはやってみた方がよいこと。
■そして、自分の人生は自分がオーナーシップを持って経営していくという考えをもってほしいこと。
■そのために自分で考え、決めて、行動すること
そんな気づきを得てもらう授業を設計。
授業後「どうやったらこんな授業を思い浮かぶのですか?」と生徒が質問しに来てくれたので、レシピもちゃんと読めない私だが、私の授業の作り方を料理っぽく例えてみようとおもう。
Step①まず、先生とじっくり時間をかけて話し合い、出汁を取る。
作り始める前に、まずは先生と話す。現場の先生の想いが全て。先生がやりたくないことはやらない。いかに火を入れる前にしっかり出汁をとれてるかが大切。
<ここがポイント!>対面
テキストでは先生の真意や言葉の背景が理解しきれないので、必ず会う。オンラインでは黙って考えて言葉にする時間が取りにくく、「コトコト」が実現できない。
<ここがポイント!>自己開示
いきなり「困っていること話してください」と言っても話せるわけではない。自分だってそうだ。だから、まずは自分から開く。今までどんなことをやってきて、どんな思いでここにいるのか。
<ここがポイント!>対話
先生が最初から答えを持っていることもあるが、一緒に話しながら方向性を考える方が「そんなこともできるんですね!想像していなかった!」と言ってもらえることも多い。
Step② 生徒の新鮮な意見を入荷する
中学生の授業を考える際には必ずと言ってよいほどWEBアンケートを実施している。今興味があること、大人になることや働くことへのイメージ、将来の不安なことなど。
先生と決めた方向性に向かう授業をするために「どんなコンセプトと手段」が良いのかを検討する材料にする
<ここがポイント!>定量と定性
実施前と実施後に数字で比較できるように5段階評価できる項目とテキストで入力する項目の二つを用意する
<ここがポイント!>ワードクラウド
定性的なコメントは一旦全てに目を通した後、ワードクラウドでキーワードを把握。その他、言葉の関連性を見て、生徒の思考特性を想像する。
Step③自分の畑から面白そうな素材を持ってくる
漫画、テレビ番組、漫才など面白いコンテンツを忘れないように自分の畑に植えている。日々、更新し、常に面白いコンテンツを見続けることで「あ、今回はこれ使えるかも」と閃きが降りてくるのである。
<ここがポイント>お笑いの設定
例えば、今回の授業はチョコレートプラネットのキングオブコントのネタ「密室ゲーム」からヒントを得た。
お笑い養成所に1年間通ったのも、授業アイディアを増やすため。エネルギーと時間を費やする価値があるほどお笑いネタはアイディアの宝庫なのだ
ついでに、AマッソがTHE W 2021で見せた「プロジェクションマッピング漫才」は最近の一番のお気に入りで、来年は必ずこの技術を使って授業をしようと思っている。
<ここがポイント>シャキーーン
NHKの朝の番組だが、短い時間で子どもたちを引き付けるコンテンツが盛りだくさん。特に「ストリートデストロイヤー」はめちゃ好き。
<ここがポイント>絵本
絵本は短く、かつ言葉を最小限に押さえて、誰にでも理解できるメッセージを発信しているので、すごく参考になる。
Step④ひたすら煮込む
先生の想いという出汁、新鮮な生徒のネタ、自分の畑の素材を入れて、とにかく煮込む。くつくつくつくつひたすら考える。時々味見しながら、上記三つが完全に一つになるまでドロドロトロトロに煮込み続ける。
<ここがポイント!>ICTツール
ここで初めてICTの活用を考える。あくまでもICTは味付け。
より世界観が表現できるように、より子どもたちが興味を持てるように、よりメッセージが伝わるようにするために必要なら入れる。その時に「どんなツールが使えそうかなー」と調べる。
Step⑤驚きを盛り付ける
料理を見た時に「ナニコレ!!食べてみたい!」とワクワクするように、授業が始まった瞬間に「ナニコレ!!!どういうこと??」とこれから始まることにドキドキしてもらえるように必ず盛り付けには一工夫する。
<ここがポイント!>斜め上を行く
生徒や先生たちの期待を100%満たしつつ、「オープニング」「衣装やマスク」「発表への本気のフィードバック」などによって、全員の想像の斜め上をいく授業をする。
Step⑥食べた人の感想をちゃんと聞く
実施後はアンケートを必ず取る。「伝えた」と「伝わった」は違うし、せっかく将来の自分に興味関心を持ったのであれば、さらに深めるため次の授業を考え始めたい。
以上。
今後も面白い授業をどんどん作って、来年もたくさんの学校に提供していきたいと思います!
<参考ブログ>
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