島のインじぃ言いたい砲台16 〜続 室浜・鷹の巣低砲台 in 広島湾要塞〜 2023.5.23
鷹の巣低砲台、自然に還る
では朝のお参りを済ませた厳島神社より、鷹の巣低砲台へ出輪いたします。厳島を時計回りに約1時間、道路のど真ん中でメンチ切る雄鹿を避けながらペダルをこぎます。おらあ牝鹿には興味ねえ、どいてくれ!
鷹の巣低砲台は口径27cmカノン砲4門(27K)と9㎝速射カノン砲(9SK)4門を備える、広島湾の正門の西を守る衛兵(このシリーズ⑬参照)です。
もう少し高い場所にあった砲床の円盤が砂浜に不時着しています。産業廃棄物的な巨大コンクリートとカキ殻山がちょっと変わった海岸風景をつくっていて、厳島のウラ観光にはおすすめのスポットでないでしょうか?
明るいし、いつものおどろおどろしさがないのも、なんかホッとします。
27Kは直径300㎝の円形に配置された24本のアンカーボルトで固定します。
円形のコンクリート砲床と、それを載せていた石垣です。両サイドには砲側弾薬庫と思われるレンガ壁が見えます。
ちょっと高い所に、砲側庫か掩蔽部(このシリーズ2参照)のカマボコ型の奥壁が見えています。
今ちょうど同じものを発掘してるんで解説します。(ちょっと得意)
土に埋める部分にはアスファルトを塗ります。上に突き出た煙突みたいなのは通気孔で、テッペン近くまで黒いのは、昔はそこまで埋まってたということです。水はけが良いようにまず全体を砂で覆ってから普通の土で埋めていきます。
構造としてはレンガ壁の上にコンクリートアーチ天井がのっかるんですが、側壁は、アーチを受けやすいように、外側へ段々高くレンガを積み上げていきます。
外面はモルタルを塗ってからアスファルト仕上げですが、内面はこれまで見てきたように漆喰で仕上げます。
上の写真の9SK砲床上のレンガを見ると、もともと繋がってたのが2つに割れたようです。つまり9SKは1砲座に大砲2つ並び(2砲床)です。まあいつもと同じですけど…
9SKの設置部分は、室浜砲台とサイズ・構造ともに同じです。(前回⑮参照)
さらに自転車で5分ほど進むと、観測所と探照灯がありました。
観測所は観測機器をのせる三脚台が残っていました。(このシリーズ4参照)
探照灯はきれいに残っています。
照明位置に登ると、さすがによく見渡せます。敵船発見!砲撃準備!
では室浜砲台(このシリーズ15)へ戻る。Ho〜dying!
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