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めばるの煮付け、海老・しゃこ・つぶの塩茹で

■めばるの煮付け

瀬戸内の小魚が毎日のように食卓に並ぶ家でしたが、やはり魚の煮付け、中でもめばるの煮付けが本当によく登場しました。

父がめばるの煮付けが好きだったのもありますし、父合わせの味付けでやはり砂糖の入ってない甘くない煮付けが我が家の定番でした。

砂糖が入ってない煮付けはクドくないスッキリしたお味です。瀬戸内海で朝捕れためばるを夜煮付けにするので、砂糖で魚の鮮度を誤魔化すこともなく魚本来の味が楽しめます。

この味に慣れているので、今でも甘い魚の煮付けは少し苦手であります。

母がいつも
「めばるは黒いのが美味しいんよ!」
と言っていましたが、
黒めばると赤めばるとがあり、
黒い方が高級です。しかし赤でも十分美味しいです。

煮汁はたっぷりめで煮ます。そしてその煮汁が翌朝、煮こごりのように固まっているのでご飯と一緒に食べると、子供の頃よく食べたことを思い出します。

■海老•しゃこ•つぶ塩茹で

小さい頃、母の買い物に付いて行き、食材を一緒に選ぶのが好きでした。

自営業だったため、母と夕方に近所の商店街に買い出しに行きます。
商店街の魚屋の店頭にズラーっと並ぶ瀬戸内の小魚達、木箱に大量の海老やしゃこが盛られ、買うときは新聞紙に山盛り乗せて包んで袋に入れて渡してくれます。

家に帰り、それらを大鍋で一気に塩茹でにして、茹でて熱々のところを一気にむしって食べます。

量にして大きなボウルに山盛り1杯、それをひたすらむしって食べるので、私はこの経験で、誰よりも海老やしゃこの殻を剥くのが早くなりました。
殻むしり選手権があれば是非参加したい。

つぶもまた剥くのが得意です。
広島ではつぶと言いますが、しったかのことで、東北や北海道でとれるツブ貝とは違います。

本当に小さい貝ですが、こちらもバケツいっぱい買ってきて塩茹でにして、マチ針でクルッと貝殻から身を取り出して食べます。

海老もしゃこもつぶも、東京ではあまり食べられず、たまに売っていても少量でとてもお高い、なんとも高級品であります。

食べたいなぁ、瀬戸内の魚介類。

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