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ブラッシュアップジャケット


リメイクアフター


こちらの、レオナールのジャケットは、叔母さまから譲り受けたシルクの入ったデニム地です。

四半世紀前くらいのものかなぁ。。。との事でした。

サイズもかなり大きいので、

譲り受けてから、どうしようか悩んで、しばらく寝かせていたそうです。

なぜかというと。。。。


リメイク前


でしょうねぇ。。。


仕事用に使いたいと考えていたそうなので、

このままではちょっと。。。ですねぇ。

スカートとセットアップになっているので、どうしたら一番いいのか、ゆるっと悩んでいたそうです。
そして、ご自身のスーパーコンピューターが弾き出した答えは。。。


①ジャケット→全体の雰囲気とベースの布は気に入っている 

②スカート→はかない

①+②=❸


❸スカートの布を使って、ジャケットの派手な部分をチェンジしたらいいのでは‼︎


という事で、無事にお直し決行となりました。

加えて、当初は、肩幅2センチ詰めて、肩パットを薄くして、

身幅はバストラインで5センチ詰めて、ちょっとゆったりめで羽織りたい

という予定でしたが、衿ぐりが大きいなぁ。。とは思ってました。

でも、そこは大丈夫と。

まぁ、えりまわりはずすので、肩幅も詰めるし、肩パットも薄くするし、肩線を触るついでに衿ぐりも。。と全体のリフトアップもしてみます。


ハイミセスが着るなら素敵なんですけどねぇ
丈は詰めてあったけど、ギリギリとれそう
前側は、気が付かないうちに汚れている事が多く
実際そうだったので
後ろ側の綺麗めなところを選んでカット


肩線詰めてもやっぱりなんだか大きい気がする


肩線詰めても、サイズが13号なので、

身ごろは、個々のパターン自体がそもそも大きい上に、

なんと!お直しがしてあったので、欲しい部分がカットされていたりして、ちょっと形が気にはなっていけど、そうゆうことかと、納得。


困った。。。

結局、バラバラにしてお直しする事に。

身ごろは、縫い目のないところに縫い目を作ってもいい旨、了解もらってましたが、

こうしてバラしてみると、

それだけでは、かっこいいボックスシルエットにはならないようでした。


このように、

バラバラにしてみないとわからない事

は、実は結構あるんです。


予定を立てて出発しても、途中通行止めだったりして、変更を余儀なくされるパターンです。


こういうイレギュラーなときに、長年培ってきた引き出しが活躍するわけです。


経験値の多さは、イレギュラーな時ほどありがたいと思うことはありません。

少しでもより良い形に仕上げられるので、お客様にも喜んでもらえるからです。

辛いことも乗り越えてきた自分に感謝です笑

というわけで、自分自身を褒めつつ、

身ごろをバラバラにして、仮縫いしてみます


後ろから見ると違いが一目瞭然
アームホールの大きさも
袖もつけてみてもなんとなく良さそうなのですすめる
アームホールの底も少しだけあげてみた
この少しが天と地ほど違う


袖幅は詰めずに、山のあまり分を取る
昔の袖山の形は、細長くて、
魚のような顔つきをしていると個人的に思う
あまり好みではないので変更


ジャケットのパターンは、数ミリ単位で調整する場所もあるので、


お直しもそんな感じになります。

ただ、着丈と袖丈の5ミリは許容範囲となります笑

場所によって大きく違うところと、そうでないところがあるのが面白いですね。


と、格闘して、

最後に、前中心に鍵ホックを取り付けて完成です。

寸法は大幅には変えてないのですが、
シルエットがこんなに違うパターンマジック笑



【修正箇所】

①表の刺繍のデザイン部分を共布の無地に変更

②肩幅詰め2センチ

③肩パットを薄くするにあたり、肩線調整プラスαで衿ぐりも2センチほど詰める

④バストライン6センチほど詰める。アームホール寸法は片側1センチほど詰める

⑤袖幅は詰めないで、肩のとがり分を取る


こんな感じでした。

ちょっと複雑になってしまったけど、長く着られるように大変身した仕上がりに、とても喜んでもらえました。

最初の予定の方法で仕上げなくて本当に良かった。

工程が増えた分、

かなりゆっくりお直しさせてもらいました。

ありがとうございます。

お直しに慣れてない方にはお伝えしておきたいですが、

リメイク品は、お時間がかかることが大いです。

それに加えて、お直しをする人間がどんどん減ってきて、限られているので、

お直しは、基本的にはすぐ出来ないもの

だと心得てもらえるとありがたいです。


昔の素材は、本当にいいものがたくさんあります。

布を作るメーカーさんもどんどんなくなってきて、廃盤になってる布も増えてます。

企業さんも、いい布を作るチカラがなくなってきているのでしょうか。。天然繊維にしても、化学繊維にしても、昔の布は本当にいいものが多いです。

いい布の服を触るにつけ、いい布の服が廃れないで残っていくといいなぁと思います。





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