先生デカフェってどうやって作るんですか?

デカフェ=カフェインレスのコーヒーとはその名の通りカフェインが含まれていないコーヒーの事です。ヨーロッパではデカフェには一定の規格が設けられており、カフェイン含量がコーヒー豆中の0.2%以下とされています。デカフェには大きくわけて4パターンの作り方があり、ひとつずつ簡単に解説していきます。1〜3の方法は普通のコーヒーと同じように収穫、生産処理されたコーヒーをさらにデカフェ処理する方法です。4の方法は栽培の段階からカフェインを無くす取り組みです。


1、有機溶媒

有機溶媒抽出、あるいはケミカル・メソッド(chemical method, chemical process)と呼ばれます。1906年にドイツで開発された、世界最初の脱カフェイン法です。蒸気で膨潤させたコーヒー生豆を抽出槽に充填し、そこにジクロロメタン等の有機溶媒を通してカフェインを抽出します。安価な方法であるものの、カフェイン以外の成分の損失が大きいため風味で劣るメソッドです。
<有機溶媒とは>
水に溶けない物質を溶かす、常温常圧で液体の有機化合物の総称。エタノール・ベンゼン・アセトン・クロロホルムなど。有機溶剤。
[補説]毒性があり、吸入や接触によって頭痛・めまい・意識障害などの中毒症状、皮膚・粘膜の炎症、中枢神経・腎臓・肝臓・造血器の障害などを起こすことがある。


<ジクロロメタンとは>
常温では無色で、強く甘い芳香をもつ液体。非常に多くの種類の有機化合物を溶解する。また難燃性の有機化合物であることから、広範囲で溶媒や溶剤として利用されている。特に金属機械の油脂を洗浄する用途で多用されているが、環境負荷とヒトへの毒性の懸念からPRTR法により利用と廃棄が監視される物質でもある。作業環境の管理濃度は、50ppmであり、その記録の保存は30年である。

2. 水抽出、スイスウォーター式

水抽出、ウォーター・メソッド(water method, water process)、あるいはより具体的な方法の呼称からスイス式水抽出法(Swiss water method)と呼ばれています。1941年に開発され、翌々年の1943年にはアメリカで特許取得されています。コーヒー生豆を充填した槽に水を通してカフェインを水溶性成分ごと抽出し、続いてこの抽出した水相から有機溶媒でカフェインを抽出除去をします。カフェインを除いた後の水相は、残留する有機溶媒を除いた後で再び生豆の槽に循環され、有機溶媒で抽出されなかったカフェイン以外の水溶性成分が再び生豆に戻される仕組みです。スイスウォーター式でも有機溶媒は使用するものの、生豆から分離させた水に有機溶媒を使用するため、直接生豆に薬品を使用しないというわけです。

カナダのあるスイスウォーターの会社では、100%ケミカルフリーで作られているものもあり、必ずしもスイスウォーターイコール、薬品を使った有機溶媒という訳ではありません。

Swiss Water® Process uses the elements of water, temperature and time to create some of the most intriguing decaf coffee. First, we start with small batches of amazing coffee and green coffee extract. Then we add local water and a dash of loving attention by monitoring time and temperature until the coffee is 99.9% caffeine free. See how it all happens in four sort-of-simple steps.

3. 超臨界二酸化炭素抽出

超臨界二酸化炭素抽出は、超臨界流体の状態にした二酸化炭素でカフェインを抽出するもの。デカフェに応用することは1974年に開発されており、比較的新しい方法です。常温に戻せば二酸化炭素の除去は容易で万が一残留しても毒性はなく安全。薬(有機溶媒)を使用しないので、廃液処理などの環境面においても良いそうです。

4. カフェイン含有量が少ないコーヒーノキの育成

脱カフェイン法では風味の損失が問題視されていることから、これに替わる方法として最初からカフェインを含まないコーヒーノキを育種する試みがなされています。グアテマラやニカラグアの生産者も積極的にこの新しいカフェイン含有量が少ないとされる品種の栽培と研究に熱心に取り組んでいました。Laurinaは低カフェインの品種として現在注目されています。

まあだいたいまとめていくとこの辺になるようです

しかし調べたところ、ほとんどの日本の有名どころのロースターさんは、上記のカナダのスイスウォーター社の豆を使っているようです。品質も良くて、ケミカルフリーということでもはや1強といった感じですね。

実際働いているお店でも取り扱っていますが、デカフェとかそういう次元ではなく普通に美味しいです。

まとめはこの辺で、ごきげんよう。

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