outside the word
世界は、無色透明で、音もなく、ただそこにあったんだ。
そっとヘッドホンをして、好きな歌なんて流してみるんだけど、この加工された世界に、時に、騙されているとわかってて、飛び込んでみたりする。
でも、曲は終わる。
いつか、それは終わる。
その瞬間に訪れる静けさに、一体何を見たらいいのだろう。
ヘッドホンを取った時耳に入る、その静寂に、どんな感情を抱けばいいのだろう。
それでも続く日常に、何を思えばいいのだろう。
どうせなら、いっそのこと、このヘッドホンを接着剤で耳につけて、もう外界の音が聞こえなくなればいいのにとすら思う。
でも、わかっている。
それは解決を導くことはないと。
解決?
一体、いつの間に、問題を作り出していたのだろう。
本当は、すでにわかっていたのだろうか。
誰かにとってのどうでもいい夜と、誰かにとってのこの上なく大事な夜が、何も言わずに、今日も、そこに佇んでいる。
見ていただけたことが、何よりも嬉しいです!