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2020年11月の記事一覧

落夜

今日は時間があったから一週間分の作り置きをしたよ 結構美味しく出来たな そう、天気が良かっ…

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笑う男とざらつく舌触り

乖離する未来 溜まる疲労 誰かの笑い顔 気の抜けたコーラ 枯れかけの観葉植物 残る水溜り 雲の…

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彩り

飲み過ぎたアルコールが齎した頭痛が、いつかの風に吹かれた萩色の花を咲かせた。 また、浅葱…

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プレゼント

終わりにしたいんだけど けど けどのせいでまた僕は眠りにつく そして、朝日が上ると共に僅か…

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忘我

動かぬ証拠を手に入れた男は、指の隙間から零れ落ちた砂に気が付くことはなかった 変わらぬ愛…

絶望の中の踊り子

闇の中に、光が在り、光の中で、水が喘ぐ。 水の中で、色彩が華やぎ、色彩の中に、時間が滲む…

季節外れの冀望

已む無く露出した冬の肌に 季節外れの蚊が止まる 遠慮など要らぬ 遠慮など要らぬ そんな取るに足らない体液と言わず 抜け殻と化すまで吸い尽くしておくれよ

雨粒の住人

仕事帰りに雨が降ってきた。 傘は持っていなかった。 天気予報が当たったのか外れたのかは僕は…

地図に咲いた一輪の花

聞けなかった訳を探していた あの日流した涙の訳を 僕は地図を手に入れた 街の片隅で営業して…

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消失願望とパラドックス(Kの場合)

あと何を無くせばあなたに出会えますか。 どうでもいいことを喋りすぎたこの口ですか。 真実を…

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思考停止のアーティスト

さてさて、この茶番をいつまで続けましょう 世知辛い世の中になったなぁなんて いつまで他人事…

自称作家さんへ

何で作っているかもわからない 伝えたいメッセージなど何も無いのに 才能の無さに打ち拉がれ …

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生きて活きる音

がたがたがたがた ごとごとごと どどどどどど がーがー じーじじじじー ばんばん ばん  がん …

全て消えてしまうから

全て消えてしまうから 跡形も無く消えてしまうから それが 誰かに名付けられ 知らぬ者の鼓動を鳴らし 微かに世界の体温を上げ 数えきれぬ網膜を名も無き色で彩り 如何程の美しき思い描かれた造形を残したとしても 洗い浚い 見る影も無く 抵抗する術も無く ただ立ち尽くすことさえも出来ずに 摂取された生命諸共 声に成れなかった感情諸共 全て飲み込まれてしまうから だから私は 僅かに残った一滴の雫があなたの喉を突き刺す情景を 夜の帳に描いている