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おなじいろ


私の恋愛対象は、男性である。
女の子に対して、恋愛感情は持ったことはない。
それは、今も昔も。

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昔から
ニコイチ!マブダチ!親友!!!相棒!!!
みたいな同性の存在に憧れている。

悪く言えば八方美人で、よく言えば人当たりが良くて誰とでも仲良くなれる私には、
『特別』な人がいなくて、心でそういった絶対的な、私だけの、のような存在を求めていたのだと思う。

ある人は親友や、ある人は手っ取り早い恋人という『特別』な存在を作って、自分の中の『孤独』を埋めてる、のだと思っている。

手っ取り早い、と言ったが
なんとなく『親友』になるには長い年月を要するが、『恋人』は、そう。それに比べたら手っ取り早いだろう。

そんな私にも、
特別な存在、はいる。
やっと、できた気がする。
『親友』なんて気はずかしい。やっぱりまだ慣れていない。だけど、やっとそう言える子と出逢えたと思っている。

なぜかよく分からないけれど、
その子と遊ぶ時には、手を繋いで街を歩いてお出かけをしている。
女の子同士なら、意外と同性の友達と手を繋いだり、腕を組むことなんて良くあることだと思うけれど。私にとっては、特別だ。そんな誰でも彼でも、友達だからと言って手を繋ぐわけでもないし、むしろベタベタするのは好きじゃない。

だけど。この子だけは、どちらからともなく、と言いたいところだが、私から手を繋いでいる。
その事について本人に言及したこともなく、私も気にしたこともない、くらいとても自然に繋いでいる、という感じなので、ふとした違和感に直ぐに気づいた。


お互いに社会人になり、しかも住む場所も離れてしまい、月1、くらいの頻度で会えることはなくなり、電話したり私が会いに行ったり。年1で会えればいい方という状況になってしまったが、今年は既に3回会う機会があった。

私は、その中の手を繋ごうとした瞬間をいくつか思い出せる。
それは、手を繋ごうとしたものの、手を繋げなかったからである。
触れたと思うけど、1分やそこらで離れてしまい、自然と私の手も居心地悪そうにしてブラブラ、手持ち無沙汰だった。

ちょっとした違和感というか、変化に気づいてしまう。それが私にとって当たり前であったことであればあるほど。

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彼女は今年から彼氏と同棲を始めた。

私はもちろん、素直に祝福、したし、
すごいな〜、もう結婚するじゃんと言ったりもしたし、その事に対する嫉妬は何も無い。
親友として嬉しい、というか安心したというか。そんな感情だった。

遊びに行った日、彼氏が家におらず、奇跡的にお家に泊まらせてもらうことができた。
その時、そりゃあ当然だけども、2人のいつもの寝室に入ることは出来なかったし、
私は1人ソファで寝かせてもらった。
その時に感じた『孤独』は、
同じ空間にいて実際に会えているのに
いつもよりも彼女と距離感を感じる瞬間であった。

変わってしまったこと、
もう以前のようにはいられないこと、
私たちはお互いの『特別』を見つけていくこと、
そもそも、彼女の特別は『恋人』であり
『友人』でも『親友』でも何でもないのかもしれない、という恐ろしい事実。

ちょっとした違和感が、その後再会した時に
また繋げなかった手が、この変化を確信に変えてしまった。
だけど、手を繋いでいた行為が当たり前すぎて、なぜ今、手を繋げないのかが分からない。分からないから理由を求めてしまう。

私たちが友達、同性、じゃなくて
『恋人』なら。
手を繋がない理由を攻めることも、
ちょっとした違和感について話し合うことも
できたのかもしれない。
『恋人だから』というのが、
手を繋ぐ理由になったかもしれない。

やはり、わたしには『特別な存在』なんていないんだ。人間関係なんて脆すぎる。
この世に絶対的な関係なんて、ないのだ。
私だけじゃない。きっと誰にでも絶対的、な存在なんていないのだ。

そう言って私は自分の中の『孤独』を埋める。みんな、ひとり。ひとりなんだから。


それでも、

『寂しい』

なんて、誰に言ったらいいんだろう。

いや、そもそも特別な存在、がいたら
寂しさなんて、マシになるんだろうか。

自分の中の寂しさをみんなどうやって
飼い慣らしているんだろう。
孤独を埋めているんだろう。

『恋人』や『親友』に頼ったり
よく分からない人間関係とこれからも
付き合っていったりしないと
いけないんだけど、
ちょっとそれだと疲弊するような気もするから、
何かひとりでも心地よい孤独を保って
過ごしていけたらな。


-----という独り言でした。

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