4月16日

「さす九」

最近Twitterではこの単語をよく見るようになった。
いやいやこんなことありえないだろ!と私はポストを見て笑っていたが、遠いむかし、私がプールでまだ水遊びをしているとき、似たようなことがあったのを思いだした。


正月やお盆などの行事があるとわれわれ家族はよくお母さんの実家に集まりご飯を食べてお祝いをするのだが、その席は明確に「男/子供/女」と別れていたのを思い出す。
酒を飲み顔を真っ赤にして談笑する、煙が黙々と吹きさらしになっているが外は12月と寒いので窓を開けるわけにはいかない。丁寧に切り抜かれた磨りガラスの奥を私は真面目に桃源郷じゃないのかと思っていたこともある。
母や母の兄の奥さん、曾祖母なんかは少し黄色っぽい、ちょうど天の川のような液体に海老だの大葉だのナスだのをつけて、カチカチと宝石のような音のなる油へその具材を落とし込んでいた。子供たちの方は出前のお寿司を、大人たちの方はサクサクの油を丁寧に切った具材を口の中にほおりこんで酒を煽っていた。
私トムボーイだったので父や祖父の元へ行ってちょっかいを出したり、頼まれてお酒をついだりしていた。

「分家なのに良くしてもらえてよかったね。」

母が戻ってきた節にいった。小さい頃私はこのいみがよくわからなかった。
それでいいのかもしれない、それがいいのかもしれない。

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