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noteの取扱説明書と提案

noteは2014年(平成26)にサービスを開始し8年も続いているそうです。
入れ代わりの激しいネットサービスでこの実績はすごいですし、さらに先まで続いてほしいと思います。

私はnoteで書いていますが、ある程度書き続けていると、この中で「やりやすいこと」と「やりづらいこと」が分かってきます。

ある意味当然のことですが、高頻度で多くの人に親しみやすい記事を書き、活発にサービス内でコミュニケーションを取るタイプの作者に人気が集まります。
読みやすくて関わりを持ちたくなる良い書き手だと思います。

一方、時間をかけて価値の高い考えをまとめて述べるタイプの作者には、光が当たりにくいように感じます。
個人だけでなく団体や企業のアカウントでも、貴重な情報やためになる良い文章なのになぜかあまり読まれていないと感じることが少なくありません。


そこで実験をしてみました


自分の記事のビュー数について、記事の品質や投稿頻度を変えないようにして、note内の自分の行動変化によってどれくらい読まれ方が変わるかを試してみました。

ある日ホームに表示される記事のうち気に入るものをひたすら探し、100件以上のスキを押し出来るだけ多くの作者をフォローした週と、特に何もしなかった週で比較すると、下記のような変化がありました。

結果:全体ビューが約1.5~2倍弱、スキが約5倍、自分がnote内で行動した週のほうが多かった

つまり、記事の内容や頻度が変わらなくても、スキを積極的に押す、またはフォローを多く行うことで、自分の記事が多くの目に触れて読まれやすくなります。
そしてその違いは、記事の内容による違いよりも大きい。

記事の内容よりもスキ・フォロー数の影響力が格段に大きいとしたら、それに特化すればいいともなりかねませんが、それは良い記事を書くモチベーションとはちょっと違うと思います。

さらにそれは、アクセス増加のための行動をあまりしない人の作品が、その内容に関わらず埋もれていくことを意味します。

そういった結果になるのは、サービスの設計や運営において下記の3つが影響していると考えられます。

今回の記事は私の観測結果や主観から判断したもので、事実と異なる場合があることを予めご了承ください。


① 投稿やスキ・フォローを増やすメリットが非常に大きい


noteを開いて最初に表示されるタイムラインは、自分がフォローした人やマガジン、選んだジャンル、またはスキをした人、その関連のおすすめの作者が表示されるようです。

そして最新の投稿が常に左上に表示されます。つまり、多様なジャンルや作者を見たいと思ってタイムラインを見ても、毎日、またはそれ以上の頻度で投稿している人が必ずページの最も注目が集まる部分に登場します。

同じように、多くのスキやフォローによって自分の存在が他人に気づかれやすくなるように見えます。

アクセス数を公開している人の記事をいくつか見て、私の観測範囲で1記事当たりの人気が似ている人同士で比較すると、更新頻度が3倍程度増えるとアクセスが10倍以上増えていて、非常に効果が高いと言えます。

連続投稿と多くのスキ・フォローをすることが読者を得る近道ですが、それによる効果が高すぎるので、少し縮小したほうがいいのではと思います。



② 自分と近いカテゴリの参加者を探しづらい


ここでいうカテゴリは、ホーム左側のメニューにある「やってみた」「くらし」「まなび」といった「記事で扱っている内容」のカテゴリではなく、

「参加者同士でコミュニケーションしたい」
「自分が持っている別の媒体と連携させたい」
「自分の状況やつぶやきをみんなと共有したい」
「業務として情報の拡散や考え方の伝達をしたい」
「自分の考えを表明して共感や意見をもらいたい」

といった動機や目的のことを指します。

タイムライン上でこれらの異なる目的の人々の記事が渋滞していて、開いて読んでみないと作者の目的が分からず、探していたのと違うことがたびたびあり、ファインダビリティ(探しやすさ)が低いと感じます。

参加目的で分類され、目的が近しい参加者が出会いやすいような場所があれば、「同じ志向・嗜好を持った貴重な人や価値ある意見」を見つけやすくなり、特にマイナージャンルに属する人の満足度が上がると思います。

そのようなロングテールのコンテンツが存在しやすい場やサービスのほうが、長期的には持続性があると思います。


③ 参加者同士のやり取りが儀礼的になりやすい


コメントのやりとりによって、記事に対する感想や意見交換のコミュニケーションが図れるのですが、基本的に短いメッセージが前提となるので、あいさつや確認といった儀礼的なやり取りが多くなります。

長いコメントで気持ちや考えを伝えることも可能ですが、表示位置や文字サイズの関係で文字が多いと読みづらいため、あまり適しているようには見えません。

自分の記事の中で他の記事に対するコメントを書くこともできますが、作者に直接届くのではない間接的な関わり方になります。

あいさつ的なコミュニケーションも当然必要ですが、私はもっとお互いを生かせるような仕掛けがあるといいのではと思います。

例えば、本の感想サイトのように記事や作者を「推薦」できたり、「私がこの記事をおすすめするので見てね」といったリツイート的な仕組みなど。

それらがあれば、note内の書評や同じテーマでの特集記事などが作れ、noteのシステムからのおすすめだけでなく、人からのおすすめが増えて面白さが増すと思います。



私はnote内で埋もれている質の高い記事の作者が、見られないことでがっかりしてしまい、書くモチベーションが下がるのはとてももったいないと思います。

私はそういう作品には必ずスキやフォローをしていますが、自分がそれらの人と出会う確率はとても低いのが現実です。

私は、自分が思いつかないような考えや表現を出来る人を簡単に見つけたいし、リアル世界ではそうそう出会えない、自分と同じような目的で書いている人を発見できることに価値を感じます。

みなさんはどのように思われますか。



[マガジン] 平成って何だったの? こちらからもぜひお読みください!


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