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ジャニーズってなんだったのか考える

ジャニーズの事件は歴史に残る大きな社会問題として世論を騒がせていますが、これはある個人が起こした特殊なスキャンダルや犯罪ではない、組織そのものの問題だと私は考えています。

今回の調査書やBBCから続く報道の意図、グルーミングとは何か?を考え、性加害だけでなく喜多川氏の一連の行動を見たとき、これはマインドコントロールの典型的な手法ではないか?と気づきました。

西田公昭氏という、マインドコントロールに関する著作やテレビ等の出演が多数ある方の、法務省の法制審議会での資料があるのでご紹介します。
これは2年前、2021年の資料ですが非常に今回の状況と似通っていると私は思いました。

法務省 法制審議会-刑事法(性犯罪関係)部会
第2回会議(令和3年11月29日開催)
以下の方からヒアリングを実施した。
・西田公昭 氏(立正大学心理学部対人・社会心理学科教授) [PDF]


今回の事件の流れをこの考え方に当てはめると下記のようになります。

[信頼関係][権威の構築][服従への期待][行為の正当化]
ジャニー喜多川氏は、彼が見込んだ少年(孤立しているなど不安を抱えた子)に対しトレーニングや合宿所などを提供し親密さと権威を印象づけ安心させた後、深夜に密室で性行為に及びトラウマを植え付け、その行為は売れるためには必要で、ジャニーズ内では当たり前のことと少年を納得させました。

[協力的関係][自己封鎖]
そしてその性行為を受け入れた少年はデビューし名声を得て、今までの恩義と成功の喜びから喜多川氏を全肯定し、協力的な関係さえ築こうとします。
逆に反抗した少年は即放逐され、それにより喜多川氏に逆らうことはできない、性被害を公言することはできないと思わせます。

さらに、男性との性行為という非常に言い出しづらい問題のため第三者に相談することも難しく、これでマインドコントロールが完成しました。
これらは事務所内に共犯者がいたことから組織的な犯行と考えられます。

性被害を受けていない少年もおそらく口外できない秘密を共有した仲間としてジャニーズという組織に取り込まれ、その中に加害側に回った人がいる可能性もあります。


あとは、マインドコントロールされた少年たちを意のままに扱い芸能活動をさせ、その活動により得た多大な利益を背景に業界内で圧力を強め、数十年かけて現在のメディア支配に至ったという可能性が高いです。
(ちなみに喜多川氏のアイドルプロデュース能力自体については、あれだけの成功を収めていることから考えて疑いようがありません)

つまり性暴力はマインドコントロールの手段のひとつでしかなく、少年を心理的に支配し芸能活動をさせ利益を得るというのが本当の目的であったとも考えられ、現在もその仕組みは変わっていないのではないでしょうか。


これらはすべて私の推測に過ぎませんが、報道で明らかになっている情報と西田氏の資料から援用した考えであり、もしこれが正しいなら、「喜多川氏の異常性による個人的犯行」でも「首謀者が亡くなった過去の問題」でもない、今でも続く組織の問題だと言えるはずです。

このことから、社長や社名を変えるといった変化には何の意味もなく、ジャニーズという組織自体を完全に解体し、資本や人的関係のない別の場所に被害者のタレントを保護し加害者から隔離する必要があると私は思います。

私の調べた範囲ではあまりこういった分析を見ませんし、私も専門家ではないため、不正確な点があるかもしれないことをご了承ください。


被害者の救済について


少し前、旧統一教会の洗脳的な信者への支配と寄付の強要が信者の家庭の困窮を招いていると世間を騒がせましたが、そういった被害を防ぐための法律が2022年末に可決されました。

宗教等の団体はマインドコントロールを行わないようにし、またそういった状況下で多額の寄付をさせないよう配慮し、それが守られていない場合は本人または家族などに無条件で寄付の取り消しを認め、団体がこのルールに従わない場合は刑事罰を与えるといった内容です。

もちろんこの法律ですべての問題が解決できるとは言えませんが、ルール化の第一歩としては評価できると思います。

ジャニーズの問題もこのような法律の趣旨に沿った対応が望ましく、ジャニーズ以外の様々な団体でも同様の心理的・物理的圧力により支配された人々が働かされたり搾取される可能性はあり、そういった被害を抑止する必要があるでしょう。


例えばこのような考え方です。

「芸能等の団体はマインドコントロールを行わないようにし、またそういった状況下で搾取や犠牲的な労働をさせないよう配慮し、それが守られていない場合は本人または家族などに無条件で契約解除や賠償の請求を認め、団体がこのルールに従わない場合は刑事罰を与える」

こういった方針が世間から支持されれば、被害を受けたタレントまたはその家族は自由に契約解除や賠償請求を行い、団体の支配から逃れることができ、ファンは再び普通のタレントとして応援ができるようになります。

カルト教団への対応と同様に、芸能等の団体に対する社会的な対応について上記のような合意を作り、そのうえで個別の議論をするのが良いのではないでしょうか。

10月初めに行われるというジャニーズの社名変更や新会社設立、被害者への対応方針等についての発表に注目したいと思います。



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