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円高だと邦楽が流行り、円安だと洋楽が流行る?

現在1ドル150円台の円安になっていて、一説ではこの水準は1970年代以来の安さだそうです。
そこで70年代以降の円相場の動きを確認してみます。

これはドル円レートではなく、2010年を100とした時の円の価値をグラフにしたものです。
グラフが上向きなら円高方向、下向きなら円安方向となります。

私はこのグラフを見ていてあることに気づきました。

1970年代:円安↓
ビートルズやカーペンターズなどの洋楽ブーム

1970年代中盤~80年代初め:円高↑
演歌の流行、郷ひろみ・山口百恵・松田聖子などのアイドルブーム

1980年代中盤:円安↓
マイケルジャクソンやマドンナなどの洋楽ブーム

1980年代後半~2000年代前半:円高↑
小室・Bz・ミスチル・宇多田・SMAPなど空前のCDバブルで国内アーティスト爆売れ

2000年代後半~2010年代後半:円高↑
嵐・ジャニ系とAKB・坂道系のグループアイドルブーム

2020年代:円安↓
K-POPブーム

多少のずれはありますが、円安の時に海外の音楽が流行り、円高の時は国内の音楽が支持されています。(1960年代までは固定相場制のため除外)
これはすべて偶然でしょうか?


仮説


円の価値と音楽の流行に何らかの関連があるとしたら、こういうことなのでは?と考えました。

・円高だと海外に気軽に行けて海外のものが安く買え海外文化が手に入りやすいので、海外文化の価値を高く感じなくなる

1990~2000年代は海外旅行に非常に気軽に行けました。
格安ツアーで数万でハワイやアジアに行った記憶があります。
そんな安い外国の文化はあまり貴重に思えません。


逆に、円安で海外が遠く感じられるようになると、国内文化と海外文化の落差が大きくなり、海外文化の憧れからブームが起きる、というのは確かにありそうです。

一番わかりやすいのは、平成後半のグループアイドル全盛期にジャニ・AKB・坂道といった質の低い国内音楽が流行し、新しい音楽への飢餓感が増したタイミングで、アメリカやアジアで流行っている高品質なK-POPが若い人に一気に受け入れられたという今の状況です。

特に今の10~20代は、生まれてからずっと国内音楽文化にしか触れてこなかった人が多く、K-POPが単なる流行ではなく「カルチャーショック」というレベルで支持されている可能性があります。


今後


今の円安は日本の経済政策やアメリカ・周辺国との関係などさまざまな要因で発生していますが、それらが急にすべて変わるとは思えず、この傾向は一定期間続くと考えたほうが良さそうです。

その場合洋楽だけでなく、アニメ・マンガ・ゲーム・キャラクタービジネス等日本が強みを持っている分野以外のエンタメ、実写映画や海外ドラマ・スポーツ等のコンテンツがこれから次々と日本で流行するかもしれません。

でも見方を変えればこんな楽しみが増える可能性があります。

① 海外のサッカーや人気スポーツがいつでも見れるようになる(有料で)
ユーロやコパアメリカだけじゃなく何でも見れたらいいですよね。

② 海外のモータースポーツが90年代以来久しぶりに人気になる
これは個人的に大いに期待したいです。

③ 過去の人気実写ドラマが海外資本の豪華版でリメイクされる
もう日本のテレビ局には絶対無理なので…

あと音楽もK-POPだけじゃなく、ラテン・アラブ・アフリカの流行とかが入ってきたら新鮮で面白そうです。
そういった良い方への変化にも期待したいですね。




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