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東京オリンピックって何だったのかなと今考えてみる

先週コーネリアスのライブを見ていて思い出したのですが、ここ数年に渡ってアンチ東京オリンピックというムーブメント(?)とでも呼ぶべきものが確かにあったと記憶しています。

あれは何だったんだろう?という疑問が湧き上がってきたので、今回はオリンピックについて書いてみようと思いました。


私はオリンピックというイベントについてこう考えています。

テレビでやっていれば見ることもあるし、好きな競技や選手が出ていれば応援しますが、見たい競技以外は日本人が出ていても見ないこともあります。

この前の東京オリンピックも、サッカーが好きなので事前にちゃんと調べて見ました。あとスケボーは見ました。

またよく覚えているのは柔道女子の浜田選手で、寝技(関節技)のスペシャリストで初出場ながらすべて一本勝ちの金メダルを獲得し、それほど騒がれませんでしたが超一流の技を持っていると感動しました。

計算しつくされた恐ろしく速い仕掛けは世界でも唯一だと思いますし、そういう凄さを見られるのは楽しかったです。

オリンピック選手によって生みだされる感動的なシーンは他では見られないですし、その瞬間をお祭りのように楽しむものだと思います。


急に盛り上がったムーブメント


皆さんご存じと思いますが、アンチ東京オリンピックのムーブメントは非常に激しく、その影響で多くの人が表舞台から去っていきました。

マリオとかアキラが出てきて、あとあの椎名林檎が監督としてどんなすごい演出を見せてくれるかと期待していた開会式もいつの間にかなくなってしまいました。

もしかしたらザハ・ハディド氏設計の斬新だった新国立競技場も、同じ流れでNGになったのでしょうか。

彼女のデザインが好きでザハ・ハディド展にも行きましたし、東京に建つザハ建築を見たかったですが、あの設計は予算含め実現が非常に難しかったようなので、NGは仕方がなかったのかなと思っています。


ただ私が振り返って不思議なのが、あれほどのアンチ東京オリンピックのエネルギーがどこからやってきたのかということと、それを熱心に支持した人の気持ちです。

私はオリンピックというものについて、存在の是非や意義などを特段考えたことはありません。
選手や関係者、一部のファン以外のほとんどの人はそうだと思います。

だから、あのような激しいバッシングが、普段オリンピックに無関心な多くの人々から急に生まれたのをとても奇妙に感じます。

「マスゴミ」という言葉がありますが、彼らが先導して世論に火をつけたという考えも、最近はマスメディアの偏った報道に対し冷静な目で判断する人が増えているので、全部彼らのせいというのも安易だと思います。

もちろん根拠も何もない陰謀論は論外です。念のため。


流行として支持した人


この件に関して今回思い返してみて、いくつか調べてみて、実はある程度の確信を持ったことがあります。

このオリンピックに対しかなり表層的に、税金の無駄遣い、上級国民による横暴といった印象を持って、言い方が良くないかもしれませんが流行に乗る的な感覚でアンチムーブメントを支持した層がいました。

思い返してみれば実際にそのような人をリアルでも掲示板的な場でも見ましたし、そのような人々の間で「オリンピックなんてなくなればいい」と表明することが良しとなるという、無関心な自分からしたら意外な考えがありました。

今までほぼ誰も気に留めてなかったし、実際はエンターテインメントのひとつでしかないオリンピックに対して、急に何を言い始めたの?という、一貫性のない思考に私は違和感を持ちました。


思考の一貫性


上の記事のように、コロナ禍で苦しんでいる状況でオリンピックなどやっている場合じゃないという主張があり、それは正当な意見だと思います。

彼らChim↑Pomは、社会の矛盾を突いてたびたび炎上しながら、タブーを主張するのがアートだとしてさまざまな活動を行っています。
賛否を巻き起こすという彼らの目的は十分に果たされていると思います。

また不正や無駄遣いがあれば正さなければいけないので、監視の役割を持った報道機関の意見は絶対必要です。


しかし、彼らのように自覚的に一貫した主張を持った人々はともかく、そういった強い意見に乗っかって一緒に騒ぎ立てている人がいたとしたら、その人の思考の一貫性に対し疑念を感じてしまいます。

無関心という姿勢ならそれを続ければいいし、肯定または疑問があればそれも続ければいいと思いますが、なんか面白そうな話にただ乗りしているだけでは、結局は何も起こせないし消耗するだけです。

さらに言うと、意図的にそのような騒ぎを起こしたい人にとってはうってつけの人材です。

そうやって少しずつ何かを失い続ける前に、冷静に考えることがまず大事なのだろうと思いました。


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