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未解決の環境問題を考えてみた

今年の秋ってありましたっけ?
と思わずにはいられないほど、Tシャツで過ごせた11月初めから、一気にダウンジャケットが手放せない12月になりました。

日本は四季があるのが良いところという話がありますが、少なくとも今年は秋が限りなく短く、今後この常套句が使えなくなるかも知れません。

そしてその原因は明らかに地球温暖化ですが、真夏の狂ったような暑さを含め、ついに日本も気候変動による変化が目立つようになってきました。
そしてそれに対応するため、カーボンニュートラルに向けた取り組みが至る所で行われています。

ただ私は、その取り組みにあまり意味を見出せないと感じることがあり、私のような素人でも入手できるデータや事実をもとに、諸々の取り組みの是非を考えてみようと思います。


① EVはガソリン車に取って代われるか?


私の予想は、「代替することはできない」です。

現状、EVの性能進化はバッテリーの性能進化とほぼイコールと言えそうで、この問題はバッテリー技術がどのように進化するかにかかっています。

しかし、現在主流であるリチウムイオン電池の理論上のエネルギー密度上限は、ガソリンのそれに比べ10分の1程度しかありません。
(リチウムイオン電池:662Wh/kg、ガソリン:12,000Wh/kg ※電池は理論値の90%までエネルギーを出せるが、ガソリンは理論値の50%以下となる)

つまり現状の電池開発の延長線上ではガソリンのような軽くてパワーがある電池は実現不可能で、今後まったく新しい電池の開発に成功すれば可能性がないとは言えませんが、今のところその目処は立っていません。

これはもしかしてですが、誰も言わないだけで、初めから無理だったんじゃないでしょうか?


ここからはただの予想ですが、EVよりも石油由来じゃない合成燃料や水素を燃焼させるエンジンの方が可能性が高いと思います。
F1では2026年からゼロカーボンの合成燃料を使用開始しますが、この燃料は普通のガソリンエンジンでも使えるものになるらしいです。

どの素材が最適かはまだ分かりませんが、何にせよ液体を燃焼させてエネルギーを取り出す方式が最も有望ではないでしょうか。

そして、毎日の足にはEV、中長距離用や業務用には燃料利用車(HEV)の使い分けが進むというのが、もっともありそうな未来だと思います。


② CO2を減らして地球温暖化を止められるか?


私の予想は、「すぐには減らせそうにない」です。

CO2の増加と気温の上昇には相関関係が認められるそうで、これ自体は疑いがありません。
6~7000年前の縄文時代、気温が上がり北極南極の氷が溶け海面が5mほど上昇し、埼玉と栃木群馬との県境まで海が来ていました(縄文海進)。

関東地方縄文海進貝塚分布図(江戸東京博物館)

専門家の試算では、今世紀末には温暖化が当時と同じくらい進むと言われていて、東京の下町や埼玉を海が再び飲み込んでしまうかもしれません。


しかし本当にCO2の排出を減らすことができるのかというのはかなりの疑問です。

EVはCO2排出量がゼロですが製造や廃棄、発電時を含めるとそうではなく、原子力発電もCO2を排出しませんが事故のリスクがあり、太陽光や風力発電は発電量が不安定で無駄が多いです。

そういう余剰電力で作った水素と工場等から排出されるCO2を合わせて合成燃料を作ればすべてのピースがはまり理想的ですが、製造技術やインフラが未完成なので完全な実現までおそらく数十年はかかりそうです。

ちなみに、排出量の多い国は中国・アメリカ・インド・ロシアと大国が占めていて、この4か国で世界の半分を超えています(2020年)。
本気でやるのであればまずこの4か国が本腰を入れてやればいい話とも言えますが、それができるかどうかは誰にも分かりません。

過去30年の欧州の気温は他の地域に比べて2倍以上の割合で急上昇していて、それがEU等での脱炭素運動のモチベーションとなっていますが、上昇が緩やかな地域もあり、足並みを揃えるだけでも非常に大変だと思います。


まとめ


何か大きな問題が起きた際、知らないうちにある解決策が示され多くの人がパニック的に追従するというのは、今まで何度も目にしてきた光景です。
EVのブームもその例のひとつとなる気がしてなりません。

脱炭素は、取り組む必要性は当然ありますが、実際に成果が上がるかは未知数です。

ただ現在の日本の状況で考えるとこの問題は違った意味があります。

日本の石油利用用途は熱源4割、動力4割、製品原料2割だそうですが、熱源(発電)の代替として太陽光や風力発電、動力の代替としてEVや合成燃料、原料の代替として脱プラスチック等を推進するのは、中東への輸入依存度が非常に高いというリスクを減らす動きとして妥当だと思います。

この際世界のいろんな動きは気にせず、国内では粛々と石油利用を減らしてエネルギー確保のリスクをなくし、さらに環境にも良いとなれば一番いいのではないでしょうか。



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