見出し画像

中学受験を終えたその後について

1月のこの時期、すでに中学受験の本番がスタートし、大変な日々を過ごしている方がいらっしゃると思います。
そしてそんな姿を見て、小5以下の受験を希望するご家庭では今後の受験について考え、着々と準備を始めているのではないでしょうか。

我が家では2年前に子供が中学受験をして、現在は志望した中学校に通っています。

受験前まではやはり学校の難易度や偏差値、どんな学校なのかという点に関心が向いていましたが、入った後に思うのはそこでわが子がどんな成長をするかです。


また個人的に気になっているのは、中学受験の過酷な勉強の体験と生徒の学力レベルがほぼ均一な中高一貫校での経験が、子供の将来にどう影響するかという点です。

まだ在学中なので結論は出せませんが、それらが実際どういった影響を及ぼす可能性があるか、今わかる範囲でお伝えしたいと思います。


1 受験勉強が中学の成績にどう影響する?


中学受験の勉強中は、塾の学習内容の難しさから「こんな難問を小学生にやらせるって正直どうなの?」と思う気持ちがありました。

また例えば中学受験の算数では方程式が使えないので、本来的ではないトリッキーな解き方となりその後の数学にはつながらないという批判もあり、少し疑いを持っていたのは事実です。

しかし我が子の場合は、受験期の学力と中学入学後の成績には大いに関連がありました。
得意科目、苦手科目の傾向は基本変わらず、学校での学力レベルも合格時点での偏差値や過去問の点数から想定される位置に近い結果になっています。

まあ考えてみれば、学校に入ったから頭の中身が急に変わるなんてことはなく、もちろん一部にそういう変化を見せる子はいますが、受験の結果はその子の実力を良く表していると思います。


では中学受験にない英語はどうでしょう。

学校で教わる英語は単語や定型文の暗記といくつかの文法的なパターンの組み合わせなので、国語力と暗記力が成績に関係しているように見えます。
要はそれらさえあればあまり心配はない、ということです。
(英語圏で通用する英語は全然別だと思いますが、私は話せないのでわかりません)

そしてもうひとつ大事だなと思った点があります。

授業以外の部活、課外活動、趣味は子供の成長に大きな影響を与えるので、ある意味勉強以上に重要だということです。

中学受験はとにかく学力にフォーカスが当たるので、習い事や趣味を止めてひたすら勉強するしかない時期もありますが、親の皆さんは、勉強漬けは一時的なものでしかなく、子供が中学に入ったらまた勉強以外のことを大いにやるべきだ、と忘れないようにしてほしいです。


2 思春期・反抗期の迎え方が昔と違う?


中学受験を経験した子の場合、思春期や反抗期の前の小学生時点で、自分の素質、特に勉強の素質がかなり明確に判断され、その後に大人としての自意識が芽生えます。

中学から自分の学力や育ちに見合ったある程度均質な環境が用意されているので、それがその子の初期状態となり、将来を考える際に当然その条件を活かす形で自分の方向を決めることが多いでしょう。

一方、高校受験が最初の受験となる子は、思春期・反抗期に突入した中学時点で、高校受験という自分の学力が試される状況に初めて向き合います。

公立中学という多様な人々がいる世界で、意思を持って自分の人生を始めることになり、その環境が自分に合っていればとても有利ですが、そうでない場合は、その場所から抜け出すのに大変な苦労が伴う可能性があります。

子供は大人より周りの環境に左右されやすいので、そのような違いがその後の長い人生に大きな影響を与えるのではないかと思います。


今の親世代の大半は、私もそうですが、思春期や反抗期の真っ只中に高校受験を経験し、これから自分はどこへ進むべきか、自分の能力で将来いったい何ができるのかと悩んだ方も多いと思います。

しかし中学受験で入学した子は、年齢なりの葛藤はあると思いますが、思春期・反抗期の不安定な時期を安全な中高一貫校で過ごすことができます。

それが良いのか悪いのか決めることはできませんが、私は個人的に、今の中高一貫校のほうが素直な成長がしやすいと感じます。

自分の高校受験のころは、思春期・反抗期・受験勉強・部活などが同時に押し寄せて頭の中がごちゃごちゃで、どれにも焦点を合わせづらかった。
そういうチャレンジングな環境でこそ輝く子もいますし、そういう強さはとても大事ですが、たまたま私はそうではなかったようです。


現在は、中学校以降の子供の育つ環境を親がある程度選ぶことができます。
もちろん経済的・地理的に恵まれていればさらに多くの選択肢を手に入れることができます。

どんな環境でも同じように望ましく育つならそれが一番いいですが、果たしてわが子はどうなのかとよく観察し考え、慎重に選んでいくことが大事なのではないでしょうか。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?