菓子材料の相性、取り合わせ
こんにちは、連日の暑さと格闘中のバウムの書(note出張所)です。今日は冷蔵庫に入れておいたジャスミン茶を飲んでいます。
さて、先日「柿のバウムは、意外にない」と書きましたが、ほかにもいろいろ「これを最初に混ぜようと思った人はすごい」やら、逆に「誰もこれを菓子に入れようと思わないでほしい」といったものは、思い浮かびます。
お菓子の話からはいったん離れますが、わたしにはたまにしか会わないけれど付き合いが長い日系アメリカ人の知人がいます。
幼少時は日本語しか話さない日系一世の祖父母との交流が深く、食べ物や言語などを通じて日本文化にどっぷりと漬かっていました。親世代は英語と日本語のバイリンガルでしたが、時代が下るにつれ自身は英語が中心になりました。
成人してから現在までに言葉は学び直しているようで、ちょっとした会話ならば日本語感覚をとりもどしています。ただ食べ物に関しては、わたしから見ていると、かなり変わった取り合わせです。
彼女が和食と考えるもの(でも実際にはアメリカ国内の影響下にある)と、わたしが日本で見慣れて食べているものは異なりますし、あるいは彼女が「そんなものは、日本人は食べないと思う」と考えるものは、実は日本では何十年も前から一般的になっているなど——たとえば内部にとろけるチーズがはいった練り物(さつま揚げ)とか、ですね。彼女曰く「えーっ、チーズがはいったら日本の食べ物じゃないでしょう」だそうです。
それぞれの人が頭で知識として持っている「○○料理の食材」と、人々が少しずつ慣れていって料理や菓子に取りこまれていく食材は、その途中経過を知らないと、なかなか実感がともなわないものなのでしょう。
むろん、世間での認知はどうであれ、ご自分の主義から「酢豚にパイナップルはだめ、許せない」という人もいらっしゃいますし、うちの夫などは「甘い菓子に(本来は苦い)抹茶を入れるのは、やめてほしい」と言います。緑っぽい色の菓子があれば、たとえずんだ豆だろうと、いったん警戒する徹底ぶりで、抹茶だった場合には、ほんの隅っこだけしか食べません。
さて。
お菓子の分野でも、ちょっと変わったものを取り入れてみようという試みが長い時間をかけてなされ、現在では白味噌を入れたパウンドケーキもありますし、豆類を入れた洋菓子やパンも、数多く存在します。
日本では、イギリス由来のクリスマスプディングが、伝統的な製法では牛脂が使われていたものだと知られていないかもしれません。時代が下ってのちは牛脂ではなくバターが一般的になり、内部に使われるミンスミートもドライフルーツになり(現在の実物はドライフルーツの洋酒漬けですが、歴史的には名称通りにミンチしたミート、つまり挽肉でした)、すっかりお菓子の様相になりましたが、本来は保存食です。1ヶ月くらい寝かせてから食す、冬の食べ物だったのです。
最後に。
先日こちらに書いた「柿」と、同じく以前から検索している「梅」のバウムは、食べてみたいですね。芋、栗、カボチャなどは、複数のお店で販売されたことがあり、バウムファンのあいだでは、けっこう定着しています。
それから、日本のお菓子屋さんには多くないですが、ドイツですと生地に生姜がはいったバウムがあって(ベルリンにある名店ラビーンなど)、それが周囲の黒チョコとあいまって、わたしは大好物です。もともとヨーロッパにはジンジャークッキーがありますが、日本には生姜をお菓子に入れる考え方は、あまりなかったかもしれません(砂糖漬けはありましたけれども)。
また、わたしが個人的に「こういうバウムは、別に急いで開発してもらわなくてもいいですよ〜」と思うものを、書いておきます。
海藻(なんとなくですが、バターと合わないような…!?)
魚介(刻んだ蛸を入れたバウムならば、かつて広島県にあったそうです)
昆虫(←わたしは昆虫食の話題がちょっと苦手なのです)
では、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
なかなか遠出も難しくなったご時世ですが、落ちついてきたら、普段は電話やメールなどでお世話になっている洋菓子店さんの訪問をしたいと思っています。交通費などに使わせてください。