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「笑の大学」(2)

「検閲官」は「戦時中だから国民は一丸となって真剣に生活を取り組むべき、だから『喜劇』など享楽に供するものなどもっての外だ💢」という考えの人で、「脚本家」が持ってきた本を、これでもかというほどに「訂正個所」を示し、これを直してこないと「許可しない」と、本を突き返します。

例えば舞台は「外国」の話しだったのに、「なぜ日本の話ではない」とほぼ言いがかりのような訂正を求め、それを飲まなければ「許可しない」と言うようにです。

「脚本家」はそれにめげず、修正して再度持ち込むのですが、また訂正を求めてきます。

「脚本家」は尚も、その訂正も直して持ち込みまた訂正を繰り返して・・・、としているうちに、「検閲官」と「脚本家」の間に、奇妙な「連帯感」が生まれ、逆に「面白い台本」に変わって行くのです。

このやりとりがとても面白くて、最後は「泣ける」ので、印象深い映画として記憶されています。

このような戦時中でなくても、人間は誰でも何かしら「制約」を受けて生きています。

その「制約」の中で、いかに「自分らしく生きて」いけるのかは、この「脚本家」のように「足掻き続け、それを誰かに認めてもらうこと」が大事な気がします。


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