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超新星がJ3に登場!松本山雅2023年内定濱名真央の秘めた実力

今年3月18日に松本山雅から松本大MF濱名真央選手の2023年シーズン新加入内定及び特別指定選手承認が発表された。松本山雅と提携する地元大学から史上初のJリーガーが誕生したが、実力はベールに隠されたままだ。プレー集はYoutubeに公開されているものの、彼を紹介する媒体が皆無のため濱名真央選手の秘めた実力を紐解いていく。
(写真、濱名真央選挙提供)

数々のJリーグスカウトが獲得を狙った隠れた才能

まずは彼はどのように評価されてきたのか。高校は八村塁を輩出したバスケ界では超名門校の明成(仙台大学附属明成)出身。高校バスケでは有名だが、高校サッカーでその名はあまり知られていない。ベガルタ仙台と提携しているため同校出身のJリーガーはベガルタ仙台ユース出身者のみだった。それでも同校サッカー部時代は県内サッカー界でも隠れた実力者として注目を浴びていた濱名選手だが、全国では無名のプレーヤーだった。卒業後は松本大に進学し、すぐに頭角を現した。

これまで複数のJ1チームから注目されてきた。あるJリーグ関係者は「実力は間違いない。デンソーでのプレーも光るものがあった。松本さんに入団したけど、今後も活躍を注視していきたい」。大学1年からJ1クラブから接触があったものの、コロナ禍の影響もあって各クラブの視察は難航。地元である松本山雅は優れた才能を素早く確保した。別のJリーグ関係者は「ミレニアム世代(2000年生まれ)のサプライズ。これだけの選手があまり知られていないことが驚き」と絶賛していた。

プレースタイルは万能型チャンスメイカー。松本の三笘薫へ

メインポジションは左WG、攻撃的MF。前線、中盤のあらゆるポジションをこなすポリバレントな才能に長け、独特なタッチから繰り出される精度の高いパスと切れ味鋭いドリブルは既にプロ級。身体能力にも優れ、球際の強さ、競り合い、スプリントも◎。デンソー対東北選抜戦でFW責任のアシスト未遂となたったロングスローも光るものがある。彼のプレーを見たJリーガーは「この子の利き足はどっちですか?左も右もドリブルのタッチが同じぐらい上手いですね」と言わせるほど、利き足を問わないプレーを見せる(利き足は右)。ここで今年開催されたデンソーカップ東北選抜戦のゴール、アシストを掲載する。

ゴール

アシスト1

アシスト2

特筆すべきは反発ステップからの突破力。ベルギーで活躍する三笘薫選手(ユニオン・サン=ジロワーズ)のドリブルを彷彿とさせる。Jリーグ関係者は「三笘くんのようなステップも切れるし、身体もかなり強い。そしてチャンスメイク、ゴールも狙える精度と頭の良さがある。しっかり見えているよね彼は」。正確な判断と時折見せる独創的なプレーは見る者をワクワクさせる。

特別指定選手で活躍した松尾佑介以来の活躍も

特別指定選手では過去にJ2横浜FCで松尾佑介選手(現浦和レッズ)が21試合6ゴール5アシストと特別指定選手における最多出場、最多得点、最多アシストを記録して同チームのJ1昇格に大きく貢献した。そして濱名真央選手がこの記録を塗り替える可能性は十分あり得る。

これは筆者の経験になるが、大学時代から松尾佑介選手を取材してきたため、その実力の高さを見続けてきた。その松尾選手と比較しても濱名選手の実力は劣らないように感じる。実際にプロとの練習試合では、個人技でJリーガーを圧倒してきた。単純にJ3ならJ1、J2より活躍は簡単だろうとは言わないが、実力の高さを考えれば活躍する可能性が非常に高い。松尾佑介選手に匹敵する活躍を期待したい。

課題は安定感

課題は試合によってパフォーマンスが異なる点。活躍する試合はプロ関係者も舌を巻くほどのプレーを見せるものの、コンディションなどが不調の場合は借りてきた猫のように大人しくなる。昨年の総理大臣杯初戦の東京学芸大戦では、プロ関係者から「普段とは別人」と言わせるほどの低パフォーマンスを披露。今年のデンソーカップ北海道選抜戦でも低調だった。

濱名選手本人もこの課題に危機感を募らせている。今後はプレーに安定感を持たせて、長いシーズンを戦い抜く覚悟だ。

人柄は天真爛漫

右が濱名真央選手、笑いにも貪欲だ

性格は天真爛漫でとにかく明るい。人を笑わすために生まれてきたのではないか、と思えるくらい豪快にふざけてくる。松本山雅に所属していた高崎寛之選手(現アンテロープ塩尻)を想起させる。また松本山雅に加入する前に北信越リーグ時代を記録した「クラシコ」を視聴して、サポーターのために戦うことを真剣に考える一面も。ファンサービスが制限されている中、特別指定選手ながらファンを大事にする姿勢は一流のプロと通ずるものがある。きっと声をかければ笑顔で対応してくれるだろう。

最後に

本記事を書くにあたって、事前に濱名真央選手から許可を取って執筆しました。取材記事ではなく、あくまで紹介記事になってしまいましたが、彼の魅力が一人でも多く伝われば幸甚に存じます。いつか彼のインタビュー記事を商業媒体に掲載すると思いますので、その際は何卒よろしくお願い申し上げます。

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