映画ライターになりたい
「映画の仕事は面白いよ」
授業中の雑談で、あるいは親戚の家に遊びに行った時に、大人たちは、私にこう言った。
「映画の仕事、って言っても色々ある。俳優に、監督に、カメラマン、脚本家・・・どの仕事でもいい。やってごらんよ」
その頃の私は、ふうん、とは頷いたが、そこまで深くは考えなかった。
映画よりも、活字が好きだったのだ。
それに、映画の仕事、と言っても幅が広すぎて想像がつかず、何をゴールとしようか、など考えることもないままだった。
大学でも、映画関係のサークルはたくさんあったにも関わらず、足を向けることはなかった。
理由の一つは、怖かったから。
そこに集まるであろう、映画が好きで好きでたまらない、という人たちについていけるのか。
好きな映画について問われても、まともな受け答えができないのが目に見えていたから。
今思うと、もったいない真似をした、と後悔している。
まだ、映画好きの入り口に立ったばかりなら、それを話して、何がいいか、と素直に聞いてみたら良かっただろうに。きっと「とっておき」を教えてもらえただろう。
映画、そして「映画の仕事」についての言葉は、その後も長く私の中に根を張っていた。
前に行っていた美容院で、カットをしてもらう間、読んでいたのは最新刊のスクリーンだったくらいには。
それから年月が経ち・・・私の頭の中には「映画」という単語が常にある。
上映中の映画。
見損ねて、DVD が出るのを待っている映画。
インターネットを開けば、適当なキーワードを入れて、映画の情報を探す。
なぜこうなった。
理由は主に2つある。
一つは、小説を書きたいから。
前々から、「小説を書きたい」とは思いながらも、何をどのように書けば良いのかがわからなかった。
すると、ストーリーの勉強のためにも、映画が良い、と友人にすすめられた。(やってみて、確かにちと思ったのは、前よりも記事が書きやすくなったこと。「ストーリー」を考えながら書くようになったためか)
二つ目の理由は、仕事を広げたいから。
美術ライターとして、スタートしたが、一つのジャンルにこだわり続けるのは限界がある。広げたい、と思い、その候補が「歴史」と「映画」だった。
前者については、去年踏み出すことができた。
問題は後者だ。
白状すると、知識不足にも程がある。
何となく膨大な情報を眺め渡して、適当にいくつかつまみ食いしているのが現状。
数は前よりも増やすようにはしているが、俳優や監督の名前をあまり意識していないから、それについては書けない。
とりあえず、年末から、スマホアプリで見た映画のタイトルは記録し、簡単な感想も書き留めている。
noteにも、マガジンを作成して、思い付いたことを覚え書きとしてまとめている。
→
https://note.com/azzuro0205/m/mbd7bd3d41310
やっていて思ったのは、
「書くことを通じて、映画に関わりたい」
という自分の思いだ。
書くこと、言葉を通じて、私は美術や歴史と付き合う道を探り、歩いてきた。
それを映画と関わる上でも、実践したい。
脚本でも、映画を紹介する記事でも。
どうか、道を開けますように。そのための勇気が出せますように。
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