3回帝王切開したけれど、そのどれもが違った話
お産はどれも違う。
よく言われる言葉ですが、開腹手術である帝王切開もそうなの?って思う方もいらっしゃるかもしれません。タイトルの通り私は子供3人を帝王切開で出産してますが、理由も、帝王切開の病院も、術中の在り方~術後の経過も、3回すべて違いました。
帝王切開は、妊娠しているどんな方にも可能性のある出産方法なのですが、あまりにその実態が知られていない…!実際に私も帝王切開について全然知らなくて、一回目の時は本当に精神的にきつかったです。
・予定帝王切開が決まっていて、どんな感じか不安な方
・今妊娠中の方で、帝王切開について情報収集をしておきたい方
などに、今回の投稿が役立てばと思っています。
帝王切開ってどんな出産方法?
一言で言いますと、お腹を切って赤ちゃんを出す出産方法です。帝王切開になる理由は色々ありますが
「経腟分娩を行うのが危険と判断されるときに選択」されます。
例えば逆子は帝王切開の理由の一つとしてよく知られています。
私の場合、第一子(長男)が胎盤剥離の疑いありということで緊急帝王切開を行ったので、第二子・第三子も帝王切開をしています。
胎盤剝離とは、赤ちゃんが出てくる前に胎盤が子宮からはがれてしまうこと。大量出血が発生しやすく、母子ともに命の危険があると言われています。
私の場合、出血が起こる前に胎盤剥離の疑いがわかり即帝王切開になったため、かなりラッキーだったと後から知りました。
帝王切開は開腹手術なので、術後がしんどいとよく言われます。実際、3回ともしんどかったですね…私は3回とも陣痛の経験がないので経腟分娩のお母さん方本当すごいなと思うのですが、どんなお産もしんどいですよね。みんな頑張ってる・・・!
帝王切開のいいところと大変なところは?
今の日本ではあまり出産方法の選択権がない(一部の病院で無痛分娩などが選べるようになってきましたが)ので、あまりメリットデメリットみたいな形で表現するのはナンセンスかとは思いますが、私の場合、としてあえていくつか挙げてみたいと思います。
帝王切開は保険適用、経腟分娩は保険適用外
帝王切開は母子に体の危険がある場合に選択される医療行為のため、保険適用になるそうです。民間の医療保険に入っていると保険金が支払われます。私も医療保険に入っていて保険金が支払われたため、経腟分娩の方よりも金銭的負担は少ないのかなと思います。第一子出産時には金銭的な自己負担は結果的にほとんどなかったと記憶しています(出産する地域や病院、状況によっても異なるので、あくまで私の場合です)。
帝王切開を行うと、その後の出産で経腟分娩にすることは難しい
帝王切開を行うと、そのあと経腟分娩を選択するのはかなりハードルが高いです。私も含め、多くは予定帝王切開で第二子以降を出産することになります。理由は切開した場所が弱くなっているため子宮破裂のリスクが高いから。
第二子を出産した病院では「子宮破裂が万が一起こっても母子ともに命を守るため、NICU(新生児集中治療室)とICUがないと経腟分娩ができない。うちの病院はNICUがないので予定帝王切開になります」と言われました。
上記のように、帝王切開の既往歴がある人は様々な条件がそろわないと経腟分娩はできない場合が多いようです。第三子の時も「2回帝王切開してるので、今回も帝王切開ですね~」と軽めに言われました。
帝王切開の手術ってどんな感じ?
では、帝王切開の手術って実際どんな感じなの?というわけで、これまで私が経験した3回の帝王切開の手術の経緯をレポートしていきます。
1回目の帝王切開:胎盤剥離で緊急帝王切開(39週5日)
1回目は今からおよそ10年前の2013年12月、緊急帝王切開でした。予定日の二日前(この日に出産することになります)の午前中から、右側のみぞおちあたりがしくしく痛む。波はあるものの、お昼を過ぎても改善しませんでした。
「なんとなく、右の脇腹が痛いんだよね」と夫と母(当時私は東海地方に住んでおり、実家から母が手伝いに来てくれていました)に伝えたところ
「陣痛ではなさそうだけど、なんかおかしいのかもしれないから一旦病院に行ってみたら?」という母の提案を受け、15時過ぎに出産予定の個人の産婦人科へ。
病院で状態を確認した先生が「ソウハクかもしれん」(ソウハク=早期胎盤剥離)とつぶやくと、雰囲気が一変。このまま(寝たまま)動いちゃダメと言われ、あれよあれよと救急車へ。
大きな病院に到着し夫が手術の同意書にサインしまくっている間に身ぐるみ剥がされ手術着に。採血点滴やその他手術準備が取り囲まれた5,6人の看護師さんによってなされていきます。
麻酔科の先生が空き次第手術、と宣言され、19時に手術開始。19:15に誕生となりました。かかりつけの病院に行ってからたった4時間後の出産でした…
人生初めての手術なので、手術室では恐怖で震えました。胎盤剥離という理由でしたが出血もなかったので下半身麻酔での出産です。下半身麻酔は背骨に注射をするのですが、背中に重い痛みが少しあったかなという感じでした。保冷剤?みたいな冷たいものを胸元あたりからぽんぽんと当てられて、下半身に冷たさを感じないか(=麻酔が効いてるか)確認してから手術が始まりました。
赤ちゃんは手術開始後15分ほどで出てきました。「ほら、男の子ですよ~」と顔を見せてくれて無事だったかと心底ほっとしましたが、直ぐに「ではご家族に顔を見せて念のためNICUで管理します」と撤収。10秒くらいの対面でした。
子どもを取り出した後の縫合の方が時間がかかるので、その間気分が悪くなり辛かったですね…嘔吐はギリギリなかったものの、本当に気持ち悪かった。手術で使ったガーゼの枚数を数えている声が聞こえて、リアリティが増して更に気持ち悪くなっちゃいました。。
手術後、夫・母に会い少し話をしてから病室へ。うとうとしているうちに日付が超えていたという感じでした。
2回目の帝王切開:38週2日で予定帝王切開
2回目は、1回目から約3年後に予定帝王切開でした。この3年の間に東海地方から関東地方へ引っ越しをしており、2回目は実家近くの都内総合病院で出産することになりました。
先ほどお伝えしたとおり私は2回目の出産をする病院で予定帝王切開をしますと言われており、妊娠4ヶ月くらいには予定帝王切開日が決定。その病院では月曜と金曜が予定帝王切開をする日と決まっていて、単胎の場合38週に予定帝王切開をするケースが多いと聞いていました。私の場合、38週の月曜が祝日だったので、金曜しか選べず、この日が選択されました。
経過も良く、予定どおり手術前日の午後に入院。入院後は入院期間の過ごし方の説明と最終の術前説明がありました。特に麻酔科の先生が丁寧に説明してくださり、かなりほっとしました。また、このあと剃毛と点滴をしました。(この点滴の針が一番太くて一番痛かった)
夕飯は通常食です(夕食後は絶食)。余裕もあるので写真をバシャバシャ撮りまくり、この体型もこれで見納めだ!と大きなお腹も記念に写真に残す位余裕がありました。
翌日の朝9:30に手術だったので、9時頃に家族が応援に来てくれました(7年前の話なので、コロナ前でした)。上の子や夫、母と軽く話をして、
点滴を自分で引き、歩いて手術室へ。
2回目とは言え、結構緊張しましたし、やっぱりすごく震えました。前日説明をしてくれた麻酔科のベテラン先生が声をかけてくださったり、看護師さんが「大丈夫です、リラックスしてくださいね〜」「背中をしっかり丸めてくださいね」など的確な指示をしてくれて助かりました。
手術日の朝の段階で麻酔時の痛みを和らげる点滴?と確か言っていた気がする…が入ってると言ってたので、手術中の痛みは麻酔の注射も含めて、ほぼ感じなかったです。1回目の時と同じく、麻酔後に冷たいものを上半身から順にあてていき、麻酔がかかったことを確認してから手術でした。ちょっと効きが悪かったのか、2,3回このチェックをされました。
麻酔をかける時には麻酔科の先生が「背中を丸めるのお上手ですよ~」などと声をかけてくれました。
先生「何回目のご出産なんですか?」
私「2回目です」
先生「もし機会があれば、3回目もね、がんばっていただいて、この少子化の時代ですしね」
私「いやいや、もう大丈夫です~。やっぱり2回目でも手術は怖いですし」
なんて世間話しました。
第二子の娘は、手術開始から約20分後の9:55に出生。対面の時にはめがね(私は超近眼です…)をかけさせてくれ、娘と対面。片手で抱っこもさせてくれました。しかもそれを写真にもおさめてくださいました。とてもうれしかったけど「こんにちは~初めまして~」くらいしか娘に声がかけられなかった…。(こんにちはって何だよって感じですよね)
1回目の帝王切開で赤ちゃんを取り出した後に気持ち悪くなったのがとても辛かったのでバースプランでは「前回の帝王切開で気持ち悪くなった」と正直に書いたら娘を取り上げた後に眠らせてもらえました(もちろん私の意思を確認してくれてから)。眠っていたのは15分~30分程度だったのかも知れないですが、前回の経験がトラウマになっていた私には十分安心できました。
手術終了後、病室で待っていた夫、母などと合流しました。私の手術中には、待っていた家族も娘と対面でき、写真を撮ったり出来たようです。
3回目の帝王切開:37週2日で緊急帝王切開(お腹の張り)
3回目は2回目から約6年半後でした。出産予定日には上の子たちが小学校が始まっているため、2回目の帝王切開をした実家近くの病院での出産は回避し、自宅近くの総合病院での出産を選択しました。
これまでの経過などから、38週5日での予定帝王切開の予定がされていましたが、37週2日のその日は、朝からお腹の張りがありました。いつもなら少し横になって休めば張りは収まってくるのでこの日も同じように朝から休んでいましたが、休んでも張りが収まらない。お昼過ぎになってもずっと張っているので14時過ぎに病院に連絡をし、夫に病院に連れて行ってもらうことに。娘も同行してくれました。
一番上の息子は「宿題あるし(本当はゲームしたいから、というのを私は知っている笑)、いいや」とのことだったので
「このまま赤ちゃん出すことになったら、お母さん1週間帰ってこないからね、お兄ちゃんちゃんとやってね!頼むよ!」
とガミガミ言いながら家を出ました汗
16時ころ病院に到着。夫と娘は待合室で待つことに。私はお腹の心拍を測定する機械(なんて言うんでしたっけ…?)をつけてしばらく経過観察です。時間にすると30分くらいでしょうか…
その後内診をして、まだ子宮口が2センチ程度しか開いてないと先生に言われます。
診察中に「でも、お腹張ってる感じあるんだよね?」と先生。
私「そうですね、はい・・・」
先生「もう37週で、正規産の範囲だし、来週の予定帝王切開まで待つ理由もないから、今日切っちゃおうか」
切っちゃおうかって先生・・・!
私「え、あ、は・・・はい・・・!」
先生「このまま待って子宮破裂とかになってしまったら大変だし」
私「は、はい・・・(怖)!!」
先生「帝王切開は、麻酔科の兼ね合いもあるから、18時か、18時半頃にははじめるから(さらり)」
って、今17時ですよ!あと1時間もない・・・!!
すでに手術同意書は36週の検診時に私の名前でサインして提出済だったので、夫のサインなどをもらうことなく済みましたが、コロナが5類になる前だったのでPCR検査をこの診察の時されました・・・
診察後「このまま帝王切開なので、点滴のルートとっちゃいますね」と看護師さんに言われ太い針の注射(2回目の帝王切開で前日にやった注射)をしました。これが一番痛い。とはいえ、大人なら我慢できないほどではないです。うん。。。
結局手術準備やPCR検査の結果待ちなどもあり(陰性でした)、18時半過ぎにベッドで手術室へ移動。19時前頃から手術が始まりました。
手術中まず気になったのが、緊急ということもあったのか、4月という時期的なものなのか、麻酔科の先生が研修らしき先生+指導医の先生のコンビだったこと。
「カイザーの場合~~」「この方(私のこと)の場合、体型的に○○の量が~~」と全部解説している・・・しかも指導医の先生の口調がちょっと強いので緊張感が半端ない。
指導医の先生が説明をしながらなので、麻酔を打つまでにやや時間がかかりました。痛みは2回目の帝王切開の時同様、ほとんど気にならない程度でした。(帝王切開が決まった診察後に「点滴のルートをとる」と言われた注射の方が痛い)
総合病院ですしね、仕方の無い事なのですが、急遽切る事になっている私にとっては怖さを感じてしまう出来事でした。でも、この後私に対して「深呼吸していれば大丈夫ですからね」「赤ちゃんでてきますよ」「大丈夫ですよ」と一番声かけをしてくださったのはこの麻酔科の指導医の先生でした。
また、この病院では四肢を大の字のようにして、それぞれの手首を固定できる手術用ベットをつかっていました。前回までの2回では手足は固定されるものの、身体に沿わす形だったので、事前に説明は受けていてもちょっと緊張しました。(四肢を大の字に固定されるのって、心許なく感じます)
バースプランには「2回目の出産時同様、できれば赤ちゃんを触って一緒に写真を撮りたい」と書いたのですが、四肢が固定されているため顔を見せることしか出来ない、写真は病室もどってから可能、とのことでした。
これまでの2回同様、麻酔の効きを同じように冷たいものを当てる形で確認されました。このときは右側の方が効きが悪く、右は3回位確認が入りました。
これまでとは違ったのが、手術が開始されるとすぐ焦げ臭いにおいがしたこと。おそらく3回目だけ電気メスだったのではないかと思います。ジジジ・・・という音も聞こえていました。そして執刀してくれる先生が「腹筋薄っ!」と言っていたのが聞こえました・・・産後1年くらいしたら腹筋を鍛えようと思いました笑
手術開始から15~20分後に次男が誕生します。が、なかなか私の前に連れてこられない。血中酸素が上がりきらないと看護師さんが言ってました。この間も「赤ちゃんは大丈夫ですか?」と聞く私をフォローしてくれていたのは麻酔科の指導医の先生でした。
小児科医の先生に念のため赤ちゃんの確認をしてもらい、問題無いことが分かると私のところに顔をみせてくれました。
おそらく20時ころには手術終了。ベッドで病室まで戻りました。長時間待っていてくれた夫と娘にも会い、次男に会えたことを話して帰宅してもらいました。
このあとが一番違う!手術後の経過。
実はこの後の手術後の経過が3回それぞれで違うのですが、結構ここまでで長くなってきてしまったので、次の記事としたいと思います。
こちらです↓
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